<figure id="attachment_339214" aria-describedby="caption-attachment-339214" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="63ad5b82"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/f6338775e83f6fb2677015f0ce2ee975.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-339214" class="wp-caption-text">㈱アジャイルウェアのオフィス風景。１日のうち、いつ仕事してもよいフルフレックス制を採用しているなど、そもそも個人のペースを尊重する社風</figcaption></figure>
<p>会社というのは「行かなければならないところ」だ。だから嫌いな上司や同僚と顔を合わせたくなくても、電車に揺られるのが嫌でも行くのだ。コロナからこっち 、リモートワークが普通になった現在でもやっぱりそうだ。ところが、会社に行くとそれだけで手当がもらえるという企業があるという。本当だろうか。</p>
<p><span class="strongInContent">「『出社手当』を９月から導入しています。オフィスに４時間滞在するのが条件で、月10日を上限に１日2000円を支給します。また、出社した日に他の社員とランチをすると500円プラスとなります」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>そう話すのはシステム開発などを手がける㈱アジャイルウェア（大阪・東京）で人事を担当する岡田秀介さんだ。同社ではもともとフルフレックス制を採用しており、個々人が自らのペースで仕事ができる環境だったという。そういった背景もあり、コロナ禍でもスムーズに業務をフルリモートに移行することができた。だがコロナ禍が一段落した現在、リモートとオフラインのハイブリッドにしたいのだが、コロナ禍が長期化してオンラインでの業務が当たり前になってしまったことで、なかなか以前のようには戻らないのだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「コロナ禍でもおかげさまで業務は好調で、社員も’20年の40人から60人まで増えました。しかし、リモート期間から入社した人がどんどん増えていく中で、新しく入った人が定着しないということも決して多くはないものの、起こってしまいました。リモートだけだと、いま会社がどういう状態なのかもわからないし、辞めた人の離職の原因にも気づけないのではないかという考えに至りました」（CEO・川端光義さん）</span></p>
<p>オフラインであればお互いの様子を見てメンタルの不調に気づくことができたり、助け合ったり、信頼関係もより生まれる。そういった文化がいつの間にか欠落していっているのではないか。そんな危惧があったことから、「出社手当」の制度を９月からスタートさせたそうだ。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>ちなみに８月以前は「自由出社だけど最低月に１回ぐらいは出ようよ、という感じ」（岡田さん）だったそうだ。それでは９月から出社する人数は増えたのだろうか。</p>
<p>制度が導入されてから正式な調査は行っていないそうなので、直近１週間の出社人数を岡田さんに聞くと、大阪オフィス所属の40名のうち、出社していたのは８～15人だった。８月のとある週の平均が4.6人だったというから、確実に増えている印象だ。東京オフィスは対面の業務が必要な営業職の人が多いため、もう少し数字は高いという。</p>
<p><span class="strongInContent">「業務内容にもよるのですが、８月以前も比較的出社していた人のグループをA、とくに出社する必要性がなくて月に１度ぐらいしか来ていなかった人のグループをB、まったく来ていなかった人のグループをCとすると、制度を始めてからの出社日数はAは週２回、Bは週１回ぐらい、Cは変わらずといった印象です。Bのグループの人たちが以前よりも来るようになったように思います」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「それでも出社しない人たち」の理由は…"></div>
<p>また、まったく来ない人たちにも、それなりに理由があるのだと岡田さんは言う。</p>
<p><span class="strongInContent">「滅多に来ない人たちは、出社しないことに必要性があるのだと思います。リモートワークでの生活スタイルができているんですね。例えば家事をするとか子供の送迎とかで、出社をするとそのリズムが崩れて勤務時間が短くなってしまったりする。そういった個々人の生活のペースを尊重したいので、出社を強制するのではなく手当という形にしたところもあります」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>出社を増やしたことによる効果は、まだ目に見える形では出ていないという。ただ、「ランチ手当」については目に見える部分で“変化”が感じられるそうだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「これまでは、よほど仲の良い人じゃないと遠慮をしてしまって、一緒にランチへ行こうと声をかけづらかった。ところが９月以降は12時前になると、みんなそわそわし始めるんです。今までにはなかった『今日ランチ行く人～？』という声が自然と生まれ、オフィスにはどうしても忙しい人だけが残って、これまでよりも大人数でランチに行くようになりました」（岡田さん）</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>一緒にランチに行くことで雑談的な、近況の話なども結構できるようになって、社員同士のコミュニケーションも深まったのではないかという。出社しているメンバーは前述のとおり10人ぐらいと全体の一部なので、一緒にランチに行く相手はふだんの仕事ではあまり関わりのない相手であるケースも多い。オンライン上で名前と仕事ぐらいは何となく知っているけど、それ以上はよく知らない相手とも直接話すことができるのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「とくにここ２、３年に入社して、オンラインでの仕事がほとんどだった人にとっては、新しい繋がりができる良い機会になっていると思います」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「社員にやさしい施策」で生産性は上がるのか"></div>
<p>同社では昨年から隔週での週休３日制も導入している。導入後１年で労働時間は減り、売り上げや経常利益で見る限り生産性もアップするという結果が出ている。だが、川端CEOは大切にしたいことは生産性でははかれないものなのだと言う。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p><span class="strongInContent">「僕は正直、必ずしも生産性ということは気にしていません。業績が上がっているから福利厚生をするのではなく、１人１人を大切にするという文化とか風土を作ってこそ、業績が上がるということを証明したい。ウェルビーイング経営ということをテーマに置いて、社員のモチベーションを上げることで業績もアップさせて、それを見た他の企業にも広がっていけばいいなと思っています」</span></p>
<p>「幸せになるために働く」のは当然としても、「幸せに働く」ことは、なかなかできていないのかもしれない。</p>
<figure id="attachment_339212" aria-describedby="caption-attachment-339212" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="81bee9e4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/630647422b91d4c99a4b73a10b058372.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-339212" class="wp-caption-text">「ランチ手当」は外食だけでなく社内でも他の社員とランチをすれば適用される</figcaption></figure>
<figure id="attachment_339216" aria-describedby="caption-attachment-339216" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e5d53bae"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/feeb3873fb5cf960e6660122fea8936a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-339216" class="wp-caption-text">変わった制度の中には「おやつは１日200円まで！手当」というものも</figcaption></figure>
<p>&nbsp;</p>


リモートワークが普及した現在でも会社は「行かなければいけない場所」という意識は強い。だが、出社しただけで2000円が支給される「出社手当」を運用開始した企業が登場。その理由は？そしてその効果とは？

出社するだけで2000円、ランチをしたら500円…”ユニーク手当”企業にもたらされた意外な効果

あなたへのオススメ

関連記事