<figure id="attachment_334716" aria-describedby="caption-attachment-334716" style="width: 1479px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a030517c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/9860440bc5043902c98cb71a3c541a8c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334716" class="wp-caption-text">「フォレストシティー」の高層マンション群。最終的には70万人を呼び込む計画だったが…</figcaption></figure>
<p>マレー半島南部とボルネオ島北部にまたがる南国・マレーシア。クアラルンプールを首都に持ち、14年連続住みたい国ランキングで１位にも輝いたこの国で今、ある巨大なゴーストタウンが問題視されている。</p>
<p><span class="strongInContent">「それがマレーシア半島南端にある高級コンドミニアム群『フォレストシティー』です。元々、中国不動産の最大手『碧桂園（カントリー・ガーデン）』が数十万人規模が住める高級住宅として約10年前から開発をスタートさせたフォレストシティーでしたが、現在では工事もストップ。住宅街に人影は全くと言っていいほど見えません。挙句、地元住民からは〝ゴーストタウン〟と呼ばれる地域となってしまっています」（現地の不動産関係者）</span></p>
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<h3>シンガポールに隣接する好立地なのに…</h3>
<p>とはいえ当初の開発計画は経済大国・中国に支援されたビッグプロジェクトそのもので、マレーシア、シンガポール間にあるジョホール海峡に人工島を形成、その上に商業ビルや住宅を作り上げるという代物だった。実際、&#8217;15年の着工から短期間で数十にものぼる高層ビルやゴルフコースを建設し、販売当初はシンガポールに隣接するという好立地やセカンドハウスとしての魅力も相まって中国人富裕層を中心に売れ行きも好調を記録。しかし、ここで思わぬ逆風がコンドミニアムを襲う。</p>
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<p><span class="strongInContent">「’16年の中国・習近平政権による国外投資の制限に加え’20年からはコロナ禍が住宅市場を直撃したことが痛手となり、一転して売り上げは不調に。結局、開発は当初の予定の15%程度しか進んでおらず、70万人を呼び込むはずの住民は9000人ほどにとどまっています」（同前）</span></p>
<h3>草がボーボーに生える建屋</h3>
<p>現地取材を行うため、車でフォレストシティーに向かうと、真っ先に飛び込んでくるのが白色の高級コンドミニアム群だ。富裕層向けというだけあってその並びは壮観だが、建屋の壁から雑草が生い茂っており、住民不在の様子が容易に伺える。現地の不動産業者によると<span class="strongInContent">「元々投資用マンションとして購入したオーナーが多く、住んでいる人は少ない」</span>という。</p>
<p>フォレストシティー内の販売展示会場に入ってみると、数人の職員と警備員を除き、客の姿はほとんど見られない。開発計画全体の模型ではアパートメント１棟が全室完売したことを意味する「SOLD OUT」が誇らしげに掲げてあるが、疑わしさを感じざるを得ない。ゴルフの世界的名選手であるジャック・ニクラウス親子が設計したゴルフコースも親子本人の写真入りでアピールする光景はもの悲しさすら感じさせるものだった。</p>
<figure id="attachment_334719" aria-describedby="caption-attachment-334719" style="width: 1334px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c7106694"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/ab502261cae954a19172d1cc61f9a100.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334719" class="wp-caption-text">ジャック・ニクラウス親子の写真入りの看板</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="「ワニ出没！」"></div>
<figure id="attachment_334939" aria-describedby="caption-attachment-334939" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d37105df"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/04f0c2d5b0e85bacd44a0f654e2c6996-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334939" class="wp-caption-text">ビーチに立てられた「ワニ出没！」の立て看板</figcaption></figure>
<h3>砂浜には「ワニ出没、危険」の看板が</h3>
<p>敷地内に設置されたプールには、来訪客がちらほらと見受けられる。ただ、そのほとんどがフォレストシティーの住民ではなく、マレーシア人のジモティーだ。今やコンドミニアムの水辺は地元住民の憩いの場となっているのが現状だ。滑り台が設置されるなど施設は一般的な水準は満たしているものの中には水が入っていないプールもあり、集客率の悪さが伺える。</p>
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<p>プールに隣接する砂浜では「ワニ出没、水泳禁止！」「バーベキュー、釣り、花火、キャンプ禁止！」とレジャーは全て禁止されており、魅力半減と言わざるを得ない。先の販売展示場の模型では、砂浜で自由に遊べるような明るいイメージだっただけに、知らずに買った人もいるのではないかと心配でならない。</p>
<p><span class="strongInContent">「かつては一室最低2000万円、１億円以上する部屋もバンバン売れた」（地元の不動産業者）</span>というが、今回の現地取材で明らかになったのは、まさにゴーストタウンともいうべき、活気のないアパート群の姿だった。</p>
<p>今年に入り、不動産大手「恒大集団」が米国で破産申請を行うなど混乱を極めている中国不動産業界。一部では売れ残ったタワマンを爆破処分する動きも強まるのではないかとの懸念も出るようになっている。</p>
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<p>碧桂園も債務不履行（デフォルト）の危険性がささやかれている中、フォレストシティーが木っ端みじんにならないことを祈るばかりだ。</p>
<figure id="attachment_334720" aria-describedby="caption-attachment-334720" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="00042650"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/2deaadac91ae6390146e58165825bc97.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334720" class="wp-caption-text">プールに入る地元住民たち</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="壁からは雑草が…"></div>
<figure id="attachment_334721" aria-describedby="caption-attachment-334721" style="width: 1479px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f62e576f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/f048b547540ebc0859ff43741c536a69.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334721" class="wp-caption-text">道路上に立てられたフォレストシティーの看板</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_334722" aria-describedby="caption-attachment-334722" style="width: 1109px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c43705f8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/6634135b6aa0d9e48048ee21c7e60275.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334722" class="wp-caption-text">高層マンションは緑に覆われた宇宙船の形をイメージして作られた。緑あふれる姿がゴーストタウン感をかえって強めている</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_334726" aria-describedby="caption-attachment-334726" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="74a86840"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/545aa2051b4c05332be5956990a57a39.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334726" class="wp-caption-text">人けのないプール</figcaption></figure>
<figure id="attachment_334725" aria-describedby="caption-attachment-334725" style="width: 1479px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ac3666e1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/a96942f538e2f650b1ae54835cdb0bb0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334725" class="wp-caption-text">巨大なゴーストタウンとなっている白亜のコンドミニアム群</figcaption></figure>


「フォレストシティー」の高層マンション群。最終的には70万人を呼び込む計画だったが… マレー半島南部とボルネオ島北部にまたがる南国・マレーシア。クアラルンプールを首都に持ち、14年連続住みたい国ランキ

壁から雑草が生い茂り「ワニ出没」看板も…中国不動産大手が生み出した”巨大ゴーストタウン”現地ルポ

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