<figure id="attachment_341952" aria-describedby="caption-attachment-341952" style="width: 1887px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d58e4970"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/3e41aa06cbb720bf0a4e26e1b730085a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341952" class="wp-caption-text">11月５日、オリックスを７-１で下して５度、宙に待った岡田監督。「アレのアレ」と言い表し、最後まで「日本一」という言葉は使わず</figcaption></figure>
<p>阪神が初戦を８-０で勝利すると次戦をオリックスが８-０で取り返し、以後ずっと同じ点差の応酬。59年前の「関西シリーズ」が19-19のタイスコアで最終戦に突入したように、６試合を終えた時点で総得点は23-23の五分。</p>
<p>まさにガップリ四つ。互いに一歩も譲らない日本シリーズを勝利に導いたのは「老将の愛」と「５人の猛虎戦士」だった。</p>
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<p>第７戦の先発はシーズン防御率4.57と調子が上がらず、二軍落ちも経験したポストシーズン初登板の阪神・青柳晃洋(こうよう)（29）に対し、オリックスは防御率2.27のＷＢＣ日本代表・宮城大弥(ひろや)（22）。</p>
<p>第２戦でタイガース打線を完璧に封じた宮城は、阪神ファン同様、スポーツ紙デスクも「38年ぶりの日本一に立ちはだかる大ボスに見えた」という。</p>
<p>ところがその宮城から、シーズン通して９本しかホームランを打っていないシェルドン・ノイジー（28）が、先制３ランをレフトに叩き込んだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「打率２割ソコソコに低迷していた今季前半戦、岡田彰布(あきのぶ)監督（65）は『凡退の仕方がいつも同じ』『ボール球ばかり振っとるから打てないんや』とボロクソに言っていました。それでも、岡田監督は辛抱強く使い続けた。誰よりノイジーの実力を認めていたからです。資料のビデオを見て即、『獲れ！』と指示したのは他ならぬ岡田さんなんですよ。守備固めを出されるのを嫌ったり、チームに溶け込もうと『日本では何をやるとウケるんだ？』と聞きまわったり、一生懸命な性格も監督好み。先制３ランの後、誰に教わったのかスタン・ハンセンの″ロングホーン″ポーズのパフォーマンスをやっていたらしく、記者にツッコまれていたそうです（笑）」（スポーツ紙デスク）</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="「愛」のある投手起用"></div>
<p>阪神ＯＢの伊藤隼太氏（34・愛媛マンダリンパイレーツコーチ）は、「岡田監督が注いだ愛情が大一番で花開いたのは、青柳も同じ」だと言う。</p>
<p><span class="strongInContent">「後輩にイジられても『オレ、先輩だぞ！』と笑顔で返せる優しい男なんですが、実は負けん気は人一倍強い。今回、登板前に監督室に呼ばれて『（開幕投手の）青柳で始まったシーズンを青柳で終われる。思いっきり楽しんで、イニングとか関係なしに投げてくれ』と激励され、意気に感じたんだと思います。それが大一番での快投に繋がった」</span></p>
<p>昨年まで一軍投手コーチを務めた金村曉氏（47）も岡田監督のシリーズでの投手起用に「愛」を感じた一人だ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「シリーズのポイントとなったと私が考えている第４戦、同点の８回表２死一・三塁での湯浅京己(あつき)（24）の投入もそう。守護神として期待されながら、不振と故障で６月以降、ずっと二軍暮らしだった湯浅を『シリーズでは投げさせへん』と岡田監督は明言していた。ところが絶体絶命の場面でコールされたのは湯浅の名前だった。球場のボルテージは最高潮に達し、彼はたった１球でピンチを切り抜けた」</span></p>
<p>９回裏、１死から近本光司（29）が四球で出塁すると、オリックスの中嶋聡監督（54）は２者連続で申告敬遠。塁を埋めて、シリーズで打率１割台と苦しむ４番・大山悠輔（28）との勝負を選んだ。</p>
<p>伊藤氏は「シリーズの行方を決める場面だった」と振り返る。</p>
<p><span class="strongInContent">「大山は口数が少なくて仏頂面というイメージがあると思いますけど、本当は明るくて面白いヤツなんです。ロッカーでは植田海（27）らにチョッカイをかけたりする。ただ、グラウンドでは喜怒哀楽を一切出さない。感情を表に出さず、歯を食いしばって緊張や重圧と戦ってこそ結果に繋がる――掛布雅之さん（68）や鳥谷敬(たかし)さん（42）ら諸先輩が言われたことを悠輔は愚直に実践しているんです」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="野球の神様がファウルにしてくれた"></div>
<h2>野球の神様がファウルにしてくれた</h2>
<p>その覚悟が伝わっているからこそ、「どれだけ打てなくても、岡田監督は大山を信じて、シーズン通して４番に据えた」と伊藤氏は見ている。</p>
<p><span class="strongInContent">「フルカウントになって、相手投手は真っすぐを投げるしかなくなっていたんですが、悠輔は２球、打ち損じた。重圧でガッチガチでしたね（笑）。ただ、一生懸命やっている人って、打ち損じてもアウトにならずファウルになるんです。野球の神様っているんですよ。ファウルを続けた後のサヨナラ打は……いろいろ思い出して、こみ上げるものがありました」</span></p>
<p>中嶋監督の満塁策がギャンブルなら、湯浅のぶっつけ起用もギャンブルだった。だが、岡田監督の采配には、筋が通っていたと金村氏は言う。</p>
<p><span class="strongInContent">「大事なのは、彼は三振を取れるということ。第５戦にも起用された湯浅はオリックス打線を三者凡退に抑えるのですが、三振を二つも取った。三振って次の回の自軍の攻撃にいい流れを呼び込むんです」</span></p>
