<h3><span class="strongInContent">今年も世界で最も“星が多い都市”となった「東京」</span></h3>
<p>レストラン関係者にとって最大の関心事は、ミシュランガイドの発表だ。’23年12月５日に<span class="strongInContent">『ミシュランガイド東京2024』</span>の発表会が国立新美術館で行われた。</p>
<p>今年から、星やビブグルマンといった評価のつかないセレクテッドレストラン194軒が新たに加わったので、掲載軒数は全部で504軒（新規168軒）と過去最多。東京の星つきレストランは183軒となり、今年も世界で最も星が多い都市となった。三つ星の12軒、二つ星の33軒、一つ星の138軒も、それぞれ軒数が世界最多となっている。</p>
<p>日本の首都である東京が世界ナンバーワンの美食都市になっているのは喜ばしい。ただ、“ミシュランガイド”と聞いただけで、ハードルが高く感じられたり、高価であると思ったりして、最初から敬遠する人もいるだろう。しかし、ミシュランガイドに掲載されているレストランの中には、“お値打ち”なレストランも存在しているのだ。</p>
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<figure id="attachment_349579" aria-describedby="caption-attachment-349579" style="width: 4500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="22d18c3c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/d983116635859716ba90de4c128fc033.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349579" class="wp-caption-text">国立新美術館で発表会が行われた『ミシュランガイド東京2024』。掲載軒数は全部で504軒（新規168軒）と過去最多。東京の星つきレストランは183軒となり、今年も世界で最も星が多い都市となった</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">「価格以上の満足感が得られる料理」…ビブグルマンのレストラン</span></h3>
<p>それは、「ビブグルマンのレストラン」である。ビブグルマンは「価格以上の満足感が得られる料理」と定義されている。2020年度版までは5000円以下、2022年版までは6000円以下となっていたが、2023年版からは値段について言及されなくなった。近年になってラーメンやおにぎり、お好み焼き、カレー、居酒屋などのカジュアルラインが、ミシュランガイドの「料理カテゴリー」に加わっているが、そのほぼ全てがビブグルマンだ。</p>
<p>ミシュランガイドには予算の表記があり、日本版では「￥」の数で表現。「￥」が「予算内で」として5000円以下、「￥￥」が「適度な価格」として5000円から10000円、「￥￥￥」が「特別な日」として10000円から30000円、「￥￥￥￥」が「出費を惜しまない」として30000円以上と表記されている。</p>
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<p>『ミシュランガイド東京2024』で、ビブグルマンとして掲載されているレストランは「￥」もしくは「￥￥」。つまり、10000円までを目安としたレストランがピックアップされている。逆に、セレクテッドレストランは「￥￥」から「￥￥￥￥」となっており、最低でも5000円以上。30000円以上もあるということで、高い値段のレストランも少なくない。</p>
<p>ビブグルマンとセレクテッドレストランを比較した場合、前者は“評価あり”で後者は“評価なし”だが、前者の方が値段は安い。ビブグルマンは星つきレストランよりも落ちるが通いやすく、セレクテッドレストランよりも値段が安い上に評価されているのだ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="グルメジャーナリスト「推し」の６店とは…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">「ビブグルマン」フレンチの常連店は、約10品「おまかせコース」が6600円！</span></h3>
<p>このビブグルマンの中から、いくつかのレストランをピックアップしたい。</p>
<p>フレンチの<span class="strongInContent">「ラス」</span>は表参道にあるビブグルマンの常連店。兼子大輔氏が腕をふるい、フォワグラのクリスピーサンドというシグネチャーがあまりにも有名だ。10品程度の「おまかせコース」は6600円、シャンパーニュとワイン４種のワインペアリングも5500円。食べて飲んでも１万円台前半で済むというから、こちらが心配になるくらいだ。</p>
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<p><a href="https://las-minamiaoyama.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■<span class="strongInContent">「L&#8217;AS（ラス）」</span>の公式HPはコチラ</a></p>
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<p>同じフレンチでも、参宮橋の<span class="strongInContent">「ロク」</span>は夫妻で運営するカウンターフレンチ。オーナーシェフの笹川慎平氏によるコースは、ランチなら前菜・魚料理・肉料理・デザート・ドリンクで3850円。妻の智香氏はパティシエで、アシェットデセール（皿盛りデザート）を担当し、テイクアウトできるプティガトーも販売している。</p>
<figure id="attachment_349585" aria-describedby="caption-attachment-349585" style="width: 1735px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f53a1021"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/9b0f281eb8694ec7c3df085d7facb110.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349585" class="wp-caption-text">【roku（ロク）】馬肉のシンタマを用いたモダンなタルタル</figcaption></figure>
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<p><a href="https://roku-sgb.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■<span class="strongInContent">「roku（ロク）」</span>の公式HPはコチラ</a></p>
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<p>代官山の<span class="strongInContent">「ファロ」</span>は、樫村仁尊氏による焚き火イタリアン。地階だが狭さは感じられず、“ロの字カウンター”で臨場感があってデートにも最適。アラカルトが中心で、気ままにオーダーできるのがいい。名物のローストポーク“ポルケッタ”（１カット 3200円～）は是非とも食したい一品だ。</p>
<figure id="attachment_349586" aria-describedby="caption-attachment-349586" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7060b14b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/f4602a02ff0a339cc086d6d727d72398.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349586" class="wp-caption-text">【falò （ファロ）】同店名物の「塊で焼いたイチオシのポルケッタ」は必食の一品</figcaption></figure>
