3度値上げも客数増で21ヵ月連続最高売上…餃子の王将「流行に反する調理法」で競合他社に大差のワケ | FRIDAYデジタル

3度値上げも客数増で21ヵ月連続最高売上…餃子の王将「流行に反する調理法」で競合他社に大差のワケ

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コロナ禍でも堅調だった餃子の王将。値上げしても客足が伸びている
コロナ禍でも堅調だった餃子の王将。値上げしても客足が伸びている

営業利益は前年同期比30%以上増の約50億円、’22年2月から21ヵ月連続で月の売上過去最高を更新――。

中華料理チェーン店・餃子の王将が絶好調だ。同チェーンを展開する王将フードサービスの渡辺直人社長は、10月31日に’23年9月中間決済を発表。売上高が前年同期比10.2%増の497億円を記録するなど順調な伸びを見せている。好調の要因はなんなのか。以下は経済ジャーナリスト松崎隆司氏の分析だ。

「原材料費などの高騰で昨年から3度の値上げをしたにもかかわらず、業績を伸ばしています。西日本の一部の店舗で瓶ビールが100円以上、関東でも豚カルビ炒飯が50円ほど値上がりしていますが、客数は毎月前年比100%以上の増加を示しているんです。

餃子の王将は、他の中華料理チェーン店が大打撃を受けたコロナ禍でも業績が悪くなかった。当時は『巣籠需要』でテイクアウトが主流でしたが、他社のメイン商品であるラーメンは持ち帰ると伸びて味が落ちるイメージがあり業績を支える要因になりませんでした。しかし餃子の王将は店名通り餃子を核にしているため、テイクアウトでも美味しく食べられそうだと客の印象が良く一定の需要があったんです」

「王将調理道場」

コロナ禍が収まっても、餃子の王将が成長を続ける背景には「反流行路線がある」と松崎氏は続ける。

「外食チェーン店の主流は、食材などを一括して本部から送るセントラルキッチン方式です。しかし餃子の王将は、流行に反し各店舗での調理にこだわり他社と差別化を図っています。さらに『王将調理道場』などのシステムを作りスタッフの質の向上に努めている。

一方で餃子の皮を包むのは工場で請け負うなど、合理化にも取り組んでいます。各店舗が料理に集中し味を良くしようと努力し、味が画一的でないことが多くの客から支持されている理由でしょう」

コロナ禍で大打撃を受けた他社も黙ってはいない。

「駅前や繁華街に多くの店舗を持つ日高屋は、インバウンド需要などでV字回復しています。メニューのタッチパネル化や配膳ロボットの導入など、徹底的な合理化も業績が持ち直した一因です。大阪王将は出店地に馴染んだ外観やメニューを考案し、地域密着型を目指している。餃子の王将のメインが『焼き餃子』なのに対し、大阪王将は『水餃子』がウケています」

コロナ禍から好調を維持し、一人勝ちの様相を呈していた餃子の王将。しかしビジネスの世界は甘くない。他社も急激に態勢を立て直し「中華外食産業」は戦国時代を迎えようとしている。

  • PHOTO西村尚己/アフロ

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