<p>湯浅の好投の後、森下翔太（23）が逆転三塁打を放ったのは周知のとおりだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「シリーズ前半、森下はまったく打てず大ブレーキでした。エンドランすらできなかった。それでも、『アイツは怒られると打ちよる』なんて愛のあるイジりを入れながら、岡田監督は３番で使い続け、シリーズ後半の大爆発を呼びました」（前出のスポーツ紙デスク）</span></p>
<p>岡田監督の愛と、猛虎戦士がもたらした日本一だが、次が「38年後」ということはなさそうだ。金村氏が続ける。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「黄金時代」の幕開け"></div>
<p><span class="strongInContent">「近本、中野拓夢（27）、大山、木浪聖也（29）という安定した成績を残してくれる４人が１、２、４、８番にちりばめられている。切れ目のない打線になっているから、３番の森下、５番の佐藤輝明（24）が落ち着ける。課題の守備も中野と木浪の二遊間は今季、セ・リーグで最もダブルプレーを取っています。投手陣では村上頌樹（25）、大竹耕太郎（28）がブレイク。先発から中継ぎに回って、見事にハマった桐敷拓馬（24）は球種が豊富で、制球もいいから来季は先発で見てみたい。第７戦の最終回に岡田さんが彼を投げさせたのは、大舞台の雰囲気を味わわせて自信をつけ、成長に繋げるのが狙いでしょう。来季への布石ですよ」</span></p>
<p>名前が挙がった選手は全員、20代。「黄金時代」の幕がいま、開こうとしている。</p>
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<figure id="attachment_341957" aria-describedby="caption-attachment-341957" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7ee7913f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/a685f9d3cfebb3b21a6a45510fadffe5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341957" class="wp-caption-text">ノイジー（左端）の先制３ランが飛び出し、近本、中野、正捕手の坂本誠志郎（29）、青柳が歓喜のハイタッチ！</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341955" aria-describedby="caption-attachment-341955" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1c23cbbe"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/99f58a345c782b52a2508d3b6f453ffa.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341955" class="wp-caption-text">勝負強い打撃がシリーズ後半に炸裂！　森下は７打点を挙げ、原辰徳（65）らが持つルーキーの最多記録を更新</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341956" aria-describedby="caption-attachment-341956" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5d67b847"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/a330c98edb4c384df3a8c411a19f5410.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341956" class="wp-caption-text">昨季ホールド王の剛球がシリーズで復活。球場のムードを変え、勝利を呼び込んだ「湯浅の１球」がトレンド入り</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341953" aria-describedby="caption-attachment-341953" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="48632011"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/22efd56ed9d091e238237a6528557b25.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341953" class="wp-caption-text">フレッシュオールスターでの桐敷の好投を岡田監督が目にしたことで中継ぎエース『スペードのエース』が誕生</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341954" aria-describedby="caption-attachment-341954" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4e97f6d8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/8adf1f6c404383a6329466595a0a18dd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341954" class="wp-caption-text">第４戦９回裏１死満塁、打球が三遊間を抜けてサヨナラを確信した大山は自軍ベンチに向けて拳を突き出す</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年11月24日号より</p>
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時事通信社

阪神タイガースが38年ぶり、2回目の日本一に輝いた！常勝オリックスを破り、日本シリーズを勝利に導いたのは「老将の愛」と「５人の猛虎戦士」だった。そして「黄金時代」の幕がいま、開こうとしている…！

【緊急特別レポート】阪神タイガース　苦節38年で日本一へ！これから「黄金時代」の幕が開く

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