〈暇つぶしにかけた〉の声も…処理水放出で激化!中国から殺到の迷惑電話「当局が黙認する」特殊事情 | FRIDAYデジタル

〈暇つぶしにかけた〉の声も…処理水放出で激化!中国から殺到の迷惑電話「当局が黙認する」特殊事情

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福島第一原発の処理水放出に反対する中国の人々(PHOTO:ロイター/アフロ)
福島第一原発の処理水放出に反対する中国の人々(PHOTO:ロイター/アフロ)

〈日本へ抗議の電話をかけよう〉

中国のSNSには、日本の電話番号とともにこうした呼びかけが掲載されている。8月24日から始まった福島第一原発の処理水放出へ反発をうながす書き込みだ。SNSに呼応するように、中国から寄せられた抗議電話は東京電力へ6000件以上。原発とは無関係な飲食店などにも、業務を妨害するような多数の迷惑な連絡が入っているという。

「ただ、本気で日本へ抗議しようと考えている人は少ないようです。8月31日付の読売新聞が、SNSの呼びかけに応じ迷惑電話をかけた中国の若者たちを取材しています。彼らは読売新聞にこう答えていました。〈相手はどこでもよかった。刺激がほしかった〉〈暇つぶしにかけた〉と。

一方で抗議活動はエスカレートしています。北京の日本大使館にはレンガが投げ込まれ、東部・山東省青島市の日本人学校へは投石がありました。現地の領事館は、在留邦人に不用意に日本語を話さないように注意喚起。日本政府も警鐘を鳴らしているんです」(全国紙北京駐在記者)

「日本を不満のハケ口に」

中国政府は、加熱する日本への抗議活動を止めるどころか黙認している向きがある。中国外務省の王文斌(おう・ぶんひん)報道官は、8月28日の会見で報道陣から迷惑行為について聞かれ次のように答えた。

「中国は一貫して外国人の安全と権利を守っている。日本政府は国際社会の強い反対を無視して、一方的に『核汚染水』を海に流した」

なぜ中国当局は、日本への迷惑行為を積極的に止めようとしないのだろうか。背景には特殊な事情があるようだ。中国人ジャーナリストの周来友氏が語る。

「大きな理由は2つあります。1つは停滞する経済状況により、国民の不満が高まっていることです。不動産価格が下落し失業率は悪化。処理水への批判を黙認することで、政府へ向けられそうな国民の怒りの矛先を日本へ向けようという狙いがあるのでしょう。日本を不満のハケ口にしていると思われます。

もう1つが、9月が『反日の月』であること。9月3日は中国にとって抗日戦争の勝利の日であり、18日には満州事変のキッカケとなった柳条湖事件が起きています。’12年9月に日本が尖閣諸島の国有化を宣言した際も、反日ムードが高まりました。ただ今回は幸い、当時ほどの激しい暴動にはいたっていません」

加熱する日本への迷惑行為。このまま激化すれば日中関係に大きな影を落としかねない。

  • PHOTOロイター/アフロ

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