<figure id="attachment_345037" aria-describedby="caption-attachment-345037" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4354c642"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/083ee35d2c1bcfdd33fe4b28ed7ce040.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-345037" class="wp-caption-text">神田さんが描いたイラスト</figcaption></figure>
<p>この秋、２回グランピングに行った。大自然の中で、ホテル並みの豪華で快適なサービスを受けながら過ごすキャンプ。コロナ禍に中学高校時代の仲良し女子グループで初体験し、全員虜(とりこ)に。今では毎年秋の恒例行事になった。</p>
<p>１ヵ所目は、グランピング未経験の夫に魅力を伝えるべく、十国峠にある、夫が大好きなサウナ付きのテントを予約した。「専用サウナ!?　スゲー！」とノリノリで、チェックインするなりサウナに直行。蒸し暑いのが苦手な私は、夫からのサウナへの誘いを何度も断ってきたが、今回も誘ってくると予想。案の定「愛花も入ろうよ！」と計３回誘われ、（はい、予想どーり）。「出た時に焚き火ができるように、準備しておくよ！」と用意していた答えを繰り返し、事なきを得た。</p>
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<p>山の稜線上にあるこのテントは、滞在中風が強くとても揺れた。寝ている間も常に震度２くらいの揺れが続いている感じで、夫は夜中に私が起きてベッドの上で動いていると勘違い。「愛花？　起きてるの？」と何度も目を覚まし聞いてきた。帰りも車を運転する夫はこの環境をどう感じるだろう。万が一「グランピングはもういいや」なんて言い出さないよう、夫よりも１時間早く起き、サウナと水風呂を改めて準備。朝霧の隙間から現れる富士山と駿河湾を眺めながらサウナに入れば、確実にグランピングを好きになってくれると予想したのだ。案の定目をキラキラさせながら楽しむ夫。「楽しかったー！　また行こうね！」と言い放ち、（ＯＫ！　予想どーり!!）。無事に夫とのグランピングを終えた。</p>
<p>そしてもう１ヵ所は、例の女子グループで河口湖へ。ここにも専用サウナがあった。友達からの「入ろうよ！」のお誘いには、不思議と（楽しそうだなぁ）と思ってしまう。サウナの中でのお喋りを楽しみ、誰もいない共用の巨大プールを水風呂代わりに「ギャーーッ！」「冷たいー！」と騒ぎながら入るのが面白く、３セットできた。</p>
<p>そして夜、焚き火＆ソファの共用エリアでお酒を飲んでいると、４人組の若い男の子たちが、少し離れたソファで談笑を始めた。私たちは「彼らが何者か？」を予想することにした。まず、全員黒髪で耳が出る髪型なことから社会人と予想。若そうなので、１年目かな。この施設に泊まるならそれなりのお給料が必要なので、おそらく高学歴。彼らの振る舞いには、私の過去のデータから予想するに、慶應大学特有の一歩引いて周りを見ようとする雰囲気があった。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="オバさんがズバリ聞くわよ！"></div>
<h2>オバさんがズバリ聞くわよ！</h2>
<p>と、そのタイミングで大きなヒントになる会話が。「もし子どもを慶應の幼稚舎に入れるなら、800万円ぐらいかかるんでしょ？」と。（おぉ!!　慶應というワードが！）。私の過去の経験データでは、幼稚舎に通っていた人で学費を気にしていた人を見たことがない。なので&#8221;大学受験で慶應に入った社会人１年目の４人組&#8221;と、予想した。</p>
<p>この手の予想には自信がある。数々の合コンで当ててきたからだ。きっとこの嗅覚は衰(おとろ)えていないはず。（答え合わせするぞ！）。</p>
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<p>立派なオバさんになった私は大抵のことは恥ずかしくない。彼らに近づき、唐突に「ねぇ君たち！　答え合わせさせて！」と声をかけてみた。もちろん彼らはビックリしていたが、「私たちは君たちが″何者か″を予想したの！」と続けると「え？」と少し興味を示した。「君たち……大学から慶應に入って卒業した社会人１年目でしょ！」と、こちらの予想を堂々と披露。すると答えは「違います。明治大学を卒業した社会人４年目です」と。（え!?　嘘だ！）。予想がハズレたことに面くらい「なんだ明治かぁ！」と声が出た。すると「ガッカリしないでくださいよ！　お姉さんたちは社会人何年目ですか？」と聞き返してきた。お姉さんたちは自分たちのことを話す気はさらさらない。答え合わせができれば君たちに用はないのだ。「私たちはもう40代だから！」とバスッと切り上げ、彼らの乾いた「ハハハッ」という笑い声を背に、自分たちのテントに戻った。</p>
<p>嗅覚が衰えた。（もうブイブイいわせていた時代は終わった）と実感した。夫に対しては予想通りだったのに、他の男性にはこんな簡単な予想も当たらなくなったなんて……。夫が可愛らしく感じ、夫が待つ家に大人しく帰ろうと思った。</p>
<figure id="attachment_345036" aria-describedby="caption-attachment-345036" style="width: 3004px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-345036 size-full" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/695002d97b11ca3cd791054813aeec37.jpg" alt="" width="3004" height="3734" data-expapp-media-credit="PHOTO：下村一喜"><figcaption id="caption-attachment-345036" class="wp-caption-text">©下村一喜</figcaption></figure>
<figure></figure>
<p>かんだ・あいか／1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』（フジテレビ系）にメインMCとしてレギュラー出演中</p>
<p>『FRIDAY』2023年12月8・15日号より</p>
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神田愛花

毎年恒例となった"グランピング"に、今年は2回いったという神田愛花。1カ所目は、グランピング未体験の夫と十国峠へ。2カ所目は女子グループと河口湖へ行くと、若い男たちが近くに…

フリーアナウンサー・神田愛花「敗北の夜」

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