取り締まり強化とは別の狙いが…警察庁長官の歌舞伎町視察に隠された驚きの意図
「徹底的に、あらゆる法令を駆使して取り締まりをしていく」
27日夜、新宿区・歌舞伎町の視察を終えた警察庁の露木康浩長官(60)は報道陣にこう語った。ホストクラブの「売掛金」を巡る事件が頻発するなか、ついに警察のトップが動いたのだ。
「夜6時半ごろに歌舞伎町交番前を出発した露木長官は、ホストクラブが集中する歌舞伎町の一帯を30分ほどかけて視察しながら、最近確認された悪質な営業の事例の説明を受けていました。視察を終えた露木長官は、『悪質ホストクラブの問題は極めて深刻だと認識している。卑劣な営業手法に対しては徹底的に、あらゆる法令を駆使して取り締まりをしていく』と報道陣に語っています」(全国紙社会部記者)
警察庁の長官が歌舞伎町を視察するのは、’05年以来18年ぶり。悪質ホストの摘発に警察は本腰を入れるとみられるが、この異例の視察には別の意図があると犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が予測する。
「今回の視察には、パフォーマンスの意味があると思います。露木長官は今年7月、木原誠二自民党幹事長代理(53)の妻の元夫が死亡した事案について、事件性は認められないと述べて批判を浴びた。さらに11月には、中国四国管区警察局の岩本幸一警視正(58)が不同意性交と強要の疑いで逮捕される不祥事もあった。ホストを分かりやすい悪者に設定した歌舞伎町の視察は、露木長官自身と警察のイメージアップの狙いがあったのではないでしょうか」
小川氏が国民へのアピールだと語る露木長官の歌舞伎町視察。今回の視察が捜査に与える影響について尋ねると、小川氏はこう続けた。
「自分たちのトップが動いた以上、警察は何もしないわけにはいきません。近いうちに、いくつかのホストクラブが槍玉に挙げられて、立ち入り調査されるでしょう。長官の視察は、現場の人間にとっては『摘発せよ』というプレッシャーにもなりますから」
歌舞伎町が浄化される日は来るのか。“徹底的な取り締まり”に期待したい。
- PHOTO:蓮尾真司