編集・ライター。’83年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。

釼持 陽子

<h3><span class="strongInContent">「定年離婚」に向けて着々と準備をしている妻</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>家に帰ると妻がイライラしている、何に怒っているのか分からない。そんな妻の不機嫌により、居心地の悪さや話しかけづらさを感じている夫は意外と多い。夫婦関係がギクシャクしていては、疲れて家に帰ってきても心が休まらないだろう。世の中の妻はなぜそんなに“イライラ”しているのか。</p>
<p><span class="strongInContent">「多くの妻がイライラしている理由は１つで、ゆとりがないことです。仕事や家事、育児に追われ体のゆとりがない、ひとりでほっとひと息つけるような心のゆとりがない、家計管理に頭を抱えていて金銭的ゆとりがない。さまざまな“ゆとりのなさ”が妻をイライラさせています」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>と話すのは、メンタルアップマネージャ®︎の大野萌子さん。企業内カウンセラー歴20年以上、数多くの働く男女の悩みに寄り添ってきた。共働き家庭が増えたことで、実は夫が見えないところで妻の負担が増え、家庭内でのイラ立ちにつながっているという。</p>
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<figure id="attachment_336284" aria-describedby="caption-attachment-336284" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="91ff4ea2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/6d53e4b6b0366489d934e9821235f02f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336284" class="wp-caption-text">日頃の家事負担が多いこと、それに対して夫の理解がないことが妻のイライラに。将来の願望やお互いが描く未来像について話し合えないことも夫婦間のしこりとして蓄積する</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「育児や家事に積極的な男性が増えましたが、どうしても家庭や子どものことは女性のほうが細かいところに気が付きやすい。家事は、掃除、洗濯、料理だけでなく、それ以外にもこまごました仕事が無限に続きます。現代はパートや時短勤務も含めて仕事を持っている女性が多く、仕事以外の限られた時間で家事や育児をこなさないといけないプレッシャーがあります。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">また、子どもがいればママ友や学校関係の付き合い、親や親せき付き合いなど、40代前後の女性は、人間関係でも多方面で気を張っているのです」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>まさに孤軍奮闘で、心も体もギリギリのところでやりくりしているのだ。とはいえ仕事が忙しく、心身ともに疲れているのは夫も同じ。妻が心底ムカついているのは、単に業務量が多いことではなく、その状況を夫に話せず、理解してもらえないことだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「妻のイライラが小さいうちに夫婦で話し合い、不満や負担を解消できれば良いのですが、忙しい夫婦ほど話し合う時間がつくれません。話し合いを先延ばしにすると日々の不満が積み重なり『理解者がいない』『自分でやるしかない』と、夫に頼ることなく時が過ぎてしまうのです。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">そのまま続くと、シニアになったときに夫婦関係が破綻する可能性も。夫婦間のコミュニケーションが取れない状態が長くなり、定年離婚に向けて着々と準備をしている女性が多いのも事実です」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「〇〇してあげようか？」「手伝おうか？」はNG！"></div>
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<h3><span class="strongInContent">「〇〇してあげようか？」「手伝おうか？」はNG！</span></h3>
<p>世の中の働く妻は、不安や不満をひっそりと抱えながら過ごしている。ストレスが根底にあると、ちょっとした夫の言動が“地雷”となり炎上、夫婦関係がさらに険悪になることがある。</p>
<p><span class="strongInContent">「夫婦関係を悪化させる、代表的なNGパターンは３つあります。１つは、家族間のスケジュール管理のズレ。特に子どもに関係したイベントや予定を忘れていた、別の予定を入れたなどでもめることが多くあります。仕事と同じように夫婦間でスケジュールを共有、報告しあうことが大切です。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">２つ目に妻がイラっとしやすいのが、一方通行の会話です。妻がいざ夫に相談しようとしても、適当に聞き流したり、話を否定されてばかりだと『やっぱりこの人に話しても無駄』という、やるせない気持ちに。会話のキャッチボールをしながら、今ある課題をどう解決するかを前向きに話し合う時間にしましょう」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_336285" aria-describedby="caption-attachment-336285" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="481098ea"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/cfef21454528fcf8b85f5da360e18135.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336285" class="wp-caption-text">「話を聞いている？」と言われたことがある夫は要注意。妻の話が一方通行に終われば「聞いてもらった」うちには入らない。相互交流になって初めて「話を聞いてもらえた」と妻は感じるのだ</figcaption></figure>
