“ドリル“小渕優子の「忘れることない傷」発言に“エッフェル姉さん”松川るいとの「類友」共通点
「あのとき起こったことは政治家として歩みを進めていくなかで、心に反省を持ち、決して忘れることのない傷としてその歩みを進めてまいりたい」
涙ぐみながらそう語ったのは、自民党四役の選挙対策委員長に収まった小渕優子氏だ。
小渕氏といえば、ネット上で「ドリル優子」と揶揄されて久しい。
’14年に経産相に就任したが、間もなくして後援会の収支報告書などで不透明な会計処理が発覚。選挙区内の有権者に自らの写真を貼ったワインを贈り、公職選挙法違反の疑いまで浮上した。
極め付きは東京地検特捜部の家宅捜索を受けた際、電動ドリルで破壊したパソコンのハードディスクが見つかったことで、経産相をわずか1ヵ月半ほどで辞任に追い込まれている。
冒頭のシーンは過去の“ドリル事件”について記者から突っ込まれたときの言葉だ。
だが、小渕氏の「忘れることのない傷」という言い方には異論が噴出。ネット上では
《自業自得なのに、まるで“傷を負わされた”みたいになっている》
《傷ではなく、過ちの間違いでは?》
《被害者ヅラかよ》
などの苦言が寄せられている。
小渕氏は自民党女性局によるフランス研修問題で大炎上した“エッフェル姉さん”こと松川るい参院議員と親しいことでも知られる。
松川氏らは「研修」名目で渡仏したものの、エッフェル塔前でポーズを決めるなど大はしゃぎ。これが世間の反感を買うと、松川氏は自民党本部に呼び出され、当時組織運動本部長だった小渕氏から
「不適切な情報発信で、誤解されることがないように」
と注意を受けた。ただし、2人はかねて“飲み仲間”で、口頭注意は「大甘処分」と見る向きも多い。
「松川氏は今井絵理子参院議員とともに、フランス研修は『有意義だった』と強調しているが、その成果報告がいまだになく、このまま騒動が風化するのを待っている感がある。松川氏はマスコミの取材から逃げる一方、周囲に『大変な目にあった』と恨み節もこぼしている。
この辺りの“被害者感情”は小渕氏にも通ずるものがある。やっぱり“類友なんだなぁ”という感想しかない」(全国紙政治部記者)
共同通信社が行った全国緊急電話世論調査によると、小渕氏の選対委員長抜擢について「適切ではない」が58・8%にのぼったという。
「小渕さんの起用は、“安倍派のドン”である森喜朗さんからの後押しが大きい。茂木敏充幹事長が次期首相を狙っているので、けん制の意味合いもある。安倍晋三元首相が銃弾に倒れ、いまだ森さんが安倍派で大きな影響力を持っていることもおかしい」(政界関係者)
14日発売の「週刊文春」では小渕氏の新たな政治資金処理問題が報じられ、当人は
「法に全く反することなくやらせていただいている」
と否定。道義的な責任は「全くない」と言い切った。
「小渕さんは故小渕恵三首相の娘で、地元群馬の選挙では無類の強さを誇る。とはいえ、世襲議員であることに変わりはなく、生来のお嬢さま気質と評判です。脇の甘さも同時に言われており、今後もマスコミに狙われ続けるでしょう」(同・政界関係者)
会見で“ドリル事件”を振り返り、すぐに涙を見せるなど、政治家としての“弱さ”も垣間見えた小渕氏。“エッフェル姉さん”ともども、国民からすれば先が思いやられる。
岸田文雄首相は今回の内閣改造人事を足掛かりに年内解散に打って出るという憶測も流れたが、小渕氏起用の評価が芳しくない以上、先送りすることになりそうだ……。
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