<h3><span class="strongInContent">でも、どうしても「ラーメン」が食べたいときは、30分前にあのドリンク…</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p><span class="strongInContent">「ラーメンを食べる30分前くらいにトマトジュースを飲んでから食べてください。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">トマトジュースは水に溶ける水溶性食物繊維が豊富です。食事から取った糖を水溶性食物繊維が包み込んで胃や腸内でゆっくりと移動させるため、糖の吸収がゆるやかになります。血糖値の上昇を抑えてくれるので、ラーメンの日は“食前トマトジュース”を習慣にすると食後の睡魔を予防できます」</span></p>
<p>と教えてくれたのは、管理栄養士の篠原絵里佳さん。</p>
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<p>昼食後しばらくすると、決まってやってくるのが眠気。午後の仕事を妨げるやっかいな睡魔は、人間に備わった体内リズムや、食事による血糖値の乱高下が関係しているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「人の体には眠気が起こるリズムが備わっていて、一つは夜の22時前後、もう一つは13～15時の間に出現します。そのため昼食後に眠くなるのは実は自然なことで、この時間帯は誰にでも起こる現象です」</span></p>
<p>それに加えて、「血糖値を上げやすい昼食にも原因がある」と指摘する。血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことで、食事を取ると糖の濃度が上がり、抑制するためにすい臓からインスリンが分泌する。体は食事のたびにインスリンを働かせ、糖を正常にコントロールしているというわけだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「血糖値が食事によって急激に上昇すると、そのあとジェットコースターのように急降下します。眠気のリズムに加えて、ガクンと血糖値が下がることが重なり、眠気が起こりやすいのです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">血糖値を急激に上げやすく、眠くなりやすいNGランチは、炭水化物に偏った食事。ラーメンや丼といった単品メニュー、ファーストフード、菓子パンやサンドイッチの単品食べなどは、午後の睡魔につながる可能性があります」</span></p>
<figure id="attachment_333041" aria-describedby="caption-attachment-333041" style="width: 3744px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e8b5b716"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/2f202eb9fc0c6e4bb1475374dbfb21ed.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-333041" class="wp-caption-text">昼食後に眠くなるのは「食べ過ぎたから」ではない。炭水化物に偏った食事が猛烈な眠気につながっている。午後のパフォーマンスアップのためにも昼食選びは重要だ（PHOTO：アフロ）</figcaption></figure>
<p>血糖値の急上昇・急降下が引き起こすデメリットは、眠気だけではない。将来の病気リスクを高める要因にもなり、働き世代の健康維持には注意が必要だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「血糖値の乱高下によって糖が余ると、脂肪に蓄積してやがて肥満になります。インスリンの分泌量が多くすい臓がダメージを受け続けると、若い世代であっても糖尿病につながる場合も。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">また、糖が体内のタンパク質と結びつき、細胞を劣化させる『糖化』という現象が起こります。糖化は血管や骨を含めたあらゆる細胞を老化させ、薄毛・抜け毛、シワ、たるみといったトラブルのほか、動脈硬化や骨粗しょう症などのリスクを高めます」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="食後の眠気を防ぐ「低GI食品」って…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">血糖値を上げにくく、食後の眠気を防ぐ「低GI食品」</span></h3>
<p>食事を取れば必ず血糖値は上がって下がるが、食後の眠気を抑えるには、なるべく上昇を“ゆるやか”にすることがポイントになる。では、何を基準に昼食を選択すればいいのか。メニュー選びの参考になるのが「GI（ジーアイ）値」といわれる指標だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「『GI値』とは、グリセミックインデックスの略で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示したもの。摂取から２時間までの血液中のブドウ糖濃度を測定した数値が基準になっています。つまり、GI値が低い主食を選ぶことで、血糖値の急上昇を抑えることができるというわけです」</span></p>
<p>2000年代初頭には、世界保健機関（WHO）より「低GI値食品が過体重や肥満、２型糖尿病の発症リスクを低下させる可能性がある」という発表がされている。目安として、GI値55以下が『低GI値食品』、70～100が『高GI食品』、その間の56～69が『中GI食品』となる。それぞれの食品は次の通りだ。</p>
<ul>
<li><span class="strongInContent"><em>・低GI食品（GI値55以下）…そば、玄米ごはん、全粒粉パン</em></span></li>
<li><span class="strongInContent"><em>・中GI食品（GI値56～69）…パスタ、そうめん、ライ麦パン、クロワッサン、雑穀ごはん、麦ごはん</em></span></li>
<li><span class="strongInContent"><em>・高GI食品（GI値70～100）…ラーメン、うどん、白ごはん（精白米）、もち、フランスパン、ベーグル、ロールパン、じゃがいも（フライドポテト）</em></span></li>
</ul>
