アングラ系の取材を得意とする。ドラマ『ブラッククロウズ』（フジテレビ系）及び同名タイトルの漫画作品の原作原案と監修等を行う。X（旧ツイッター）→@shibuyoru_tm。現在は『隠れ家BARウィン青山』の経営も行う。

漆原 貴之

<figure id="attachment_337028" aria-describedby="caption-attachment-337028" style="width: 639px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="66f34d9a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/2567ca7a9ecbac75ac082b03eaa5d0b7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337028" class="wp-caption-text">高額なレートでのギャンブルが楽しめるアングラ賭博。その世界にも変化が訪れている（写真はイメージです）</figcaption></figure>
<p>今年５月に新型コロナウイルスの規制緩和が行われ、日常生活が戻りつつある。しかし、コロナ禍がもたらした変化は大きい。Uber Eatsなどのフードデリバリーは生活の一部となり、リモートワークも当たり前となった。そして、その影響はアングラ業界にも大きかった。</p>
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<p>様変わりしたのが賭博だ。コロナ禍前に主流だったアングラカジノは、現在かなり減少傾向にある。代わりに隆盛しているのがアプリなどで気軽に行える「オンラインカジノ」だ。</p>
<p>オンラインカジノとはその名の通りネット上で参加できるカジノで、海外のカジノサイトへ登録をしたのちに入出金の代行やポイント代行業者を使うことで、サイト内でゲームのプレイができる。これはパソコンだけではなくスマホにも対応しているため、どんな場所でも遊ぶことができる。またカジノを開設する側も、実店舗を持たずに海外のサーバーなどを拠点とすることで、賭博などの違法行為を行っても摘発されるリスクが格段に低いため、美味しいビジネスになっている。</p>
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<p>かつては雑居ビルやテナントを借り、カジノテーブルを置く「闇カジノ」や、４号機といわれレートは通常の２倍から数十倍の爆裂系のスロット台を数十台おいている「闇スロ」が人気だった。他にも店舗で漫画喫茶のようなスタイルでネットカジノの入出金を行う「インターネットカジノ」なども存在した。コロナ前の六本木周辺や新宿等の“盛り場”には、少なくとも30軒近くはその地区にあったが、どんどん減り続け今では指で数えられる程度になっている。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="アミューズメントカジノに潜む「落とし穴」"></div>
<figure id="attachment_337030" aria-describedby="caption-attachment-337030" style="width: 782px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="28a5b497"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/4e3f6b8ef27218b081dbfef5f181c791.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337030" class="wp-caption-text">若者で賑わう歌舞伎町。かつては多くのアングラ賭博がリアルの店舗で行われていたが……</figcaption></figure>
<p>そんな中で、新たな業態のカジノも台頭してきた。それが「アミューズメントポーカー・カジノ」だ。これは店内での賭博行為を禁止し、風営法の許可を取った上で堂々と営業するゲームセンターのような店舗である。多くのインフルエンサーなどが宣伝しており、ステータスと公言する芸能人も急増。コロナ禍から年齢を問わず大きなブームとなっている。</p>
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<p>しかし、そこにカネの匂いを嗅ぎつけたアングラ界隈が、新たな収益源として狙いを定めている。「現金のやり取りをしないから法律上安全だ」という心理の隙をつく“落とし穴”が存在しているのだ。</p>
<p>たとえば「施設内で使える特別な通貨やコイン」を発行し飲食ができる店舗がある。これは直接現金をやり取りしているわけではないが、実質的に金銭の付与と同じようなことをやっている一例であり、警察が問題視している。他にも“グレーな営業”は枚挙にいとまがない。</p>
<p><span class="strongInContent">１：商品等で射幸心を煽り、信頼できる客は違法賭博を行っている別室へ案内する。</span></p>
<p><span class="strongInContent">２：店舗自体は合法だが、店内でオンラインカジノを斡旋する。</span></p>
<p><span class="strongInContent">３：特定のアプリ内で使える通貨やオンラインサイトでのＲＭＴ（リアルマネートレード）方式を使っての実質的な金銭のやり取りを行う。</span></p>
<p><span class="strongInContent">４：小学生など子供をプレイヤーとして宣伝利用することで、その親御さんからの参加費や協賛を集め、更には非合法のオンラインカジノへの斡旋を行う。</span></p>
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<p>など、法の目をかいくぐり、違法賭博へ繋げる方法が行われている。これらはいずれも、ポーカーやカジノの勝敗に応じて金銭的価値のある賞品を出していることになり、風営法第23条第２項に抵触する可能性が高い。運営側にはこうしたグレーな方法で、月に数千万～数億円を稼ぐ猛者もいる。</p>
<p>こうした動きを受け、警察庁も取り締まりを強化している。昨年末にオンラインカジノを規制することを大々的に告知。今年に入りアミューズメントポーカー店の摘発を積極的に行っている。また10月１日からは「匿名通報掲示板」を立ち上げた。際どい営業を行う店舗は、同業者内でも煙たがられる存在であるため、関係者からの告発は多く寄せられているという。</p>
<p>さらに恐ろしいことに、その対象は店舗の告知に関わったインフルエンサーや客も含まれている。つまり、知らずに利用しているうちに違法行為に関わってしまった……ということも、起きるかもしれないのだ。</p>
<p>もちろん全てのアミューズメントカジノがグレーな営業を行っているわけではない。大半はルールを守り正しい営業を行っている。しかし同時にアングラな営業を行う店舗があることも忘れてはいけない。</p>


漆原貴之

小川内孝行　makoto.h

コロナ禍の影響はアングラ界隈にも大きな影響を与えた。オンライン賭博が常識になる一方、合法のアミューズメントカジノにも“落とし穴”が。アフターコロナの「最新アングラ賭博」に迫る。

「アミューズメントカジノ利用者は騙しやすい」アフターコロナのアングラ賭博“ヤバすぎる最新事情”

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