『東京スポーツ新聞社』元・文化社会部部長。退職後、Webマガジン『PlusαToday』を始め、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員

阪本 良

<figure id="attachment_341241" aria-describedby="caption-attachment-341241" style="width: 2048px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a72ac248"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/9c182cfcb6e411a8c715b6558ed14335-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341241" class="wp-caption-text">人気ドラマ『フレンズ』に出演していたマシュー・ペリーさん（真ん中）。依存症と長く闘っていたが…（’98年）</figcaption></figure>
米大ヒットドラマ『フレンズ』で知られる米俳優マシュー・ペリーさんが10月28日（現地時間）、ロサンゼルス近郊の自宅の浴槽で心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認された。
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自宅から複数の処方薬が発見され、ロサンゼルス郡検視局は遺体の検視を行う。検査の結果は数週間後に判明するという。
ペリーさんは享年54。米TMZなどが報じている。
ペリーさんは28日朝、運動してから午前中に帰宅。その後アシスタントに新しいiPhoneと眼鏡を買ってくるよう頼んだという。
約２時間後、アシスタントが戻ってきたとき、マシューさんが自宅の浴槽で意識がない状態であることを発見し、911に通報。救急隊員が駆け付け死亡が確認された。
溺死とみられているが、自宅から処方薬の抗うつ薬、抗不安薬、COPD（慢性閉塞性肺疾患）治療薬が発見された。COPDは、気流の閉塞や呼吸関連の問題を引き起こす病気を指す。
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この病気は喫煙によって発症することが多く、肺気腫や慢性気管支炎を引き起こすこともある。ペリーさんは以前、生涯を通じて喫煙者であったことを認めていたという。
「ペリーさんは、ジェニファー・アニストン、コートニー・コックスらが出演する’90年代の人気シットコム『フレンズ』のチャンドラー・ビング役が人気を呼びました。
’94年から’04年まで10シーズンにわたって放送され、ペリーさんは全234エピソードに出演。’21年には再結集特別エピソード『フレンズ：ザ・リユニオン』が放送され、ペリーさんも出演していました」（女性誌記者）
ペリーさんは先週初め、インスタグラムに、夜にヘッドホンをつけてプールでリラックスしている不気味な写真を投稿していた。
<div data-friday-nextpage-lead="生きる可能性は２％と言われたが……"></div>
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《あぁ、温かい水が渦巻いていると気持ちいいのか？》
などと謎めいたキャプションをつけていた。
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ペリーさんは、ドラッグとアルコール、特に麻薬性鎮痛薬オピオイドの依存症に苦しんでしたという。『フレンズ』に出演していたときも、何年もバイコディン（鎮痛薬）にはまり、リハビリ施設を出たり入ったりしていたという。
米紙ニューヨーク・ポスト（電子版）によると、ペリーさんは昨年11月に出版した回顧録『Friends, Lovers, and the Big Terrible Thing』の中で、数十年にわたる依存症との闘いについて明かしていた。その中で
《私は病気を持っているだけでなく、悪い病気も持っている。いつも壁際に追いやられている。もう死にそうだ…ロバート・ダウニー・Jr.は、自身の（ヘロイン）中毒について、『銃を口にくわえて引き金に指をかけているようなもので、金属の味を楽しんでいるようだ』と言ったことがある。
（１度目の逮捕のとき裁判で言った言葉）私はそれを理解した。いい日でも、シラフで前を向いているときでも、銃はいつも私のそばにある。まだ銃がある。幸いなことに、もうハイになれるほどのアヘンはこの世にないんだと思う》
などと告白していた。
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ロバート・ダウニー・Jr.は’96年に麻薬不法所持で逮捕され、カルフォルニア州刑務所に１年間入所。’01年にコカイン所持で逮捕され３年間の保護観察処分と１年間のリハビリ施設入所を命じられた。その後復帰し『アイアンマン』シリーズが大ヒットしてハリウッドのトップスターとして活躍している。
ペリーさんは15回リハビリ施設に通い、アルコールと麻薬性鎮痛薬オピオイドの使用による胃粘膜の損傷を軽減しようと14回の手術を受けたという。
’18年には胃腸穿孔で死にかけたと明かしていた。彼は２週間昏睡状態に陥り、５ヵ月間入院した。また、人工肛門バッグを９ヵ月間使用しなければならなかったという。
「医師は私の家族に、生きる可能性は２％だと言った」
と、ペリーさんは同回顧録のプロモーションのインタビューで述べた。
「心臓と肺の呼吸をすべて代行してくれるECMOという機械に入れられた」
という。
昨年、ペリーさんは何年もの間、900万ドル（約13億500万円）近くを費やして断酒に励み、ついに勝利したと主張していた。’21年５月から薬物もアルコールも断っていたという。そうした中、突然訪れた不慮の死が惜しまれる――合掌。

Webマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員

阪本 良（ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長）

ロイター/アフロ

米大ヒットドラマ「フレンズ」で知られる米俳優マシュー・ペリーさんが亡くなった。自宅から処方薬の抗うつ薬、抗不安薬、COPD（慢性閉塞性肺疾患）治療薬が発見され……

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