なんと誕生は半世紀ぶり! 世界にたった1頭の「模様のないキリンの赤ちゃん」超レア写真
ある動物の赤ちゃんが、世界中のメディアから注目を集めている。
7月下旬、米・テネシー州のブライツ動物園で通常は斑点のあるアミメキリンに「一切模様がない」赤ちゃんキリンが生まれたというのだ。キリン博士と呼ばれる解剖学者で東洋大学生命科学部助教の郡司芽久(めぐ)氏はこう解説する。
「模様がない理由は、はっきりと解明されていません。しかし、模様に関係する遺伝子の突然変異が起き、本来ならば作られるはずの″網目模様″が作られなかったことが原因だと思われます。’16年には遺伝性の白変種が理由で、″白いキリン″がケニアで発見されたこともありました。世界中で繁殖がされるなか、『模様のないキリン』が確認されたのはおそらくこの子で3頭目。極めて稀少な現象だと言えるでしょう」
「模様のないキリン」は’72年に東京・上野動物園で産まれた〝トシコ〟以来、実に半世紀ぶり。ビッグニュースが駆け巡る一方で、懸念もあるという。
「キリンは動物園やアフリカ生息地に出向けば見ることができるため、″見られて当然″というバイアスがある。しかし実際は、過去30年間で40%以上も個体数が激減。絶滅危惧種に指定されるほど、存在危機に陥っているんです。今回の話題を機に、人々が保護活動に目を向けてくれれば嬉しいですね」(郡司氏)
世界にたった1頭しかいないであろう超レア&可愛すぎる赤ちゃんキリンは、キリン界の救世主になるかもしれない。
『FRIDAY』2023年9月15・22日号より
- PHOTO:アフロ