編集・ライター。’83年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。

釼持 陽子

<h3><span class="strongInContent">頭皮の水虫、アトピー性皮膚炎…抜け毛や薄毛につながることも</span></h3>
<p><span class="strongInContent">「フケが目に見えるほど大量に発生するのは、シャンプーや乾かし方などの間違った頭髪ケアが関係しています。中には病気に関係したフケがあり、抜け毛や薄毛につながることもあります」</span></p>
<p>と話すのは、Dクリニック東京の竹中洋史医師。</p>
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<p>髪をかきあげるだけでフケが落ちてきたり、濃い色のスーツを着ると肩にフケがパラパラと付着したりする人は要注意。たまたまではなく、それが毎日続いている場合は、早めに原因を見極めて頭髪ケアを見直す必要がある。</p>
<p><span class="strongInContent">「フケの正体は、頭皮の古い細胞がはがれ落ちた老廃物です。体でいうとアカのようなもの。私たちの皮膚は、一定のサイクルで新陳代謝を繰り返し、古い細胞は自然とはがれ落ちていきます。そのため頭皮が健康な状態であってもフケはありますが、細かすぎるため目には見えず、毎日のシャンプーで洗い流されています。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">しかしフケが大量に発生している人は、頭皮にトラブルが起こり、はがれ落ちる量が多くなったりフケそのものが目立ったりして、目で確認できるまでに増えているのです」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_342801" aria-describedby="caption-attachment-342801" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a56d3ce0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/2922ff224ee2c39300c15dbf1e14be67.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342801" class="wp-caption-text">フケが大量に発生していても、他人からはなかなか指摘しづらい。だからこそ、清潔感を保つには自分で髪や頭皮をセルフチェックすることが大切だ</figcaption></figure>
<p>不潔なイメージのあるフケは、人にマイナスの印象を与えてしまう。そもそもフケには「乾性フケ」と「脂性フケ」の二つのタイプがあり、それぞれの特徴を知ることが改善への第一歩になる。</p>
<p><span class="strongInContent">「一つ目の『乾性フケ』は、“カサカサ”と乾燥したフケが出るタイプ。洗いすぎや間違ったシャンプーのやり方を続けることで頭皮が乾燥し、フケが発生します。色は白っぽいのが特徴です。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">二つ目の『脂性フケ』は、脂っぽい“ベタベタ”のフケで、色は黄色っぽい。私たちの体には『マラセチア菌』という常在菌が存在しています。この菌は皮脂をエサにしているため、皮脂の多い頭皮や脇、おでこと鼻のTゾーン、そけい部などに多い。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">頭皮に皮脂が増えると、マラセチア菌が増殖して悪さをすることから、皮膚が荒れて脂っぽいフケがあらわれます」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p>二つのタイプの中には、頭髪ケアを見直すだけで改善するフケと、それ以外に病気によって発生するフケがある。後者は皮膚疾患のため治療が必要になる。</p>
<p><span class="strongInContent">「フケが関係する病気に、アトピー性皮膚炎や、マラセチア菌が原因の脂漏性皮膚炎（しろうせいひふえん）、赤い発疹と銀白色のフケができる尋常性乾癬（じんしょうせいかんせん）、頭皮の水虫などがあります。アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、水虫の症状として『乾性フケ』、脂漏性皮膚炎の症状として『脂性フケ』があらわれます」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="毎日一生懸命シャンプーしているのになぜ？"></div>
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<p>頭皮の水虫は「しらくも」と呼ばれ、原因となる白癬菌を殺す飲み薬で治療を行う。そのほかの皮膚疾患も、塗り薬や飲み薬の治療となる。多くの人が気になるのは、「病気によるフケなのか」ということだろう。<span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">「確認するポイントはフケ以外の症状です。フケのほかにかゆみや赤みがある場合は皮膚疾患が原因かもしれません。また、炎症が強いと髪の毛を軽く引っ張っただけでスルッと数本抜けてしまうことがあります。そのような症状があれば、皮膚科の受診をおすすめします。フケだけならば、病気の可能性は低いでしょう」</span></p>
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<h3><span class="strongInContent">毎日一生懸命シャンプーしているのになぜ？</span></h3>
<p>フケを引き起こす大きな原因となるのが、日々の頭髪ケアだ。多くの男性が“やってはいけない”方法を知らずに、自己流のケアを行っているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「フケで悩んでいる人の中に、『毎日一生懸命シャンプーしているのになぜ？』という人がいます。実は、洗いすぎも洗わなすぎもダメ。洗いすぎというのは回数ではなく、フケを落としたいと思ってゴシゴシと強く洗いすぎること。爪を立てて洗うと、頭皮が乾燥して『乾性フケ』につながります。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">反対に洗わなすぎても『脂性フケ』に。皮脂が出やすい男性は頭皮がべたつきやすく、清潔にしていないとマラセチア菌にとって快適な環境に。それ以外にも、使っているシャンプー剤、トリートメント剤が肌に合っていない、すすぎ残しなども頭皮環境を悪化させます」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_342802" aria-describedby="caption-attachment-342802" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3fc15906"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/c99b1913c1b82979941325016de29114.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342802" class="wp-caption-text">かゆみや赤みがあり、頭をかくとフケが落ちてくる人は、皮膚疾患が原因の可能性も。フケがあると「身なりを気にしない人」と思われ、イメージダウンにつながるかもしれない</figcaption></figure>
