<h3><span class="strongInContent">「閉店」が相次ぐ…過去２番目の高水準</span></h3>
<p>街角から「お好み焼き」や「たこ焼き」、「焼きそば」のお店が消えつつある。背景には時代を映した事情がある。愛好者は冷凍食品を買って自宅で食べる方法もあるが、気軽に立ち寄ることができたお店だけに、庶民には寂しくなる。</p>
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<p>元『雨上がり決死隊』の宮迫博之が今年４月に自身のYouTubeで、東京・五反田駅近くのたこ焼き店「みやたこです。」を４月末で閉店すると報告した。</p>
<p><span class="strongInContent">「ちょうど８年になるんですけど、五反田のみやたこがですね、今月末をもちまして閉店いたします」</span></p>
<p>宮迫はさらに閉店の理由を次のように説明した。</p>
<p><span class="strongInContent">「コロナの影響というのが大きくて、コロナ明けでお客さんの流れというのが全然戻ってこなくて、赤字が続いているのもありますし、長く働いてくれていた２人のバイトの子が諸事情で辞めることになってしまいまして、店長さん１人ではどうしても回していけない」</span></p>
<p>この五反田のたこ焼き店は、宮迫の大阪の実家が経営するたこ焼き店からのれん分けする形で、’15年４月に開店したとされる。</p>
<p>宮迫のこのサイトには「残念でさみしい」などと、ファンから閉店を惜しむ書き込みコメントがある。</p>
<figure id="attachment_346378" aria-describedby="caption-attachment-346378" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="754d5299"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/16e268137309262470db38e4ee1a3c51.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346378" class="wp-caption-text">YouTubeの再生回数が激減して正念場を迎えている元『雨上がり決死隊』でユーチューバーの宮迫博之（PHOTO：坂口靖子）</figcaption></figure>
<p>お好み焼きやたこ焼きなどは「粉もん」と呼ばれ、大阪など近畿地方を中心に人気が高い食べ物で、提供するお店も多い。</p>
<p>最近も大阪市淀川区にあり、阪急電車十三駅近くのたこ焼き店「ひょうたん」が11月28日で営業を終了した。10個400円と庶民的なお店で、地元で人気があったという。お店のＸ（旧Twitter）に営業終了の決定が掲載されると、お客さんとみられる人たちから「さみしい」などの書き込みがされている。</p>
<p>大阪市住吉区にあり、南海電鉄高野線・住吉東駅から徒歩数分のお好み焼き店「きよみ」は９月30日で営業を終えた。地元のお客さんのみならず、全国から粉もん愛好者が訪れていたとされる。</p>
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<p>粉もんを提供するお店は庶民的なつくりで、気軽に入って、お店で食べることができるほか、焼きたての熱々を持ち帰って食べることもできる。お店の動向についての詳しい統計はないが、こうした慣れ親しんだお店がなくなっていくのは、粉もん愛好者にとってさみしい限りだ。</p>
<p>お好み焼き、たこ焼き、焼きそばのお店は自主的な閉店だけでない。小規模店を運営する会社の倒産が、今年度上半期（４～９月）に急増し、過去２番目という高水準の倒産件数になったと、民間調査会社の東京商工リサーチの調べでわかった。それによると、今年度上半期のお好み焼き、たこ焼き、焼きそば店の倒産件数は12件で、前年同比に比べ６倍に増えた。これは上半期として’10年と’14年に並ぶ件数で、’15年の13件に次ぐ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="コスト上昇、跡継ぎ問題、人手不足…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">継承が難しい地元の「馴染みの味」…コスト上昇、跡継ぎ問題、人手不足に耐え切れず</span></h3>
<p>これらの倒産はすべて、資本金1000万円未満、従業員５人未満と小ぶりな規模で、「粉もん」と呼ばれるお店が苦戦している実態が浮かび上がってくるという。</p>
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<p>商工リサーチ情報部の担当者は<span class="strongInContent">「販売に苦戦して赤字が続いていたところに、コスト上昇を抑えることが難しくなって倒産するケースが増えています」</span>と話す。さらに、こうも解説する。</p>
<figure id="attachment_346379" aria-describedby="caption-attachment-346379" style="width: 5140px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="02563a71"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/2080a895831d50e3ddaae5fd4184aca0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346379" class="wp-caption-text">粉もん店が倒産すると「１店舗だけで終わることが多く、他社が買い取るなど譲渡されるケースが少ないのも特徴です」と専門家（PHOTO：アフロ）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「粉もんのお店は近畿地区に多くあり、倒産件数も多いのですが、今年度上半期の倒産は関東で増えています。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">同じく小麦を食材に使うラーメン店などもコスト増の影響を受けるなど、飲食店の倒産はかなり増えています。食材や光熱費などのコスト上昇に、コロナ禍からの人手不足で、お客さんが回復してもスタッフが集まらないこともあります。人手不足や人件費上昇もかなり影響しています」</span></p>
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<p>商工リサーチは倒産の原因について、小麦や卵など食材の値上がり、光熱費などのコスト上昇、アルバイトなどスタッフの人手不足に加え、人件費の上昇などを挙げる。一方、今年度上半期の倒産の特徴としては、12件のうち関東が７件と６割近くを占めている。商工リサーチは<span class="strongInContent">「コロナ禍で様子が変わったのか、関東が５年ぶりに近畿を上回った」</span>と分析している。</p>
<p>粉もん店が倒産すると<span class="strongInContent">「１店舗だけで終わることが多く、他社が買い取るなど譲渡されるケースが少ないのも特徴です」</span>（商工リサーチの担当者）。閉店がすなわち、地元で馴染みのあった粉もんの味が承継されなくなることを意味する。</p>
<p>飲食業界はコロナ支援も終わり、経営環境が厳しくなっている。<span class="strongInContent">「持ち帰りや宅配など飲食の全業種で倒産が増えており、淘汰が進んでいます。食材・食品をスーパーで買うなど、節約志向では」</span>と商工リサーチの担当者はみている。</p>
<p>冷凍食品でも、粉もんには違いないが、街角のお店で熱々を食べるのとは、味も気分もまったく違う。街角の粉もん店は、外食店のなかでも庶民的で、低料金で気軽に利用できただけに、愛好者にはさみしい時代となってきた。</p>


浅井秀樹

街角から「お好み焼き」や「たこ焼き」、「焼きそば」のお店が消えつつある。背景には時代を映した事情がある。敷居が低くて気軽に立ち寄ることができたお店だけに、庶民にはさみしくなる。

宮迫博之の”実家の味”も…お好み焼き、たこ焼き、焼きそば「粉もん店」がいま次々と倒産しているワケ

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