<figure id="attachment_338105" aria-describedby="caption-attachment-338105" style="width: 2288px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="851c05a3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/65271a792f905eea95cceeccde592280.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-338105" class="wp-caption-text">２時間近くにわたり自身の半生を語ったカウアン</figcaption></figure>
<p>ついに山が動いた。</p>
<p>今年４月に日本外国特派員協会（東京都千代田区）で行われた記者会見後、故・ジャニー喜多川氏による性加害を実名告発したカウアン・オカモト（27）はこう実感した。それまで問題を無視してきたＮＨＫや朝日新聞などの大手メディアが、〈「性被害を受けた」カウアンさんが会見〉と一斉に報道。ジャニーズ事務所の暗部を多くの人が知ることとなったのだ――。</p>
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<p>カウアン氏が自身の壮絶な半生を振り返ったインタビューの【第４回（最終回）】。【<a href="https://friday.kodansha.co.jp/article/337949">第３回：パニック障害で「月３万一畳半の逆境生活」</a>】に続き、実名告発にいたった経緯を紹介したい。以下はカウアンの回想だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「仲間の失踪や母親の病気から心労がたまりパニック障害となった僕は、ずっと自分自身と向き合っていました。孤独の中でこう考えたんです。僕はこれまでジャニーさんの性加害など闇の部分に目をつむり、過去を隠したまま生きてきた。もう自分に嘘はつきたくない。本音で自身の体験を話そうと決めました」</span></p>
<h2>「本当です」</h2>
<p>真実を話す場所として選んだのが、当時チャンネル登録者数が100万人を超えていた「ガーシーチャンネル」だ。カウアンは、ガーシーこと東谷義和氏へダイレクトメッセージを送付。’22年11月、ガーシーチャンネルの生配信に出演する。</p>
<p><span class="strongInContent">「最初は、ジャニーズに入った経緯や辞めた理由について話していたんです。しばらくするとガーシーさんが性加害についても突っ込んできた。以前の僕なら誤魔化していたでしょう。でも嘘はつかないと決めていたので、『本当です』と認めました」</span></p>
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<p>反応はさまざまだった。ネット上には〈売名〉〈ジャニーズを潰す気か〉と批判的なコメントが溢れる一方、〈勇気ある告発〉〈がんばって〉と背中を押すメッセージも多かった。</p>
<p>メディアも動く。動画を見てカウアンに接触してきたのが、『Ｊ－ＰＯＰの捕食者』という番組でジャニーズの性加害について取り上げたイギリスの公共放送局ＢＢＣだ。「ぜひ続きをやりましょう」と。直後には週刊文春がカウアンを取材。記事の反響は大きく、文春の記者の提案で前述の通り日本外国特派員協会で記者会見を開くことになる。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="ジュリー氏と対面２時間の中身"></div>
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<p><span class="strongInContent">「記者会見の直後、ジャニーズの前社長・藤島ジュリー景子さんから連絡が入り２時間ほど対面しました。ジュリーさんと会うのは初めてですし、どんな人だろうと不安な気持ちもあった。実際のジュリーさんは皇族のように気品のある女性です。ジュリーさんは『私は本当に知らなかったの。申し訳ない』と謝りました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">騒動を大きくせず、事務所のアイドルを守りたいという気持ちはわかります。しかし僕は事実を隠すのはいけないと思い、こう伝えました。『ジュリーさんは顔を出して説明したほうが良いと思います』と。ジュリーさんが謝罪動画を公開したのはご存知の通りです。会見まで開き、事務所の過去について謝ったのは歴史的なこと。大きな一歩だと感じます」</span></p>
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<p>カウアンは、その後さまざまなメディアで性加害について言及。国会でのヒアリングにも応じた。騒動は現在も続いているが、カウアンはアーティストとしての歩みを少しずつ再開している。</p>
<p><span class="strongInContent">「心のキズは一生消えませんが、『被害者だからかわいそう』と思われるのはイヤなんです。同情されるのではなく、僕の仕事を前向きに受け止めてもらいたい。相手を否定するのではなく、勇気を与え心を揺さぶるような曲を作りたいと思います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">僕のルーツはブラジルにあります。日本だけでなく、憧れのジャスティン・ビーバーのように世界中が感動するような歌手になりたい。叱咤してくれるのは、僕の右肩に彫った尊敬する元プロバスケットボール選手マイケル・ジョーダンの言葉です。〈運命よ、そこをどけ。俺が通る〉」</span></p>
<p>カウアンは11月に『Ｍｙ ｓｏｕｌ』という新曲を出す予定だ。歌詞にはこんな一節がある。</p>
<p><span class="strongInContent">〈逃げはしない　負けた</span><span class="strongInContent">くない今更　この痛みを抱えて……〉</span></p>
<p>連載・完</p>
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西﨑進也

実名でジャニー喜多川氏の性加害を告発したカウアン・オカモト。本人が語る壮絶の半生だ。肩に彫ったタトゥーの意味、故郷「ブラジル団地」の様子、日本への違和感……。感動のインタビュー最終回！

新曲の歌詞に込めた感涙の意味…ジャニーズ性加害告発カウアン「パニック障害の失意から世界が動いた」

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