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<p><a href="https://falo-daikanyama.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■<span class="strongInContent">「falò （ファロ）」</span>の公式HPはコチラ</a></p>
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<p><span class="strongInContent">「おそばの甲賀」</span>は西麻布交差点近くにありながらも、隠れ家的な雰囲気がいい。石臼で挽いた粉で打った蕎麦が食せる。季節もので時価の「すだちそば」も上味であるし、４品構成の「そば前コース」（4500円）も大満足。グラスから用意されている日本酒を合わせれば完璧だ。</p>
<figure id="attachment_349587" aria-describedby="caption-attachment-349587" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="496fdacd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/c6e71a670348840c5895d992061d4f9b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349587" class="wp-caption-text">【おそばの甲賀】鴨ならぬ鶏の「鳥南蛮せいろ」（1,650円）も人気</figcaption></figure>
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<p><a href="https://osobanokouga.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■<span class="strongInContent">「おそばの甲賀」</span>の公式HPはコチラ</a></p>
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<h3><span class="strongInContent">ファン歓喜！　「新ビブグルマン」は、1949年創業の老舗「豚の串焼店」</span></h3>
<p>新ビブグルマンとして注目したいのが、新宿の<span class="strongInContent">「鳥茂」</span>。1949年に創業した豚の串焼店で、今でこそポピュラーとなったピーマンの肉詰め発祥の店だ。三代目の酒巻祐史氏が切り盛りする。名店として知られているが、ようやく掲載されたということで、ファンは歓喜一色。コースは2200円からと非常にリーズナブルなので、大箱ながらも連日満席の賑わいだ。</p>
<figure id="attachment_349588" aria-describedby="caption-attachment-349588" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2e43a96b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/8de6118af14f9ef5e51bc83e2ada0a55.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349588" class="wp-caption-text">【鳥茂】同店発祥の「ピーマンの肉詰め」は肉感たっぷり</figcaption></figure>
<p>一つ星を獲得している渋谷「モノリス」のオーナーシェフである石井剛氏がオープンした<span class="strongInContent">「モノビス」</span>も特筆するべき一店。「山形豚厚切り低温生姜焼御膳」（4500円）や「ぶいやべーす御膳」（6000円）など、“ふれんち御膳”と銘打つ新感覚のフランス料理の定食が体験できる。</p>
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<p><a href="https://mono-bis.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><span class="strongInContent">■「モノビス」</span>の公式HPはコチラ</a></p>
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<h3><span class="strongInContent">個性的なお店を狙うなら「セレクテッドレストラン」</span></h3>
<p>セレクテッドレストランも紹介しておこう。</p>
<p><span class="strongInContent">「ピッツァバー on 38th」</span>はマンダリン オリエンタル 東京にある８席だけのエクスクルーシブなガストロノミーピッツァ。総料理長を務めるダニエレ・カーソン氏が自ら生地をつくり、窯で焼く。<span class="strongInContent">「初志」</span>は神楽坂にある新進気鋭の日本料理。店主である池田恒平氏が、伝統的な和食に自由な発想を取り入れている。<span class="strongInContent">「エマン」</span>は清澄白河にあるモダンスパニッシュだ。シェフの小林悟氏が、日本の季節や生産者との繋がりをスペインの郷土料理で発信する。</p>
<p>新橋の<span class="strongInContent">「鮨 神楽」</span>はジャズが流れる洒落た店内で、店主の望月将氏による旬の食材を用いた鮨を味わえる。絶大な信頼を寄せる仲買いから仕入れる鮪は自慢のネタだ。赤坂のフランス料理<span class="strongInContent">「ライラ」</span>は成清毅氏によるモダンフレンチで昔から定評がある。モダンな皿とクラシックな料理のバランスがよく、プレゼンテーションも秀抜だ。</p>
<figure id="attachment_349589" aria-describedby="caption-attachment-349589" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a6376718"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/e697f950a15c48c9c01f171a4a628451.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349589" class="wp-caption-text">【鮨 神楽】自慢の鮪。中トロは口どけがあり、上味にあふれている</figcaption></figure>
<p>ミシュランガイドの定義によれば、三つ星は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」、二つ星は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」、一つ星は「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」。星つきレストランのように、そこまで肩肘を張らずに、ただ「価格以上の満足感が得られる料理」が食べられるということで、気軽にビブグルマンのレストランへ訪れていただきたい。</p>


'76年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で'02年と'07年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

東龍

「価格以上の満足感が得られる料理」と定義されている“お値打ち”なミシュラン「ビブグルマンのレストラン」。ラーメンやおにぎり、居酒屋などのカジュアルラインが有名だが、本格派のフレンチやイタリアンもある。

ミシュランが認めた「ピーマンの肉詰め」？庶民のミシュラン「ビブグルマン」ジャーナリスト推しの６店

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