集めたカネは460億円 「キング」と呼ばれた詐欺師の素顔 | FRIDAYデジタル

集めたカネは460億円 「キング」と呼ばれた詐欺師の素顔

1万3000人以上をだました疑いで逮捕された銅子正人容疑者の手口

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銅子正人容疑者はパーティーを開いて出資者たちに現金数万円を配っていたという
銅子正人容疑者はパーティーを開いて出資者たちに現金数万円を配っていたという

「’15年6月、知人から『キング』を紹介してもらいました。生活に困窮していると話すと、『キング』から突然60万円を手渡されたんです。『俺はシンガポールでM&Aをやって大成功した。自分の財産を削ってもいいから、みんなを助けたい』と言っていました。こんな人が世の中にいるのかと、感動して会員になったんです。でも、その後に出資した500万円はいまだに戻ってきていません」(テキシアの会員だった女性)

高配当をうたい、1万3000人を超える出資者から現金をだまし取った疑いで逮捕された「キング」こと銅子正人(どうこまさと)容疑者(41)。投資会社「テキシアジャパンホールディングス」の実質的経営者とみられ、設立時の’13年9月からの4年間で集めたカネの総額は約460億円にのぼる。かつて銅子容疑者の側近として出資者を募り、テキシア社で地区部長を務めたA氏が「キング」の素顔を明かす。

「『キング』は海外の富裕層向け資産運用という名目で出資金を集めていました。一口100万円で毎月単利3%という現実味のある数字で出資を促すんです。さらに、シンガポールの自宅マンションに出資者を招待したり、日本全国で自分の音楽ライブやバーベキューパーティーなどを開いては現金を配っていた。自宅では、自分の妻と子供を立ち会わせて家族思いな一面をアピールする。設立当時は配当が出ていたため、出資者の信頼を得ていました。洗脳される人は、一人暮らしでお金持ちのご婦人が多かった。『キング』は見た目こそチンピラっぽいですが、女性には優しい。現金を持ってきた人は、その場でおカネを出してしまいます。振り込みは受け付けず、借用書を書くだけでした。出資額は、一人400万円くらい。中には1億円支払った人もいました」

テキシア社の資金集めの方法がさらに巧妙になったのは’16年頃のことだった。

「『キング』は幹部会員百数十名から約2億円を集め、『宗教法人 元佑教(げんゆうきょう)』という群馬県渋川市にある戦没者を弔う宗教法人を購入。その後、テキシアの会員と元佑教の信者を対象に、1㎏69万円という格安価格で金の購入を呼びかけた。広告塔に久間章生(きゅうまふみお)元防衛大臣を起用し、『キング』とのツーショット写真がついた案内状を送っていたんです」(前出・A氏)

なぜ銅子容疑者は約460億円もの大金を集めることができたのか。ノンフィクション作家の森功氏は話す。

「今回の事件のような巨額投資詐欺事件では、代表者がカリスマ的存在であることが多い。銅子は出資者たちにとって、教祖のような人間です。彼らに対し、投資とお布施の中間のような方法でカネを集めるという特徴があります」

テキシア社の関係先を捜索して押収されたのはわずか数千万円。集められた巨額資金は煙のように消えてしまったのだ。

13日、逮捕され愛知県警南署に入る銅子正人容疑者。「会社運営は適切だった」という趣旨の供述をし、容疑を否認している
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銅子正人容疑者は、久間元防衛大臣とのツーショット写真を利用して出資者たちに金の購入を促す案内状を送っていた
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銅子正人容疑者は歌手「KING」として’17年にCDを発売。自身で音楽活動を行うことで多くの人を集めていた
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