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<p>また、ついやってしまいがちなシャンプー後の自然乾燥や、乾かさないで寝るといったことも“NG習慣”の代表だ。「短いからいいや」「そのうち乾くから」と、お風呂上りにドライヤーを使わずに過ごしている人は今すぐやめたほうがいい。</p>
<p><span class="strongInContent">「頭皮や髪が湿った状態だと、菌が繁殖しやすくなります。するとニオイや頭皮のトラブルが起こりやすい環境になり、当然フケも起こりやすくなるのです。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">さらに、乱れた食生活や睡眠不足、ストレス、疲労などの一般的に“健康に良くない”とされている習慣も当てはまります。肥満になるため代謝が盛んになり、頭皮に皮脂が出やすくなるのです」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="“自己流”シャンプーではダメ…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">“自己流”ではダメ…フケを予防する正しいシャンプー＆ドライの方法</span></h3>
<p>フケを改善するには、健やかな頭皮をキープすることが欠かせない。そのためには、正しいシャンプー＆ドライを続けることが有効だ。竹中医師が推奨しているのは、頭皮マッサージを含めた“２度洗い”のシャンプーを１日１回行うこと。爪を立てずに優しく洗い、しっかりすすぐのがコツだ。</p>
<figure id="attachment_342803" aria-describedby="caption-attachment-342803" style="width: 1454px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="25065c9f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/f9f6fe08999337d276b969382a86d686.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342803" class="wp-caption-text">「正しいシャンプー」のやり方はこの４ステップ。髪の毛や頭皮のうえでゴシゴシと泡立てるのはNG。両手にシャンプー剤を広げてから、優しい力で洗うのがポイントだ</figcaption></figure>
<p>シャンプーが終わったら、できるだけ時間をおかずにドライヤーで乾燥を。頭皮を守るためにも長時間の“濡れたまま”は避けたい。</p>
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<p><span class="strongInContent">「シャンプーが終わったらタオルで髪の根元の水分をしっかり拭き取ります。ドライヤーの温風で全体を乾かして、最後に冷風で髪を引き締めると効果的です」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_342804" aria-describedby="caption-attachment-342804" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1d9ac7a6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/3a2bb94da62f713be08f8e81dfe9659c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342804" class="wp-caption-text">フケが気になる人は、「敏感肌用や赤ちゃん用などのアミノ酸系シャンプー、低刺激シャンプーが最適」と竹中医師</figcaption></figure>
<p>また、フケが出やすく悩んでいるなら、食事の見直しも大切だ。体が不健康ではいくら頭髪ケアをがんばっても健やかな頭皮環境は手に入りづらいだろう。</p>
<p><span class="strongInContent">「ベタベタタイプの『脂性フケ』にはビタミンB群の摂取をおすすめします。中でも、ビタミンB２とB６は皮脂の分泌を抑制。ビタミンB２は、豚や牛のレバー、焼きのり、干しシイタケ、ビタミンB６はニンニク、マグロ、かつおなどに多く含まれています。暴飲暴食にも注意して、野菜不足にも気を付けましょう」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>働き盛りの30～50代は男性ホルモンの分泌が多く、皮脂が出やすい。そのため顔を毎日確認するのと同じように、頭皮や髪の状態もチェックしてみてほしいと竹中医師は言う。</p>
<p><span class="strongInContent">「病気ではないけれどフケが気になるという人は、まずシャンプー＆ドライを丁寧にやってみてください。しばらく続けても改善されない、もしくはかゆみや赤みといった症状が出てきたら早めに皮膚科医に相談を。『体質だから仕方ない』とあきらめなくても、治療法はあります」</span></p>
<p>薄毛や抜け毛といった発毛トラブルにも関係しているフケ。清潔感のある印象や見た目年齢を若々しく保つためにも、“自己流”の頭髪ケアを今こそ見直すタイミングかもしれない。<span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">竹中 洋史（たけなか・ひろし）　</span>「Dクリニック東京」医師。日本皮膚科学会認定専門医、日本アレルギー学会会員。最新の発毛知識、皮膚疾患の知識をもとに診療にあたる。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患全般のほか、AGA、円形脱毛症など男性の頭髪トラブルにくわしい。</p>


編集・ライター。1983年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。

釼持陽子

髪をかきあげるだけでフケが落ちてきたり、濃い色のスーツを着ると肩にフケがパラパラと付着したりする人は要注意。たまたまではなく、それが毎日続いている場合は、原因を見極めて頭髪ケアを見直す必要がある。

スーツを着ると肩に白いパラパラが…「フケ」が大量発生する“やってはいけない”NG頭髪ケア

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