<p>また、家庭内炎上しやすい夫婦は、妻が嫌な気持ちになるNGワードを無意識に使っている場面もあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「『〇〇してあげようか？』は、上から目線だと感じる女性も多いようです。よく使いがちな『手伝おうか？』は、妻の仕事であることが前提になっている表現。いずれも『やるよ！』と宣言して、すぐに行動に移してくれたほうが妻としてはうれしいでしょう」</span></p>
<p>さらに、ケンカした翌日に甘い物を買っていくという“おわびスイーツ”が、逆効果になる可能性もあるという。<span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">「それで機嫌を直してくれる程度の怒りならば良いと思いますが、根が深いと『そういう問題ではない』『甘い物なんかでチャラにしないで』と、逆に妻の怒りを買ってしまうかもしれません。金銭的ゆとりがないと感じている妻にとっては、浪費と捉えられることも。サプライズよりも話に耳を傾け、心に寄り添うほうが効果的です」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="良好な夫婦関係のために「今すぐできること」"></div>
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<h3><span class="strongInContent">良好な夫婦関係のために「今すぐできること」</span></h3>
<p>どんな夫でも、険悪なままでいいと思っている人はいないはずだ。夫は妻が怖い顔をせず、ごきげんでいてくれることを望んでいるだろう。ギクシャクした関係が長引いている夫婦でも関係修復に遅すぎることはないと、大野さんは話す。</p>
<p><span class="strongInContent">「妻の様子を見て『イライラしているかも』と思ったら、『困ったことある？』『話があったら聞くよ』と声をかけ、ウエルカムな姿勢を見せましょう。夫も妻も忙しさに追われていると会話をするタイミングを見失い、話したかった話題が賞味期限切れになります。そのためなるべく早く時間をつくり、妻が何に困っているのか、どうしたら解決するのかを２人で話し合うことをおすすめします。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">できれば数分でも良いので毎日会話の時間を持つと、お互いの悩みや課題を共有でき、夫婦関係が良好に保たれます。毎日が難しい場合は、週１でもOK。『どうせ理解してもらえない』と不機嫌だった妻が、おだやかになっていくでしょう」</span></p>
<p>ただし、妻のイライラが積み重なり、夫が放置している時間が長いほど、夫婦間の雪解けには時間がかかる。それでも今日から「１日１回、感謝の気持ちを伝える」だけでも有効だ。</p>
<figure id="attachment_336286" aria-describedby="caption-attachment-336286" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="57274b74"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/02bbb91049287a5362f58180111e3b7d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336286" class="wp-caption-text">妻との心の距離感が離れてしまった夫は、「ありがとう」「助かっているよ」のひと言を今日から始めてみよう。「おはよう」と同じ感覚で、お互いお礼を言えるようになるのが理想的だ</figcaption></figure>
<p>また、良好な夫婦関係には、他人にやさしくする以前に、自分の心のケアも重要になるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「妻に対して無関心すぎるのは当然良くないですが、夫婦関係を保つために夫が自分を犠牲にして、我慢しすぎる必要はありません。例えば、仕事が忙しく疲れているときは『今週は難しいから来週話をしよう』と、無理せず伝えること。自分にゆとりがなく負の感情があると、人の話を聞くことや行動に移すことがつらくなります。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">そのために、夫も妻もひとり時間を持ちましょう。趣味の時間やカフェで過ごす時間など、ひとりの人間として心をリセットできる瞬間をつくると、夫婦で過ごす時間とひとり時間の両方が満たされ、ギスギスした雰囲気が変わってくるはずです」</span></p>
<p>長く暮らしていくパートナーとおだやかに過ごしたいという思いは、男女問わず同じだろう。妻とギクシャクした関係になりやすい人は、ひとつのアクションで夫婦円満のサイクルが回り始めるかもしれない。</p>
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<p><span class="strongInContent">大野萌子（おおの・もえこ）</span>　日本メンタルアップ支援機構代表理事。メンタルアップマネージャ®、公認心理師、産業カウンセラー。企業の健康管理室カウンセラーとして、働く世代をサポート。人間関係改善のためのコミュニケーション術、ストレスマネジメントなどをアドバイスしている。防衛省、文部科学省のほか、大手企業などでの講演、研修も行う。『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑®』（サンマーク出版）他、著書多数。</p>


編集・ライター。1983年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。

釼持陽子

家に帰ると妻がイライラしている、何に怒っているのか分からない。そんな妻の不機嫌により、居心地の悪さや話しかけづらさを感じている夫は意外と多い。世の中の妻はなぜそんなに“イライラ”しているのか。

妻のイライラ・不機嫌の原因は？パートナーの“地雷”が分からない夫が無意識でやっているNGパターン

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