1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治を主軸にしているものの、格闘技やビジネスレポートなどの取材もしている。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎　「異形の宰相」の蹉跌』（洋泉社）、『激闘 リングの覇者を目指して』（ソフトバンク クリエイティブ）、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』（講談社）がある。

岩崎 大輔

<figure id="attachment_337454" aria-describedby="caption-attachment-337454" style="width: 3151px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="2693ef02"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/afb3ae4164a50525c7cabb4b48d182b2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337454" class="wp-caption-text">なぞかけ芸人のねづっち。現在は浅草を中心に活動している</figcaption></figure>
<p>「ととのいました」のなぞかけで知られる芸人のねづっち（48）が若者の間で再び注目を集めている。</p>
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<p>その理由は、「TikTok」と「YouTube Shorts」。１分ほどの短い再生時間と「なぞかけ」の相性が抜群で、爆発的に広まっているのだ。</p>
<p>YouTube「ねづっちチャンネル」の登録者数は23万人ほどと、ほかの芸能人のチャンネルと比べると少ないが、4000本以上の動画と最高再生回数は700万超と、再生回数や本数は別格。ねづっちはこの状況までの過程をこのように振り返る。</p>
<p><span class="strongInContent">「バズったのは去年８月で、登録者数がどんどん増えていきました。毎月続けている単独ライブに若い人も来るようになり、チケットも発売からすぐに売り切れるようになったんです。ただ、僕のライブの98％が男性で、女性の姿がないのが少し残念です（笑）」</span></p>
<p>最初のブレークは’10年。大学時代、町工場でアルバイトしていた経験があり、’10年１月に「アメトーーク！」の「町工場芸人」として出演。次々となぞかけを決め、居並ぶ人気芸人を押しのけて注目を集めた。</p>
<p>その次の出演でも、なぞかけで注目を集め、元雨上がり決死隊のタレント、宮迫博之（53）のあるコメントがきっかけで引っ張りだこになったのだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「宮迫さんから『ねづっち、今年（ブームが）来るで』と声をかけていただき、その言葉通り急に忙しくなりました。その年は休みが全くなく、唯一の休みは結婚式を挙げさせてください、と事務所に頼み込んで空けてもらった１日だけでしたね。妻の実家の青森で結婚式を挙げた後、新婚旅行もなく、翌日から働いていました」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="超有名な一発屋の先輩芸人から言われた衝撃の一言"></div>
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<p>バラエティ番組をはしごし、地方営業で全国を巡った。当時の仕事量はすさまじく、移動中に仮眠を取るだけで自宅でくつろぐ時間はなかったほど。その努力もあってか、「ととのいました」は、’10年度の新語・流行語大賞トップテンを受賞。</p>
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<p><span class="strongInContent">「賞レースの賞金も入れて、月500万稼いだときもありましたが、忙しかったのは’10年の一年間だけでした。忙しさを『ゲッツ！』でブレイクしたダンディ坂野さんに相談したら『年をまたいだら、うそのように減るから大丈夫』と言われ、その言葉通り、’11年になるとテレビ出演はほとんどなくなりました。それでも週末、地方営業はありましたが、東日本大震災で激減したんです」</span></p>
<p>東日本大震災による「自粛ムード」は演芸業界を直撃。’14年頃になると、テレビ番組出演はゼロに近く、地方での営業も減り、貯金も減っていった。そんなときに動画制作会社から「YouTubeをやってみませんか」と勧められた。</p>
<p><span class="strongInContent">「HIKAKINさんはこれで何億円も稼いでます、という甘い言葉で始めたんですが、１日の再生回数が数十回で、これは無理だなと思いました（笑）。でも毎朝のルーティーンとして自宅で、妻が構えるスマホに向かってなぞかけを行っていました。ただ、一回ゴルフに行く前の朝５時半に、いまから動画を撮るから、と妻を起こして激怒されてからは、仕事などで朝が早い日には前日の夜に撮るルールになりました（笑）」</span></p>
