「来季は日本人初の50発を期待したい」大谷翔平が夢を現実に変えてきた日本ハム時代の”衝撃トレ” | FRIDAYデジタル

「来季は日本人初の50発を期待したい」大谷翔平が夢を現実に変えてきた日本ハム時代の”衝撃トレ”

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8月、43号満塁本塁打を打ったときの大谷。来季は日本人初の50発の期待がかかる
8月、43号満塁本塁打を打ったときの大谷。来季は日本人初の50発の期待がかかる

「けがをしてシーズン途中で終了してしまったこと自体は残念ですが、彼しかできないことをやってくれました。今年はワールドベースボールクラシック(以下WBC)があったので、3月から6ヵ月走り切って10勝、40本。2年連続で2ケタ勝利、2ケタ本塁打はあのベーブ・ルースさえできなかったことです。“野球の神様”を超えたわけですから、数字についてはすごいの一言ですよ」

そう明かすのは阪神のエースとして活躍、メジャーでも登板しプレーした経験のある藪恵壱氏だ。

8月24日、エンゼルスの大谷翔平(29)が右ひじじん帯を損傷。現地時間19日に手術を受けて、今季はプレーする可能性はなくなった。しかし大谷は今季、44本塁打を記録。24日時点で2位に6本差をつけて、日本人メジャーリーガーとして初の本塁打王に輝くことが有力視されている。

「日本人はずっとパワー不足と言われてきたんですけど、大谷がそのイメージを変えてくれています。日本で50発打った松井秀喜でもメジャーでは本塁打王にはなれませんでした。毎年200安打を記録したイチローが出てきたことはメジャーリーグに衝撃を与えたと思いますが、大谷は今季、それぐらいの衝撃を与えていると思いますし、タイトルを取ることでメジャーの中での日本人選手のイメージを変えられると思います」(藪氏)

大谷はまだ日本にいたときから、「メジャーでタイトルを取る」意識があったのだろう。大谷が日本ハムに在籍していたとき、パ・リーグのある球団で打撃投手をつとめていた元投手が明かす。

「日本ハムが優勝した’16年のときだったと思いますが、公式戦がはじまった後、私がウェートトレーニングをする前に、遠征で来ていた日本ハムの投手陣がウェート場を使っていて、大谷もいたんです。彼は登板2日前だったのですが、デッドリフトをやっていました。

このトレーニングは地面に置いてあるバーベルをおもに背中、お尻、足を使って持ち上げるトレーニングで体にはかなり負担がかかります。大谷選手が持ち上げたバーベルがそのまま残っていたので、私は試しに持ち上げてみたのですが、持ち上がらなかった(笑)。おそらく重量は170㎏ぐらいあったのではないかと思います。

私も一軍経験はありますけど、登板2日前にここまで激しいトレーニングはできません。基礎体力がそもそも違うんだなと思いましたし、当時から近い将来、メジャーに行く、といわれていたので、見ているところ、目指しているところが違うんだなと思いました」

藪氏はこう続ける。

「トレーニング方法は人ぞれぞれ感じ方が違うし、試合に入っていく準備としてマッチする方法を探します。DeNAのバウアーなどのYouTube映像を見ても結構重いトレーニングをしているので、登板2日前でもかなり重い重量でトレーニングするのは、大谷の感覚にとってフィットしたから続けていたと思いますよ。

私の場合、登板2日前は体全体を使ったトレーニングは体力が削られてしまいますので肩を中心にトレーニングしましたが、デッドリフトの場合、背中を痛めてしまうおそれもありましたので、やりませんでした。

さらに大谷がすごいのは登板翌日に打者として出ることを簡単にやってのけているところです。私は先発した翌日は体にまだ強烈な張りが残っていて、翌日に有酸素性のトレーニングをして体の老廃物を抜いて、2日目に完全休養するルーティンでした。つまり登板後、最低48時間はリカバリーデーだったんです。大谷のようにずっと出続けていることは無理(笑)。彼しかできませんよ」

右ひじの手術を受けたことで今季はもちろん、来季も登板はできなくなったが、打者として開幕から出場できる見通しとなった。

「今季、アメリカンリーグでホームランキングを取るでしょうけど、来季の彼には50発を期待したいです。

日本ハム時代からトレーニングを継続してきたことによって、体は常に改善されて回復力を高めたりすることにもつながっていると思います。サイ・ヤング賞を獲得したバウアーのYouTubeを見ていると自律神経のことまで語っていましたし、トレーニングの突き詰め方はアメリカの方が進んでいると思います。そこにいる大谷も当然、毎年アップデートしていると思う。だから彼は進化していってくれると思います」

リハビリが順調に進めば、2024年シーズンも「日本人初の50発」という大きな夢を託すことができそうだ。

  • PHOTO共同通信社

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