花粉の季節到来! この時期考えたい「ジェネリック医薬品」のこと

知っておきたい、『AG(オーソライズド・ジェネリック)』という選択

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ついにやってきてしまった花粉症の季節……! 今年は平年並みより“やや多い”と気象庁は予測を出しているが、症状緩和には早めの治療が肝心だ。

そんな花粉症の薬をもらうときに、クリニックや調剤薬局で「ジェネリックにしますか?」と言われたことはないだろうか? 黒柳徹子さんのCMでも耳にする“ジェネリック”。「もともとのお薬と同じ有効成分を使っており、品質、効き目、安全性は同等なおくすりです」と説明されるが、実際のところよくわからず、進められるままに選んでいる人、意味が解らからず拒否する人が多いという。

花粉の季節がやってきた。今年は平年並みより“やや多い”らしい

先発医薬品よりも約2~5割も安いが、実は知らないことばかりのジェネリック医薬品。花粉症の処方薬『アレグラ』を一例に、東京都済生会中央病院・薬剤部技師長の楠見彰宏氏に教えてもらった。

ジェネリックは、先発医薬品と「まったく同じ」ではない

そもそもジェネリック医薬品とは、もともと最初に薬を開発した企業の特許期限が切れた後、別の企業が同じ有効成分で作った薬品のことだ。「後発医薬品」と呼ばれたりもする。

「先発薬とジェネリック医薬品の共通点は、薬として効果を発揮する有効成分、その含有量、効能・効果が同一(※)であるという点です。効果・効能が同じであることは、試験により確認されています。逆に異なっている点は、添加物や形状、色、味、そして製法です。この部分は先発薬と異なっていても良いことになっています。したがって、厳密にいうとジェネリック医薬品と先発医薬品は、同じものではありません」(楠見氏 以下同)

『アレグラ』のジェネリックは、27社から発売

花粉症治療用に最も使用されている薬のひとつである『アレグラ』にもジェネリックはある。もともとは、“サノフィ”という医薬品メーカーが開発し2000年に発売開始されたが、特許の存続期間終了で2012年からジェネリック医薬品の販売が開始された。

「病院でこの薬が処方されるときの処方箋には、『アレグラ』または成分名『フェキソフェナジン塩酸塩』と記入されています。医師からの特別な指示がない限り、どちらの場合も薬局で“ジェネリックにしますか?”と聞かれることになります」 

そんな時、ただ「はい」と答えるのではなく、どんなジェネリックがあるのか、と聞いてみることも可能だと楠見氏は言う。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品とは違う形状にしたり、表面のコーティングを変えたり、有効成分と合わせる添加物を変えて、飲みやすさなどを工夫しているのも一つの特徴です。『アレグラ』のジェネリック医薬品にも、水なしで飲めるものや、小児用のドライシロップなども発売されています。先発医薬品よりもジェネリック医薬品のほうが飲みやすさを意識したものが多いように感じますね」

“ジェネリックは、イマイチ効かない”は本当なのか!?

「アレグラ ジェネリック」で検索すると、効かない、合わない、選ばないという声も出てくるが、これは本当なのだろうか?

「ジェネリック医薬品は効かない、と感じる方は正直います。でも、その原因ははっきりしていません。どんな医薬品でも、効果の出方には個人差があり、稀ですが、アレルギーなどの副作用が出ることもあります。

ジェネリック医薬品は先発医薬品とは異なる添加物などを使用していますが、国(厚生労働省)が定める基準で各社安全性や有効性は確認しているので、ほとんどの場合、効果は同じと考えられるでしょう。ただ、“プラセボ効果(偽薬効果)”はあるかもしれません。投薬には心理的効果も大きな要因と言われています。先発医薬品のほうが有効性が高いという思い込みや、“ジェネリックは安いから効果がないかも”、と思って飲むと、心理的に効果が低く感じることはあると思いますね」

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と「まったく同じ」ではなかった

意外と知られていない『AG』。知らないと損をする!?

ジェネリックに違和感を感じた場合、『AG(オーソライズド・ジェネリック)』といった選択があることを知っているだろうか?

「AGは、先発医薬品と有効成分、原薬、添加物、製法も同一なジェネリック医薬品のことです。先発医薬品と同じ作り方で作ったジェネリック医薬品といったらわかりやすいかもしれません。先発医薬品と同じ工場で作られているケースも少なくありません。開発にコストがかからない分、ジェネリック価格で提供できるというメリットがあります。

『アレグラ』にも“フェキソフェナジン塩酸塩錠『SANIK』”というAGがあります。アレグラのAGはこの1薬のみですが、同じく花粉症の処方薬『タリオン』にも“ベポタスチンベシル酸塩錠『タナベ』”というAGが発売されています。ほかの薬を含めAGは、まだその数は少ないのが現状ですが、これから徐々に増えていくと思います」

お任せではなく、調剤薬局で“AGを”とリクエストすることも可能だ

「ジェネリック医薬品を使ってみて、『効果を感じられない』などの違和感を感じたら、先発医薬品に戻す前に、“AGに変えたいのですが”とリクエストしてみるといいでしょう。調剤薬局に置いてない場合は、リクエストを出せば大抵の調剤薬局では取り寄せてくれるはずです。

薬剤師は薬を渡すことだけが仕事ではありません。“こんなジェネリックに変えてみたい”、“こんな副作用が心配”など、調剤薬局は薬に関することを相談できる場所でもあります。お医者さんとは違った角度から、その人に合う薬の選び方などもアドバイスできると思うので、相談してみるといいと思いますね」

 

3月からますます気温も上昇し、花粉の飛散が激しくなることは確実だ。早めの治療、早めの処方。そして、その選択肢に“AG”を加えてみてはどうだろうか。

 

※ 先発医薬品の特許が一部有効である等の理由により、効能・効果や用法・用量が先発医薬品と異なるケースが、例外的に存在します(厚生労働省・平成27年資料より)。

 東京都済生会中央病院の情報はコチラ

  • 取材・文伊藤まなび写真アフロ

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