アカデミー主演男優賞「ボヘミアン・ラブソディー」が栄冠! | FRIDAYデジタル

アカデミー主演男優賞「ボヘミアン・ラブソディー」が栄冠!

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映画「ボヘミアン・ラプソディー」でロックバンド「クイーン」のカリスマ・ヴォーカリスト:フレディ・マーキュリーを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞したラミ・マレックは、天を仰ぎ、フレディーに感謝した!

第91回アカデミー賞の授賞式は、ラミ・マレックの主演男優賞受賞を筆頭に「ボヘミアン・ラプソディー」の大健闘を祝す祭典のようにもなっていた。

何しろ授賞式を開幕から盛り上げたのは、他ならぬ「クイーン」! 映画「ボヘミアン~」ではエグゼクティブ・ミュージック・プロデューサーを共に務めているオリジナル・メンバーのブラインアン・メイ(ギター)とロジャー・テイラー(ドラム)に加え、2011年から参加しているヴォーカリスト、アダム・ランバートによるバンド「クイーン+アダム・ランバート」が、「We Will Rock You」「We Are The Champions 」を披露した!

ドルビーシアター(米ロサンゼルス)を、アカデミー賞受賞式会場からコンサートホールに一変させ、圧巻のパフォーマンスは観客と世界中の視聴者を釘付けにした。

思えば、全米公開前は映画「ボヘミアン・ラプソディー」の専門家による評価は低かった。いざ公開されると世界的大ヒット&大ブームとなり、全世界興行収入は8億ドル突破。中でも日本は、本国イギリスをしのぎアメリカに次ぐ興行成績を上げ、約120億円となっている。

この世界的ヒットの声に押されてというワケではないだろうが、各国の映画賞でも健闘し、前哨戦となるアメリカのゴールデングローブ賞では「作品賞」「主演男優賞」、英国アカデミー賞でも「主演男優賞」を獲得してきた。

そして映画界最大の祭典アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、録音賞、編集賞、音響編集賞の5部門にノミネート。受賞の可能性はどの程度だったのか?

「音楽映画」の「ボヘミアン~」は、「音響編集賞」と「録音賞」は有力候補のひとつで、フレディの声やライヴ・エイドの再現に圧倒的な労力と想像力が注がれ評価されていた。「編集賞」は、ブライアン・シンガーの監督降板後も、同監督作品で長年にわたって編集を務めクオリティーやテイストを支えて来たジョン・オットマンにも「影の監督」的な貢献も含めた編集賞受賞の期待がかかっていた。とはいえライバルひしめく中、実際に受賞できるかは別問題。

圧巻のパフォーマスで幕を開けた授賞式は順調に進み、「ボヘミアン~」は、音響編集賞と録音賞を連続して受賞! そして編集賞までも受賞し、なんと3冠!

そして残る主要部門(作品、監督、主演、脚本・脚色)で「ボヘミアン~」がノミネートされているのは作品賞と主演男優賞。受賞するなら、空前の混戦と言われた作品賞ではなく、ラミ・マレックによる主演男優賞の前評判が高かった。

とはいえ主演男優賞のライバルたちも強者揃いだった。

・クリスチャン・ベール「バイス」…史上最強・最凶の副大統領と呼ばれたディック・チェイニーを体重20キロ増量で相変わらずの“巧演”。

・ブラッドリー・クーパー「アリー スター誕生」…初監督で名演出。歌も抜群に巧い主演。ヒロイン、レディ・ガガとのツーショットがあまりにキマる“響演“ぶり。

・ウィレム・デフォー「永遠の門 ゴッホの見た未来」…本作でベネチア国際映画祭主演男優賞受賞。天才画家を熱演。

・ビゴ・モーテンセン「グリーンブック」…3回目の主演賞ノミネート。黒人ピアニストの南部ツアーに同行する、粗野だが憎み切れないイタリア系用心棒を好演。

ライバルたちも見事な役作り・演技をしたが、ラミ・マレックが「ボヘミアン~」でフレディ・マーキュリーを演じるにあたっても、いくつかの課題があった。

容姿、動作、歌唱、そしてハート、だ。

容姿:フレディがコンプレックスを抱いていたとされる容姿。これは入れ歯で再現した。また衣装合わせには合計50時間をかけて、場合によっては1センチ単位の修正をしてフレディになりきった。

動作:フレディ独特の身のこなし。当初、制作チームはコレオグラファー(振付師)を起用して、フレディのアクションを再現しようとしたが、「あれは振り付けされた動きではない」と言うラミの意見を入れ、「ムーブメント・コーチ」を雇った。幼少期のフレディがボクシング、ゴルフ、長距離走などをしていたことを踏まえた、振り付けではなく、筋肉の記憶としてフレディの動作を身体に刻み込ませボデイーランゲージを表現した。

歌唱:プレディの圧倒的歌唱力。クイーンのオリジナル音源、フレディ本人、プロの歌手、ラミ自身、これらの音声を駆使して歌唱シーンが再現された。撮影時は口パクではなく、喉や筋肉の動きのリアリティを重視して、ラミは実際に唄った。その撮影初日が伝説のライヴ・エイドのシーン。完璧に再現されたライヴシーンは「魂に響くラスト21分」として喧伝され、感動・拡散し、日本では数多くのリピーターや様々な形式の体感型上映を生んだ。

ハート:フレディの内面。ラミは詞・曲を探り、そこに込められた「愛」を意識した。また、フレディのルーツも調べた。アフリカ東海岸付近のザンジバル島(当時イギリス領)からの移民だったフレディ(本名ファルーク・バルサラ)。一方、両親がエジプトから移民であるラミは、自らの人生をフレディに重ね合わせてスーパースターの内面を理解しようとした。

そして発表。
プレゼンターのゲイリー・オールドマンとアリソン・ジャネイがラミ・マレックの名前を呼びあげた。!

たとえラミがアカデミー賞を獲れなかったとしても、フレディ・マーキュリーを演じきり、往年のファンを納得させ、新たなフレディと「クイーン」ファンを生み出した功績は計り知れない。この栄冠を受けて、フレディ・マーキューリーと「クイーン」と映画「ボヘミアン・ラプソディー」が大好きな日本では、乗り遅れていた人も巻き込んだブームが再燃するのは間違いない。

◆ラミ・マレック(1981年、ロサンゼルス生まれ。両親はエジプト出身)。
テレビシリーズ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」(2015年~2017年:シーズン1~3)で主人公エリオット・オルダーソンを演じ、エミー賞主演男優受賞、ゴールデン・グローブ賞に2年連続ノミネート。他にコメディ・ドラマ『The War at Home』(2005年~2007年)、戦争ドラマ「ザ・パシフィック」(2010年)や、映画「ナイト・ミュージアム」シリーズ3部作のエジプト国王アクメンラーなどを演じる。

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