米ロサンゼルス市議会が“取り壊し”一時停止を可決「マリリン・モンローの家」が歴史的文化財へ | FRIDAYデジタル

米ロサンゼルス市議会が“取り壊し”一時停止を可決「マリリン・モンローの家」が歴史的文化財へ

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アメリカ人のみならず、今も世界中の多くの人に愛されているマリリン・モンローさん(’57年)
アメリカ人のみならず、今も世界中の多くの人に愛されているマリリン・モンローさん(’57年)

マリリン・モンローのロサンゼルス市ブレントウッドにある家の取り壊しの一時停止が、ロサンゼルス市議会が全会一致で可決。取り壊しを免れた。ロサンゼルスタイムズが報じた。

ロス市議会のトレイシー・パーク議員は、モンローの家の現在の所有者が家の取り壊し許可を市に申請していることを知り、モンローの終の棲家を救うべく立ち上がったという。

現在の所有者のグローリー・オブ・ザ・スノー・トラストが解体の申請を出し、すでに市の建築安全局が取り壊しに許可を出していたという。だが、パーク議員はモンローの自宅を歴史的文化財に指定することを検討する動議を提出し熱弁をふるったという。

動議では、モンローの邸宅を市の歴史的文化記念物として検討するための即時行動を求めた。さらに、所有者の権利を奪うものではないが、歴史的・文化的価値を評価する必要があると主張している。

パーク議員は

「歴史的なモニュメントを保存し保護することは、私たちの義務であり名誉です。開発業者は私利私欲のために私たちの街を破壊しています。恥ずべきことであり、許されるべきではありません」

と訴え、市議会は全会一致でモンローの家を歴史的文化的建造物に指定する方向で検討を進めることを決定した。

モンローの家を歴史的文化的建造物に指定するかどうかを文化遺産委員会と市議会で検討している間、すべての建築許可が自動的に一時的に停止される。市の建築安全局は解体許可を取り消す意向だという。

「世界中の人々にとって、マリリン・モンローは単なる映画のアイコンではなかった。孤児院や養護施設で育った困難な幼少期から、世界的なセンセーションを巻き起こすまでの彼女のストーリーは、逆境を乗り越えるとはどういうことかを示す輝かしい見本です」

とパーク議員は主張している。

「’62年8月5日に36歳の若さで亡くなったモンローは、睡眠薬の過剰摂取による自殺とされたが、ケネディ大統領との不倫関係が取りざたされ他殺説も消えず謎も残されています。

モンローが寝室のベッドで死亡しているのが発見されたブレントウッドにあるモンローの家は、’29年に建てられました。2900平方フィート(270平方メートル)の敷地にスペイン風の瀟洒な建物が建つ豪邸で、モンローが所有していた唯一の家として知られています」(女性誌記者)

劇作家アーサー・ミラーとの3度目の結婚が破局に終わった後、’62年2月にこの家を7万7500ドル(現在の価値で790万ドル=約11億6000万円)で購入したという。その半年後に亡くなった。

この物件はモンローの死後、激しい入札合戦が続き’63年にニュエス家が所有者となり邸宅の家財道具の大部分を購入したという。

この家の所有者は’17年に725万ドル(約10億7000万円)で購入し、7月に835万ドル(約12億3000万円)でグローリー・オブ・ザ・スノー・トラストに売却したという。パーク議員によると、同トラストは家を取り壊した後、この土地をどうするつもりなのかを示す計画を提出していないという。

パーク議員の運動が功を奏して「モンローの家」がロサンゼルスの歴史的文化記念物として永久保存が実現するのか成り行きが注目される――。

  • 阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)
  • PHOTOShutterstock/アフロ

阪本 良

ライター

『東京スポーツ新聞社』元・文化社会部部長。退職後、Webマガジン『PlusαToday』を始め、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員

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