芳賀  慧太郎

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<figure id="attachment_330558" aria-describedby="caption-attachment-330558" style="width: 4032px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="c64e54bc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/ebdfa91cf253b3d2d1cfbeb5d8386b61.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-330558" class="wp-caption-text">実際の現場写真。全てが燃え尽き、真っ黒に焦げてしまっている</figcaption></figure>
<p>閑静な住宅街の一室で、突然爆発が起きたのは６月下旬の深夜のことだった。</p>
<p>爆発が起きたのは中東系の外国人たちが数名でルームシェアしている東池袋にあるマンションの一室。天井の一部がはがれ落ち、床には骨組みだけとなった椅子や黒ずんだゴミが散らばり、玄関には焼け焦げたスニーカーが10足以上転がっていて、爆発の激しさを物語っていた。</p>
<p><span class="strongInContent">「部屋には中東系の外国人の若者が複数人で住んでいました。深夜に電動アシスト自転車のバッテリーが突然爆発したそうです。彼らはUber Eatsの仕事に精を出していて、よくマンション前で自転車をいじっていましたが、まさかそんなことになるとは思ってもいませんでした。幸いにも死者はなく、鎮火も早くて上下階の被害はありませんでしたが、一歩間違えれば大火事になっていたと思います」（近所の住民）</span></p>
<p>電動アシスト自転車やモバイルバッテリーなどに使われるリチウムイオン電池（LIB）が原因とみられる火災が後を絶たない。東京消防庁によると’21年に管内で発生したLIB関連火災は141件。前年と比べて37件増加していて、年々増加傾向にある。</p>
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<p><span class="strongInContent">「’19年には、愛知県の2階建て住宅が全焼し、就寝中だった2名の方がお亡くなりになるという痛ましい事故が起きました。その原因として充電中のスマホからの出火の可能性が指摘されています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">このようなLIBを原因とする火災が増加している背景には、LIBが社会に浸透し、様々な製品に搭載されるようになったことがあげられています。また、モバイルバッテリーなどの安価な非純正品をネット通販などで簡単に入手できるようになった影響も大きいのではないかと思います」(全国紙社会部記者)</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="非純正品モバイルバッテリーの意外な危険性"></div>
<h2>【参考】リチウムイオン電池の持つ危険性</h2>
<p>そもそもなぜ不具合を起こしたLIBは発火するのだろうか。 製品評価技術基盤機構（NITE）の宮川七重氏が解説する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「LIBは大雑把に言うと、可燃性の電解液に浸した正極と負極をセパレータという材料で仕切られた製品です。安価な</span><span class="strongInContent">非純正品は純正品に比べ、製品の安全性や品質管理などが甘い傾向があります。</span></p>
<p><span class="strongInContent">製造時に微細な異物が入ったり、使用時にキズがついたりすると、本来仕切られているはずの正極と負極がくっついてしまいショートするおそれがあります。ショートすると内部で化学反応が起き、温度が上昇して電解液は可燃性ガスとなり、ショートの火花が発火源となり発火します。実はデリケートな製品なのです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">充電中は特に注意が必要です。LIBに大きな負荷がかかっている時間で、異物やキズなどの影響が顕在化しやすい。発火に至ったケースのおよそ半数が充電中の事故になります」(宮川氏)</span></p>
<p>うだるような暑さの中でスマホを使っていると、ときおり不安になるほど熱くなるときがある。素人目には危険な兆候に思えるが、注意すべき点について宮川氏が続ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「LIBは温度変化には弱く、 通常は0～40℃の範囲での使用が推奨されています。しかしより重要なのは強い衝撃を与えないこと。何かしらの衝撃がトリガーとなり発火に至るケースが多い印象です。</span></p>
<p><span class="strongInContent">たとえば、モバイルバッテリーを荷物がパンパンのリュックに押し込むように入れていて、リュックを背負ったままイスにもたれかかる。このように製品に圧力がかかっている状態は避けるようにしましょう。LIBをうまく製品にはめることができないからといって、無理やり押し込んだり、手で圧迫する行為も危険です。また、不良品を掴まされないためにも、特に非純正品を購入する際には、製造元を検索して、過去に事故を起こしていないか調べてみることをおすすめします」</span></p>
<p>冒頭のような最悪の事故を起こさないためにも、<span class="strongInContent">「LIBはデリケートで発火の可能性をはらむ製品」(宮川氏)</span>であることを認識したうえで、丁寧に使用するべきだろう。</p>
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<figure id="attachment_330559" aria-describedby="caption-attachment-330559" style="width: 858px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="0c383735"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/0460fad389c01fd9b6dc429dc3f25659.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-330559" class="wp-caption-text">鎮火した直後の様子</figcaption></figure>
<figure id="attachment_330560" aria-describedby="caption-attachment-330560" style="width: 858px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="932ea2fc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/67a6e3f6d41a16cd2714d865269d6283.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-330560" class="wp-caption-text">かなりの人数で住んでいたようで、10足近く靴が散乱していた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_330563" aria-describedby="caption-attachment-330563" style="width: 4032px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="2fbbacf2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/4cea0e3a9a2d3116f4e371f1365ff3df.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-330563" class="wp-caption-text">実際に使っていたという自転車</figcaption></figure>
<figure id="attachment_330562" aria-describedby="caption-attachment-330562" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9103d151"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/cbbf44b2dce91827f5046da80d81140b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-330562" class="wp-caption-text">週末によくカスタムをしていたという</figcaption></figure>


東京・豊島区の住宅街で改造した電動アシスト自転車のバッテリーが爆発。中東系の外国人が改造した自転車だという。どうしてそんな事が起こったのか。製品評価技術基盤機構(NITE)の宮川七重氏が解説する。

中東系外国人による「改造電動アシスト自転車」のバッテリーが爆発…衝撃の「真っ黒になった現場写真」

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