<figure id="attachment_337522" aria-describedby="caption-attachment-337522" style="width: 2464px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="021e2c3f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/e44fd2d37e70e3ba4903275885da24be.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337522" class="wp-caption-text">赤裸々に半生を語ったカウアン</figcaption></figure>
<p>男性の右肩には英語のタトゥーが彫られている。</p>
<p><span class="strongInContent">〈Out of my way. Your fate. I’m going through〉</span></p>
<p>「運命よ、そこをどけ。オレが通る」。元プロバスケットボール選手マイケル・ジョーダンの言葉だ。男性の半生は、この格言がよく言い表している――。</p>
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<p><span class="strongInContent">「今日はよろしくお願いします」</span></p>
<p>男性はインタビュー場所に一人で現れた。カウアン・オカモト（27）。故・ジャニー喜多川氏による性加害を実名告発し、日本外国人特派員協会や国会のヒアリングなどで自身の体験を語って、大手芸能事務所の暗部を明かした人物だ。白いトレーナーにチェックのズボンというラフな服装だが、独特のオーラは隠しきれない。</p>
<h2>「故郷はブラジル団地」</h2>
<p><span class="strongInContent">「今は事務所に頼らず、仕事の手配や打ち合わせは基本的に一人でやっています」</span></p>
<p>そう語るカウアン。性加害告発で注目されたが、現在に至るまでの道のりは平たんではなかった。逆境を乗り越え続けるカウアンの半生を本人の言葉で紹介したい。</p>
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<p><span class="strongInContent">「僕の故郷はブラジル団地です」</span></p>
<p>カウアンは’96年５月24日、愛知県豊橋市で生まれた。両親は日系のブラジル人３世。幼少期を過ごしたのは、近隣の工場で働くブラジル人労働者が多く暮らす「ブラジル団地」だった。</p>
<p><span class="strongInContent">「決して貧しい家庭ではありませんでしたが、給料が安いので父親は工場での仕事の他に農場でのバイトをするほど重労働を強いられていましたね。母親も食品加工の内職をしていました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">家庭での公用語はポルトガル語です。両親は友だちがブラジル人ばかりなので、なかなか日本語が上達しなかった。幼稚園児の時から日本語に接していた僕が、スーパーで買い物をする母親の通訳をしていたほどです」</span></p>
<p>カウアンは日本の小学校に通ったが、文化やコミュケーション方法の違いに悩み馴染めなかったという。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="50歳差の歌手の曲に涙したワケ"></div>
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<p><span class="strongInContent">「ブラジル人は、いきなりハグして頬にキスするなどスキンシップが多い。一方の日本人は人との距離感や礼儀を大切にしますよね。家庭と学校の生活スタイルのギャップに戸惑いました。家ではブラジルの食材で香辛料を使い母国料理を食べていたので、『ガイジン、お前臭ぇ』と暴言を吐かれたこともあります。意地悪をする日本人の子どもとは、よくケンカしていました」</span></p>
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<p>荒（すさ）みがちなカウアンを救ったのが音楽だ。小学校低学年の頃、たまたまテレビＣＭから流れてきた小田和正の『言葉にできない』に心を揺さぶられる。日本の愛を感じた。</p>
<p><span class="strongInContent">「結婚して家族が増え子どもと一緒に病気と闘うという内容でしたが、小田さんの歌に衝撃を受けました。小田さんと僕とでは年齢差が50歳ほどありますが、大げさでなく共感できたんです。『大丈夫だよ』と励まされているようで、涙が流れました……」</span></p>
<h2>夢は「ジャスティン・ビーバー」</h2>
<p>音楽の力に胸を打たれたカウアンは、国内外を問わず多くのアーティストの歌を聴き始める。中でも感銘を受けたのがジャスティン・ビーバーだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「ジャスティンはドイツやイギリス、アイルランド、フランスなどにルーツを持ち、お母さんは10代で彼を産んでいます。お調子者なのに幼い頃から苦労していて、境遇が僕と似ていた。</span></p>
<p><span class="strongInContent">彼のドキュメンタリー映画の謳い文句はこんな感じです。〈全米熱狂！　世界で最も旬な17歳〉。年が２つしか離れていないのに世界舞台で活躍するジャスティンと、僕は生き方をリンクさせていたんです。人生で一番やりたいことが音楽になりました。将来の夢は『ジャスティン・ビーバーになって両親を楽にさせる』です」</span></p>
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<p>ジャスティンの生き方に感動したカウアンは、さまざまな人の人生を知りたいと思うようになる。その中にマイケル・ジョーダンがいた。黒人としてアメリカで差別を受けながら人生を切り開いたジョーダンが残した格言の一つが、冒頭で紹介したカウアンが右肩に彫りこんだ言葉だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「小学校からバスケットをやっていたためジョーダンに興味を持ったんですが、この言葉にはヤラれましたね。日系ブラジル人として日本で差別を受けがちな自分を鼓舞してくれました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">日本とブラジル……。両者の垣根を超えて、ジャスティンやジョーダンのように人生を切り開いていこう。歌手としてエンターテインメントの世界に飛び出そう。中学卒業を前に、僕はそう心に決めたんです」</span></p>