<p>毎日、ネタを考え、妻が動画を撮って制作会社に送り、二人三脚の体制で動画をあげ続けた。動画は更新され続けたが、再生回数は数十回から数百回と振るわなかった。</p>
<p><span class="strongInContent">「動画制作会社のスタッフには申し訳ないんですけど、このころは、ネタ帳としか思っていないんですよね」</span></p>
<p>ネタ帳の代わりにYouTubeを使っていたという。単独の舞台では50分程のネタが必要だ。１日１分の動画を撮ることで、１ヵ月で30分ほどになり、ネタの土台となるという発想だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「公開ネタ帳みたいなものです。50分の漫談をゼロから作るのは大変ですが、土台があるとかなり楽なんです。30分の動画を軸に時事問題などを入れれば良いネタになりますからね」</span></p>
<p>コツコツと続けてきたYouTubeチャンネル。去年の８月に突然バズったのは、動画制作会社のスタッフが勝手に始めたTikTokのねづっち公式チャンネルがきっかけなのだという。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="勝手に公式TikTokアカウントを作ったのは…"></div>
<p><span class="strongInContent">「昨年６月、知り合いから、『TikTok始めたの？　バズってるよ』と声をかけられたんです。僕はTikTokはやっていないつもりだったので、そんなことはないと言ったんですが、確認したら、ねづっち【公式】って書いてあったんです。調べてみたら、YouTubeの編集をお願いしている動画制作会社のスタッフが勝手に公式アカウントを開設してました（笑）」</span></p>
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<p>再び、時の人となっているねづっち。登録者数10万人を達成したYouTuberに贈られる「銀の盾」も事務所に届き、動画制作会社のスタッフは喜んだ。最後にこれからの目標を聞くと、舞台芸人らしい答えが返ってきた。</p>
<p><span class="strongInContent">「客席からお題をもらって、元気よく笑顔で、『ととのいましたー』と言うんだけど、おじいちゃんだから頭が回らずに何分経っても返せない。そんな芸人になりたいですね」</span></p>
<p>30年後も、微笑むねづっちを観たいものだ。</p>
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<p>ねづっちの舞台が気になった方はこちらもチェック！</p>
<p>「2023芸協らくご・名古屋寄席特別企画 ねづっちのイロイロしてみる60分in大須演芸場」<br>
2023年11月22日（水）<br>
18：30開場／19：00開演<br>
料金 前売2000円 当日2500円（整理番号付自由席）<br>
ローソンチケット（Lコード42349）ほかで絶賛発売中！！<br>
問合せ 落語芸術協会 TEL03-5909-3081（11時～17時）</p>
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<figure style="width: 3888px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="6905f2cd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/ebe57acfb7d57c5ec70c3c27a1539b0b.jpg" alt=""></a><figcaption class="wp-caption-text">なぞかけ力は健在で、「人気YouTuber」とお題を振ると、数秒で「ととのいました。今が最も盛り上がっている、と説きます。その心は最盛期になります（再生、気になります）」と答えた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_337456" aria-describedby="caption-attachment-337456" style="width: 3888px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="d16301cd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/f7dfa22d5d5dd108c5986d82c6536ac2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337456" class="wp-caption-text">「フライデー」とお題を出すと、「高級な洋服、と説きます。その心は、おどろくような生地（記事）もあります」と答えただけでなく、いくつかほかの回答で笑わせてくれた</figcaption></figure>


濱崎 慎治

かつて、一世を風靡したなぞかけ芸人ねづっち。そんな彼が今、夫婦二人三脚で作り上げたYouTubeチャンネルで再ブレイク。若者の間で絶大な人気を誇っている。その理由を本人に直撃した！

なぞかけ芸人「ねづっち」が再ブレイク！「夫婦二人三脚」でコツコツ作った動画がTikTokで大人気

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