ついにあの子が結婚!?『東京タラレバ娘』復活の舞台裏・前編 | FRIDAYデジタル

ついにあの子が結婚!?『東京タラレバ娘』復活の舞台裏・前編

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もっときれいになっ「たら」、きっといい男が現れるはず。あのとき彼と結婚してい「れば」、今頃はきっと幸せになれていたのにーー。希望と後悔を積み重ねながら、現代をタフに生きるアラサー女子の生態を赤裸々に描いて累計500万部の大ヒットを飛ばした人気コミック『東京タラレバ娘』

惜しまれつつの完結から、はや2年。この春、ファンにビッグニュースがもたらされることに。あのタラレバワールドに、何と新たな展開が? 連載・単行本の担当編集者が、生みの親である漫画家・東村アキコ氏のコメントを交えつつ、その真相を明かす。

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『タラレバ娘』がついに結婚⁉︎

昔告白された男にときめいたり、年下のイケメンに心揺さぶられたりと、アラサーになってもヒロイン願望を捨てられないシナリオライターの倫子。父と居酒屋を切り盛りする日々、客として訪れた妻帯者と不倫関係になる小雪。ネイルサロンを営むは、人気ミュージシャンとなった元カレへの未練を振り切れず……。

『東京タラレバ娘』(以下『タラレバ』)は、恋も仕事も正念場を迎えた33歳、3人の女性たちの物語。東京オリンピックの頃までには結婚している! という希望的観測のもと始まった人生模様は、右往左往の波乱万丈。連載中から「倫子(香、小雪)は私だ!」「痛すぎて読めない」と絶賛、共感、反発もろもろ含め大反響が湧き上がった。

2017年1月からは、吉高由里子、大島優子、榮倉奈々が3人娘に扮しドラマ化。その反響もあって読者を獲得し続け、既刊単行本は累計500万部を突破。そしてこのたび、3月13日に刊行された『東京タラレバ娘 リターンズ』(以下『リターンズ』)は、高まる読者の声を受けて企画され、昨年末、月刊『Kiss』誌上で連載された番外編である。

「続きを望む声は、たくさんの読者の方から寄せられていました。その中でも具体的な希望として多かったのが、『3人のうちの誰かを結婚させてほしい!』というもの。読者の方たちからすると、倫子たちはもはや旧知の友人のような存在になっていたみたいですね」

そう語るのは、『リターンズ』から作者・東村アキコ氏の担当を務めている『Kiss』担当編集の徳留幸輝氏。実はこの作品、3人娘のひとり・香の突然の結婚宣言から幕を開けるのだ。

「東村さんもおっしゃっていたんですが、倫子、小雪、香の3人なら、もっともすんなり結婚できそうな素直なキャラはやっぱり香かな、と(笑)。作品に描かれた、香が結婚に至る理由は、きっと同年代の女性が読んだら『ああ……』と共感していただけるんじゃないかと思います」

迷っても、自分の道を生きる

3人娘はもちろんのこと、倫子たちを「タラレバ女」と命名し何かにつけ倫子を挑発した人気モデルのKEY、小雪の不倫相手のサラリーマン・丸井、香の元カレの涼と、いわくつきの男性3人も揃って登場。彼らとの再会が3人娘の心に再び波風を立てる……かどうかは読んでのお楽しみだが、ある意味、この「波風」が本作を読む醍醐味であると、連載開始時から完結までを担当した編集者・助宗佑美氏は言う。

「読者の間でも、生きづらそうなアラサーに対して40代の女性から『もっと自由でもいいんじゃない?』という声が寄せられたり、ドラマで作品を知った男性が『女の人って、こんなふうに大変なんだな』と共感してくださったり……。『どうして結婚にそんなにこだわるの?』という意見も連載中からよく寄せられていましたが、議論が膨らんだことが、ある意味この作品を発表した意義にもなったと思います。読む方それぞれに結婚に対する考えがあるからこそ、倫子たちの行動に反発したり、同調したりする。作品を読んで何をいいと思うか、または痛いと感じるかを、自分を省みるきっかけにしていただければというのは、編集者としてずっと思ってきたことです」

思えば、結婚は人生に山ほどあるハードルのひとつ。だから、「別に『絶対に結婚しなくちゃいけない』という物語でもないし、時間は一方通行の中、ひとりひとりがどう生きていくか……とくに『リターンズ』には、そのメッセージが顕著に表れていると思います」と、引き継いだ徳留氏は言う。作者の東村氏は、2年ぶりに倫子を描いた実感を「思ったよりしっとりしていて、前よりモテそう」と語ったとか。その進化の行き着く先を、ぜひ『リターンズ』のページを繰って確認してほしい。

あの伝説の恋愛相談も、同時単行本化!

さらに、『リターンズ』と同時刊行されたのが、『タラレバ娘』巻末で人気を博したおまけマンガ『タラレBar』の単行本。本編ではおもに酔った倫子の脳内で活躍するタラ(タラの白子からイメージされたキャラクター)とレバ(同・レバ刺し)が、読者から寄せられた恋愛の悩みに毒舌まじりの痛快回答を繰り広げる人生相談コミックである。

「東村さんが『タラレバを描きはじめてから、周囲からすごく恋愛相談をされるようになった』とおっしゃっていたんですが、相談の手紙が編集部にも続々届きはじめていて……。メールだと際限なく届くだろうと予想して、私の判断で手紙のみの受け付けにしたんですが、切手を貼るハードルを設けてもなお、猛者は続々と現れ続けましたね(笑)」(助宗氏)

片思いの相手に彼女ができたが、どうしても諦められない。以前付き合っていた男性と再会し、不倫関係に。生まれつき惚れっぽくなく、恋ができない……。連載が進むにつれ、相談おたよりは進化、多様化。相手と自分の歴史を図や年表(!)にしたものなど、厚く重く濃い相談は引きも切らず、ついには連載終了後も『Kiss』誌上で1年強にわたって単独掲載されることになったという伝説の巻末マンガだが、その理由は、作者と読者という関係だからこその真剣勝負にあったと、徳留氏は考察する。

「友だちだと、その人や背景を知っているぶん、かえって本音で答えることができないかもしれない。でも、離れた間柄で、かつ作品を読んでつながっているからこそのなせる技、といいますか……。もちろん、バッサリ斬るところは斬りますから、『傷をさらにえぐられる可能性があります』と注意書きをつけていたんですけれども…(笑)」

《スマホぶっ壊して他社に機種変 それ一択》
《自分のゾーンのレベルを上げないといつまでもクズモンスターに遊ばれる》
《とにかく身ぎれいにしておく それでも立ち直れなかったら熟女バーでバイトしてモテモテになれ》

ビシバシ刺さる締めの格言のオンパレードだが、単行本化にあたってさらに巻末に、『タラレバ娘』のモデルになったとも言えるアシさんの悩みも含む東村プロアシスタント編も描きおろされた。1冊を通して、どの悩みも実に“痛”気持ちいい!

「実は私も、『タラレバの担当なんだって?』と社内で呼び止められて、相談を持ちかけられたりしてたんですよね」(助宗氏)
「僕もです! 周りの人から『相談したいことがある』って(笑)。読者の方の似たような悩みもきっと収録されている1冊です」(徳留氏)

読めば、あなたもタラとレバに斬られたくなるかも?

そして、ビッグニュースは、実はこれだけでは終わらない。平成が終わり、新元号が判明する直前に、もうひとつビッグなお知らせがファンの前に届けられるのだ。その内容とは? 次回、後編(3/25配信予定)を震えてお待ちいただきたい。

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  • 取材・文大谷直子

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