拷問し酷寒の強制収容所の暗黒時代へ…ロシア超密告社会「生徒が教師を、子どもが親を売る」戦慄実態 | FRIDAYデジタル

拷問し酷寒の強制収容所の暗黒時代へ…ロシア超密告社会「生徒が教師を、子どもが親を売る」戦慄実態

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
プーチン大統領は国民への監視を強めている(PHOTO:AP/アフロ)
プーチン大統領は国民への監視を強めている(PHOTO:AP/アフロ)

「独裁国家であるロシアが、主権国家のウクライナを倒そうとしている」

ロシアの独立系メディア『メディアゾーナ』によると、中部ペンサの50代の女性教師は8年生(日本の中学生に相当)の生徒2人にこう話したという。1人の生徒が教師の発言を疑問視し録音。データを警察に届けると、軍を誹謗したとして教師は執行猶予つきながら禁錮5年の刑を言い渡された――。

生徒が教師を告発し、ネット上のコメントは通信アプリで当局へ通報するなど、ロシアで一般市民による密告が相次いでいる。ロシアの通信情報技術メディア監督庁によると、ウクライナ侵攻から半年で当局に寄せられた通報は約14万5000件にのぼるとされる。

「ウクライナ侵攻直後の’22年3月に、ロシアではフェイクニュースや軍への中傷を取り締まる法律が可決されました。社会に重大な影響を及ぼすとみなされれば、最大15年の禁固刑が科せられるんです。市民の間でも反戦的な発言をする人を密告する機運が高まり、実際に警察へ通報するだけでなく『密告アプリ』を通じての告発が相次いでいます。

ロシアには、旧ソ連時代に政府の秘密警察が反体制的な人々を拘束し過酷な刑を科した暗黒の時代があります。電話などが盗聴され『危険』とみなされた人物は、拷問を受け『ラーゲリ(強制収容所)』へ送られる。マイナス20℃の酷寒の地で重労働を強いられたうえ、粗末な木造建物に住まわされ食料もロクに与えられず多くの人が命を落としました。ロシアは、そうした暗黒時代に逆戻りしつつあるようです」(全国紙モスクワ駐在記者)

「戦争反対」と書いた少女の運命

12歳の少女Aさんの身柄が、警察に拘束された騒動は国内外に衝撃を与えた。

事件が起きたのは’22年4月。ロシアの人権監視団体『OVD-Info』によると、西部トゥーラにある学校が美術の授業で生徒たちにウクライナ侵攻を礼賛する絵を描くよう指示。Aさんは反発し、自身の絵に「戦争反対」という言葉を入れたという。

「美術教師からの通報を受けた警察はAさんの身柄を拘束。スグに児童保護施設に収容しました。騒動はこれで終わりません。警察がAさんの父親を取り調べると、ネット上にウクライナ侵攻を批判する書き込みをしていたことが判明したんです。父親は娘の絵についても『何が問題なんだ』と反発したため、禁錮2年の有罪判決を受けました」(同前)

学校、職場、家庭――。あらゆる場所で監視の目にさらされているロシア国民。中には子どもが親を密告するケースもあるようだ。人々は誰も信じられず疑心暗鬼となり、社会は闇に覆われつつある。

  • PHOTOAP/アフロ

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事