<p>カウアンの人生を大きく変えたのが、ジャニー氏からの直接の電話だった。ジャニーズJr.のアイドルとして華やかな生活を送る一方、厳しい芸能界で苦闘した日々は10月24日朝７時配信予定の【第２回：東京ドームで歌った後にコンビニバイト】で詳しく紹介したい。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="右肩に彫った衝撃の「タトゥー写真」"></div>
<figure id="attachment_337526" aria-describedby="caption-attachment-337526" style="width: 504px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="93a73afd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/fbfd4e7cc54717155e54f9ec9c455126.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337526" class="wp-caption-text">幼少時のカウアンとブラジルから来日した母親（カウアン提供）</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_337527" aria-describedby="caption-attachment-337527" style="width: 960px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7f1abd49"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/dd6386f7e0b2d6d8730766a038b9dbed.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337527" class="wp-caption-text">愛らしい幼いカウアン（カウアン提供）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_337528" aria-describedby="caption-attachment-337528" style="width: 960px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="88091fc3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/5023081ebec79e12d19aefad4243a96c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337528" class="wp-caption-text">父親と母親の愛情に包まれて育った（カウアン提供）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_338131" aria-describedby="caption-attachment-338131" style="width: 2464px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0768a50f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/e6ac596a6db901d77317a0e20dfebd16-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-338131" class="wp-caption-text">カウアンが右肩に彫ったタトゥー。〈運命よ、そこをどけ。俺が通る〉と英語で記されている</figcaption></figure>
<figure id="attachment_338132" aria-describedby="caption-attachment-338132" style="width: 2464px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cffd750c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/19f896cecafa685e0c1747fec39db2f6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-338132" class="wp-caption-text">「抱負を書いてください」とお願いすると「愛」の文字を</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_337530" aria-describedby="caption-attachment-337530" style="width: 2464px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1060e0eb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/20a36b13fc97a17d1f4dd0967ebef0bd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337530" class="wp-caption-text">インタビューは２時間近くにおよんだ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_337531" aria-describedby="caption-attachment-337531" style="width: 2464px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4ce74794"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/3337eee61380b9484d53961ed426e8dc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-337531" class="wp-caption-text">ラフな服装でもオーラはたっぷり</figcaption></figure>


西﨑進也　カウアン提供

実名でジャニー喜多川氏の性加害を告発したカウアン・オカモト氏。本人が語る壮絶の半生だ。肩に彫ったタトゥーの意味、故郷「ブラジル団地」の様子、日本への違和感……。カウアンの素顔を４回に分け紹介！

肩に彫ったタトゥーの真意…ジャニーズ性加害告発カウアン・オカモト「小田和正に感涙」からの音楽愛

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