〈死に悩んでいる人の役に立ちたい〉…女子大生嘱託殺害の被告「事件直後の戦慄行動と驚愕メッセージ」
「『殺して』というメッセージに『いいね』を押しました。女子大生から『ありがとう』というDMが来ました」
被告は法廷で、被害女性と知り合った動機についてこう語った――。
8月31日、北海道の札幌地裁で嘱託殺人などの罪に問われている小野勇被告(54)の初公判が行われた。小野被告は起訴内容について「間違いありません」と供述。弁護側は事件当時はうつ状態だったと主張したが、検察側は犯行が発覚しないようにメッセージのやりとりを消去しようとするなど責任能力があると訴えた。
「起訴内容によると、小野被告は’22年10月に札幌市内の自宅アパートで小樽市に住む女子大生Aさんの首を絞め殺害したとされます。自殺願望があったとされるAさんに、ほう助した経験があると話して近づいたようです。小野被告は法廷で『本当は殺したくなった』とも話しています」(全国紙司法担当記者)
『FRIDAYデジタル』は’22年10月13日配信の記事で、小野被告が起こした事件について詳しく報じている。再録して、小野被告の身勝手な犯行と戦慄のメッセージを振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
〈また踏み外しちまったな〉
〈人の道ってどこだっけ? また踏み外しちまったな でも役には立てた…のかな?〉
女性が亡くなった直後の’22年10月7日、容疑者はSNSに意味深な投稿をしていた。
10月11日、北海道小樽市に住む大学生Aさん(当時22)の遺体を遺棄したとして再逮捕されたのが無職の小野被告だ。Aさんは10月3日昼に、自宅から笑顔で外出。家族が電話やLINEをしても連絡がとれなくなったため、7日に北海道警へ行方不明届が提出されていた。
「Aさんのスマートフォンの電波は、小野被告の住むアパート付近で途絶えていました。その後の捜査で、Aさんが小野被告の自宅に監禁されている可能性が浮上します。警察が現場に向かうと、自宅前に小野被告がいたため職務質問。刃渡り8.7cmの折り畳みナイフを持っていたため、銃刀法違反で現行犯逮捕したんです。
さらに小野被告の部屋を家宅捜索するとAさんの遺体が……。司法解剖の結果、亡くなったのは4日ごろとみられ、死因は首を絞められたことによる窒息でした。部屋からはAさんのスマホも見つかっています。調べに対し小野被告は、『(Aさんと)事件前にも会ったことがある。室内で首を絞めて殺した』と殺害をほのめかす供述をしていました」(全国紙社会部記者)
小野被告はAさんと「SNSで知り合った」と供述していたが、詳しい経緯は不明だ。友人によると、Aさんは料理好きで明るい性格だったという。
「Aさんは将来は作業療法士になることを目標にしていました。家族に手作りケーキやアップルパイをふるまうなど、料理も大好きだったようです。明るく活発な性格で、多くの人から信頼を得ていたと聞いています」(同前)
〈やっぱ壊れてるなぁ〉

一方の小野被告は、あまり近隣住民と交流がなかったようだ。
「近くに住む人に話を聞いても、印象が薄い答えしか返ってきません。ただ自身の身体に彫ったタトゥーや武器の知識については、よく自慢していたようです。小野被告のモノと思われるSNSのプロフィール欄には、自衛隊への入隊経験をアピールしたいのか〈元二等陸曹〉〈元傭兵〉という書き込みが。自身を〈人殺し〉〈心優しき死神でありたい〉とも紹介していました」(同前)
Aさんが亡くなったとされる10月4日以降、小野被告と思われる人物は意味深投稿をSNSに続けていた(原文ママ)。
〈普段通りに生活してる やっぱ壊れてるなぁ〉
〈知り合った人が本人の希望通りに亡くなった…複雑な気持ち これで良かったのかわからない〉
〈また死について悩んでる人の役に立ちたいな〉
事件から約10ヵ月ーー。自身を〈心優しき死神〉と称し犯行にいたったとされる小野被告は、法廷で罪を裁かれることとなった。

PHOTO:共同通信社