「良い投球が全然できていない」…楽天・田中将大「2ケタ黒星で一時は防御率5点台」噂れる厳しい未来
「シーズン通して良い投球が全然できていないから、こういうふうになっている」
9月25日の日本ハム戦で7回1失点と好投しながら、田中将大(34)は試合後に複雑な心境を語った。
確かに今季の田中は「良い投球ができていない」試合が目立つ。9月18日のオリックス戦では、3回持たず被安打7の5失点でKO。10敗目を喫し防御率は一時5点台にまで落ちた。ベンチに戻った田中はガックリを肩を落とし、試合後は「ファンに申し訳ない」と話している。
「今季の田中は、大量失点し早い回にノックアウトされるケースが目立ちます。マウンド上でも自信がなさそうで、プロ野球記録の開幕からの24連勝を達成し楽天を初の日本一へ導いた’13年の輝きは感じられません。
腕が振り切れていないため、かつては打者をねじ伏せていたストレートにキレがない。置きにいっている印象です。苦し紛れに投げるスライダーなどの変化球を狙い打ちされ、炎上する試合が続いています」(球団関係者)
ヤンキース1年目がターニングポイント
なぜ田中のボールは球威を失い、打者を思うように抑えられなくなってしまったのだろうか。
「結果論ですが、メジャー移籍1年目の’14年夏に発覚した右ヒジ靭帯の部分断裂を手術でしっかり治すべきだったのでしょう。しかし田中はPRP療法という保存療法でリハビリを続け、早期復帰する道を選びました。
ヤンキースと複数年契約を結んだ直後だっただけに、長期離脱を避けたかった気持ちは理解できますが……。この年がターニングポイントとなり、田中の球威が徐々に落ち1発を浴びるシーンが増えていったように思います」(スポーツ紙担当記者)
’21年のシーズンから、メジャーでの実績を引っさげ鳴り物入りで日本球界へ復帰した田中。だがオープン戦から打ち込まれる試合もあり、復帰3年目の今季まで2ケタ勝利を達成していない。
「’21年夏の東京五輪では侍ジャパンのメンバーに選ばれましたが、決勝トーナメント初戦の米国戦で4回途中3失点でKOされています。プロ野球のマウンドでもかつてのオーラはありません。
打者を圧倒していた、元メジャーリーガーという『威光』が感じられないんです。田中が投手としての転機を迎えているのは間違いないでしょう。ただ本人も、どうモデルチェンジすべきか模索中なのではないでしょうか」(同前)
楽天はCS進出をかけ、ロッテやソフトバンクと激しいAクラス争いをしている。
「厳しい言い方ですが、楽天がせっかく勢いに乗っても田中が先発した試合で流れを止めるケースが多くなっています。〈東北でプレーしてもらいたい〉と熱烈なラブコールを送り日本球界へ復帰をお願いした石井一久監督としては、なんとか復活してもらいたいところでしょう。
しかしCSや日本シリーズ進出を考えるなら、石井監督がシビアな選択をする可能性も考えられます。田中を先発ローテーションから外すんです。田中としては、相当厳しい『未来』になるかもしれません」(同前)
かつては日本の絶対的なエースだったマー君。30代半ばとなり、投手としての岐路に立たされているようだ。
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