スポーツ紙記者として、音楽、映画、テレビなど芸能界を幅広く取材。現在はフリーライターとして執筆する

青山 太郎

<figure id="attachment_344161" aria-describedby="caption-attachment-344161" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="496c096d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/8c508a118feb153ab69e12e4e1342017.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-344161" class="wp-caption-text">&#8217;18年の記者発表会での出場者たち。旧ジャニーズ勢からはこの年『King&amp;Prince』が初出場した</figcaption></figure>
<p>新しい学校のリーダーズ、Ado、ano、伊藤蘭、MISAMO、大泉洋、キタニタツヤ、すとぷり、Stray Kids、SEVENTEEN、10-FEET、MAN WITH A MISSION、Mrs. GREEN APPLE。</p>
<p>先日発表された、第74回NHK紅白歌合戦（12月31日午後７時20分スタート）の初出場歌手だ。紅組5組、白組８組の計13組が初出場。旧ジャニーズ事務所の所属歌手が出場しないこともあり、一気に世代交代が進んだ。…と思いきや、平均年齢は逆にアップ。新陳代謝が進んだわけでもない。伊藤蘭と大泉洋を除けば、いわゆる世論調査での認知度は２～３割といったところだろう。</p>
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<p>それでも、同局幹部は会見ではいつもの言葉を口にする。出場歌手の選定について<span class="strongInContent">「今年の活躍と世論の支持、番組の企画、演出に合うかの3つです」</span>。旧ジャニーズ勢が出場しないことについては<span class="strongInContent">「NHKの全体方針に沿って進めた結果だ」</span>と強調し、<span class="strongInContent">「ジャニーズ枠などというものはない」</span>とまで言い切った。</p>
<p>３年前、旧ジャニーズ勢が白組出場歌手の３分の１を占め、「偏りすぎているのでは」との記者の質問に「今年の活躍…」との同じ文言で返答していた。スポーツ紙のNHK担当記者が語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「NHKの現場サイドは、スノストの２組は出場させるつもりでした。今年の活躍の点からみれば、彼らを落としたら、ほかの出場歌手はもっと活躍しているということになりますから。</span></p>
<p><span class="strongInContent">だから、そんな観測気球の記事も書かれていた。ところが、NHKの理事らは番組よりも、旧ジャニーズ勢を出場させることによる世論や政界からの批判を受けることへの、リスクヘッジを取ったのでしょう。事前に今年は無理だが、その分、来年は、といった話し合いはされているかとは思いますが」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p>懸念されるのは視聴率だ。いまどき、世帯視聴率がニュースになるのはスポーツの大イベントと紅白だけになったが、それでも、昔からの比較として、NHKは紅白の世帯視聴率を気にする。受信料の徴収に影響するからだ。</p>
<p>昨年の紅白の平均世帯視聴率は第1部が31.2％、第2部が35.3％（共に関東地区）。放送関係者の間でささやかれているのは、第２部の30％割れだ。HUT（総世帯視聴率）も下降しており、なかば、必然のことなのだが、20％台となれば、いわゆる、並の番組に見えてしまう。計測方法が違うとはいえ、昭和の時代には81.４％の記録があるだけに、番組存続の是非論まで飛び出すことになってしまうのだ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="紅白…ひいてはNHＫは必要なのか？"></div>
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<p>そんな議論の背景には、NHKと日本新聞協会との軋轢がある。新聞各社は紙の部数の低迷で経営はどこも苦しく、ネットニュースをめぐってはプラットフォームとバトルを繰り広げたうえに、NHKのネット進出に懸念を示す。総務省の放送担当の記者が解説する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「NHKはいわゆるサブスクです。衛星放送も含めれば月に約2000円。しかも、不払いだと裁判を起こされるという、半ば、強制的なシステムです。そんな売り上げをバックに、新聞と競合するネットニュースに進出されては、公平な競争ではないと新聞社は考えている。そして、月2000円は高いのではと。</span></p>
<p><span class="strongInContent">また、公共放送が歌謡番組を制作し続ける必然性はあるのか。松本潤を起用しても、10％割れする大河ドラマを、１話あたり7000～8000万円もの制作費を投入して作る必要があるのかという、公共放送の”そもそも論”を話し合う時期にきていると、新聞社側は考えているのです」</span></p>
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<p>昔から、NHKの経営幹部が紅白の数字を気にするのは、受信料を気持ちよく払ってもらいたいから。ところが、旧ジャニーズ事務所の性加害問題によって、紅白の出場歌手に、以前よりもスポットが当たってしまったことにNHKは頭を痛めている。ジャニーズのタレントらがいなくても、それに代わる、新しいコラボレーションを提示できれば、まだ可能性はある。昨年の紅白に出場した、桑田佳祐が率いる『時代遅れのRock&#8217;n Roll Band』のような企画をNHK側から提示できればいいのだが、NHKの音楽番組の担当者にそんな人脈や企画力があるとは、とても思えない。</p>
<p>旧ジャニーズ事務所の性加害問題が紅白の出場歌手をめぐり、公共放送の在り方の議論にまで、飛び火するのかどうか。NHK幹部は、視聴率と世論の動向を気にしている。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="目玉は司会のこの2人？ 橋本環奈＆浜辺美波画像"></div>
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<figure id="attachment_344166" aria-describedby="caption-attachment-344166" style="width: 3648px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bf97f73a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/9e703b7a33a1b0d1ae8e0ae5c7f67aad.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-344166" class="wp-caption-text">昨年に続いて2回目の司会となる橋本環奈。浜辺とは親友だという橋本は「みーちゃんと踊りたい」と紅白の舞台で一緒にダンスすることをオファーしていた（’23年2月）</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_344167" aria-describedby="caption-attachment-344167" style="width: 3648px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="512b6799"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/67fe84cdc01cb17c8b5b16f2123b5234.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-344167" class="wp-caption-text">初めての司会となる浜辺美波。橋本からのダンスのオファーには「ほんとにダンスが苦手なので応援に徹します」とコメントしていた（&#8217;23年9月）</figcaption></figure>
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青山太郎

中村和彦

旧ジャニーズ勢の出場者がゼロとなったことで、視聴率低下が必至とみられる今年のNHK紅白歌合戦。紅白が"普通の番組"となってしまうことである論議へと飛び火することをNHK幹部は危惧しているという。

「紅白視聴率30％割れ確実で思わぬ飛び火か！？」NHKが頭を悩ませる日本新聞協会との”軋轢”とは

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