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<p><span class="strongInContent">「昼食におすすめのメニューは、麺類ならラーメンやうどんよりもそば、ごはんなら白ごはんより玄米や雑穀、麦ごはん、パンなら白いパンより茶色いパンが適しています。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">しかし、低GI食品だからといって大量に食べてOKというわけではありません。摂取量が多ければ血糖値の乱高下は起こりますし、食後の眠気に直結します。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">食事は、主食（ごはん・麺・パン）、主菜（肉・魚・卵・大豆）、副菜（野菜・海藻）、汁物を組み合わせ、バランス良く食べることが基本です。主食を決める際にGI値の考え方を取り入れつつも、単品食べより定食を選ぶ、単品の場合は野菜や海藻などをプラスするといった工夫を」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_333042" aria-describedby="caption-attachment-333042" style="width: 5120px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5cadd71a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/9d80439b00062a5de81b90b38d765213.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-333042" class="wp-caption-text">GI値が低い麺類としておすすめなのがそば。血糖値が上がりにくいからといってそば＋おにぎりなどの“ダブル炭水化物”にすると、糖質量やカロリーが上がってしまう</figcaption></figure>
<p>例えば、牛丼の場合はサラダなどの副菜をつける、セットの汁物を豚汁やけんちん汁に変更することで、血糖値を上げにくい昼食が完成する。</p>
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<p>刺身、生姜焼き、とんかつ、肉野菜炒めなど、タンパク質や野菜を摂取できる定食もベストなランチメニューだ。コンビニでは、弁当一つだけを買うよりもおにぎり、肉や魚のおかず、サラダやお浸しなどの副菜の単品を別々で選んで組み合わせるとバランスが整う。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="我慢できないほど眠く、異常なだるさを感じる人は…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">昼食後の「猛烈な眠気」は睡眠負債の影響も</span></h3>
<p>昼食の後、我慢できないほど眠く、異常なだるさを毎回感じている人は、昼食だけの問題ではないという。朝や夜の時間帯の食生活や過ごし方にも原因が潜んでいる。</p>
<p><span class="strongInContent">「午後に眠くてたまらない人の多くは、睡眠不足が借金のようにたまる“睡眠負債”が根底にあります。夜の睡眠時間が足りず、眠りの質が悪いために、昼の生活に支障が出ている状態です。また、睡眠時間が足りている場合は、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていることで質が悪化している可能性も。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">『どこでも眠れる』『布団に入るとすぐ寝る』『電車で座ると寝てしまう』といったほとんどの人が、睡眠負債に気づいていない。このような場合は、昼食だけ気を付けても眠気は収まらないでしょう。最低でも１日６時間、理想は７時間の睡眠を確保してください」</span></p>
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<p>さらに、朝食抜きの生活も昼食後の眠気をエスカレートさせるNG習慣といえる。</p>
<p><span class="strongInContent">「朝食を食べないと、昼食時の血糖値上昇がますます急激になり、体に負担をかけます。朝食で、炭水化物やタンパク質に加えて食物繊維を取っておくと、次に食べる昼食の血糖値をゆるやかにしてくれるメリットがあります。パンやゆで卵にトマトジュースや野菜ジュースをプラスするなど、手軽な方法で始めてみましょう」</span></p>
<p>そのほかの対策として、昼食後に眠くなったら、短時間の昼寝を取り入れることも有効だ。デスクに伏せたり、椅子にもたれかかったりして15分程度、目を閉じて休む。昼寝前にコーヒーを飲むと、30分程度してカフェインが効き始め、脳がすっきりして目覚めがクリアになるという。</p>
<figure id="attachment_333043" aria-describedby="caption-attachment-333043" style="width: 3744px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2bd5043d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/b97816554a5d0cad6388497d399cbd81.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-333043" class="wp-caption-text">昼寝は、夜の睡眠に影響しない程度に深く眠りすぎないようにすることがポイントだ。そのためソファやベッドに横にならずに、短い時間で脳と体を休める</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「日中にどうしても眠くなる人は、生活習慣が“負のサイクル”に陥っているかもしれません。例えば睡眠不足で目覚めが悪く朝食が食べられない。だから昼食を取ると血糖値が急激に上昇・降下して猛烈に眠くなる。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">すると一日中体がだるくて遅くまでダラダラと仕事をして、寝る直前までスマホを見る。そんな悪いサイクルを断ち切るためにも、GI値を目安にした主食選びやバランスの良い食事、睡眠習慣の見直しなど、一つでもいいので始めてみてください」</span></p>
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<p>良いサイクルが回り始めると昼食後の眠気がなくなり、仕事のパフォーマンスが上昇する。時間内に仕事が終わることで夜の時間を有効に使えて、良質な睡眠の確保にもつながる。血糖値を上げにくい食事をきっかけに生活を整えることは、メリットしかないだろう。</p>
<p><span class="strongInContent">篠原絵里佳（しのはら・えりか）</span>　管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。Health＆Beautrition主宰。体の中から健康と美をつくる食生活を分かりやすく発信する。総合病院や腎臓・内科クリニックでチーム医療にまい進する中で、睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。</p>


編集・ライター。1983年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。

釼持陽子

アフロ

昼食後しばらくすると、やってくるのが眠気。午後の仕事を妨げるやっかいな睡魔は、人間に備わった体内リズムや、食事による血糖値の乱高下が関係しているという。しかしデメリットは、眠気だけではないという。

「麺を選ぶならラーメンよりそば」昼食後に襲う猛烈な「眠気」を予防するベストなランチメニューとは？

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