鈴木奈穂子の産休、小川彩佳の移籍で始まる女子アナ椅子取りゲーム
桑子真帆、加藤綾子、雨宮塔子、水卜麻美…人気女子アナの明暗分かれる
2月下旬、渋谷の街を颯爽(さっそう)と歩く美女。マスクをしていても人目を引く美貌は隠しきれない。NHKの鈴木奈穂子(なおこ)アナウンサー(37)である。
この日、鈴木アナは友人二人と渋谷のビルの最上階にあるイタリアンレストランで、「ランチ女子会」を開いていた。少し遅れて店に到着した彼女は、1時間ほどガールズトークを楽しむと、次は一人だけ先に退店し、職場であるNHKの方向に早足で歩き去っていった。
鈴木アナは’18年10月、自身がメインキャスター(MC)を務める報道番組『ニュース7』を2週間ほど休養した。当時は体調不良かと心配されたが、その後、彼女が妊娠していたことが発覚した。
「実は、鈴木アナは5月に出産予定なんです。いまはだいぶお腹も大きくなっているのですが、彼女は『3月末までは仕事を続ける』と意気込んでいます。というのも、彼女は昨年10月に突然番組を休んだことを気にしているのです。先日も、『番組に穴を空けて申しわけなかった。その分、出産直前まで頑張ります』と言っていたんですよ」(鈴木アナの知人)
出産直前まで仕事に励む鈴木アナを、NHKも全面的にバックアップしている。
「よく、女性が産休・育休明けに職場に戻ったら、以前のポストから外されていた――なんて話を聞きますが、鈴木アナに限ってそれは絶対にありえません。NHK上層部は、機転が利き原稿も読める彼女を重宝しており、『出産後も安心して戻ってくるように』と彼女に繰り返し言い聞かせているんです」(NHK社員)
「NHKのエース」を狙え
なぜ、NHKは局を挙げてまで鈴木アナを支援しているのか。実は現在、女子アナ業界全体が、深刻な人材不足に陥っているのだ。
「数多(あまた)いる女子アナの中でも、鈴木アナのようにしっかりニュースが読めて、かつ情報番組や報道番組のMCを任せられる女子アナは少ない。鈴木アナ本人は、『NHKを退職する気はまったくない』と断言していますが、NHK側は産休・育休明けの彼女を他局に引き抜かれることを恐れ、彼女を特別待遇でガードしているんですよ」(別のNHK社員)
鈴木アナに次いでNHKが囲い込みを始めているのが、’18年の『NHK紅白歌合戦』で司会を務めた、桑子真帆アナ(31)だ。
「桑子アナも、番組を仕切る能力を持った、NHKのエース格です。昨年の平昌五輪では、『開会式』を『閉会式』と言い間違えるミスはあったものの、それでも彼女の視聴者人気はNHKトップクラス。ここ1~2ヵ月、フリー転向も囁(ささや)かれていましたが、実際に他局や各芸能事務所は、彼女の獲得を虎視眈々(こしたんたん)と狙っています。NHKとしては、彼女の独立は絶対に食い止めたいところです」(同前)
鈴木アナ、桑子アナのみならず、いま各局で、限られた女子アナ枠をめぐる「椅子取りゲーム」が繰り広げられている。
局アナの不満は溜まっている
女子アナのMC争奪戦――その開始のホイッスルを鳴らしたのは、テレビ朝日の小川彩佳アナ(34)だ。
正式発表前だが、小川アナはTBSの夜の報道番組『NEWS23』のメインキャスター就任が決まっている。
「小川アナが独立した理由の一つは、『報道ステーション』でともにMCを務めていた富川悠太アナ(42)からのハラスメント。富川アナは、小川アナの二の腕をつまんで『プニプニだね』と言ったそうです。富川アナは親しみを込めてやったのかもしれませんが、小川アナにとっては耐え難いセクハラ行為と感じたようです」(テレ朝社員)
「会社は守ってくれなかった」という思いも小川アナの独立の一因だ。一方、現在『NEWS23』のメインキャスターを務める雨宮塔子アナ(48)や、番組MCの座の「椅子取りゲーム」に負けたTBSの女子アナたちは、小川アナのMC就任を快く思っていないという。
「小川アナに押し出される形で、雨宮アナはお役御免になる。これはほかの女子アナにとっても面白くない。TBSは自社のアナウンサーより、フリーの人気アナを起用する傾向が強い。そのため、TBSアナウンサーはいくら頑張ってもメインになれず、あげくの果てにワイドショーでコスプレをさせられたり……。『こんな待遇ならフリーになる』と思われても仕方ありません」(TBS社員)
独立した女子アナが古巣のMCに返り咲くケースもある。”カトパン”こと加藤綾子アナ(33)が、4月からフジテレビで放映開始の夕方の報道番組『Live News it!』に起用されたのだ。
「夕方の報道番組で、フジは日テレの視聴率に倍近くの差を付けられている。視聴率向上を狙って加藤アナを起用したのでしょうが、平日夕方の視聴者は主婦層の女性が多く、彼女の主なファンであるサラリーマン世代の男性ではない。バラエティ畑の加藤アナがニュースも読めるところを見せ、女性視聴者を味方に付けられるかどうかが勝負の分かれ目です」(芸能ジャーナリスト・佐々木博之氏)
日本テレビの『news zero』のMCは、’18年10月以降、有働由美子アナ(49)が務めている。実は、これが日テレにとって大きな転機となっていた。
「日テレは自社アナを大切にする会社でしたが、有働アナの起用を機に変わってきた。彼女にメインの座を奪われた日テレの女子アナからは、『フリーばかり重用して』と不満の声が上がっています。いまの日テレが大事にしている自社アナは、水卜麻美(みうらあさみ)アナ(31)ただ一人。’17年秋に彼女が『ヒルナンデス!』を卒業した際は、番組が前代未聞の大々的なお別れ会を開催しましたし、現在は、東京五輪報道のメイン司会の座をエサに、彼女の退社を食い止めています」(日テレ社員)
視聴率獲得のためなら何でもアリの現在のテレビ業界だから、さらなる大物の独立や移籍もあるかもしれない。






写真:結束武郎(1枚目写真)、西圭介(2枚目・7枚目)、川上孝夫(3~4枚目)、大野和基(5枚目)、前田芙沙(6枚目)