【独占直撃撮!】男子バレー日本代表のWエース 石川祐希&高橋藍 パリ五輪へ!「充実のWピース」
イタリア・セリエAで奮闘する2人の「直接対決」を現地レポート
12月4日に行われたモンツァ対ミラノの一戦。これで4度目となるはずだった石川祐希(28・ミラノ)と高橋藍(らん)(22・モンツァ)のセリエAでの「直接対決」は、石川のケガにより叶わなかった。だが、
「彼ももうこっちで3シーズン目、対決への特別な思いは僕も彼もないと思う。代表チームで戦う仲間としては、彼もこっちで成長して今季はすごくいいプレーをしていて、代表の力になると思う」
と石川が言えば、高橋はこう返した。
「(初対決だった)去年は少し意識してしまう部分もありましたけど、今季はそこまで意識することはなかった」
日本が誇るアタッカー二人はすっかり、イタリアになじんでいた。
![イタリア北西部、ミラノ郊外の街モンツァで行われた試合後、FRIDAYカメラに向かってピースする高橋(左)と石川(撮影:渡辺航滋)](https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2023/12/27aec82052dd0926bb89ed8f33dd9553.jpg)
高橋は直前の試合で筋肉系を負傷。この日は出場が危ぶまれたが、フル出場した。一方の石川はベンチ入りしたもののウォーミングアップにも参加せず、終始ベンチからチームメイトを鼓舞し続けた。後にチームから「継続的な腰の痛みがある。すでに精密検査済みでリハビリを開始しており近日再チェック予定」と発表された。試合は3-0でミラノがストレート勝ちしている。
試合後の石川と高橋の人気ぶりは凄まじかった。それぞれに写真撮影やサインを求める長蛇の列ができた。女性ファンだけでなく、子供や男性、現地イタリアのファンも多く含まれていたのが印象的だった。この人気を高橋は「自分たちの積み重ね」故と捉えている。
「日本のバレーボールが世界の皆さんに認知されてきて、注目につながってるのかなと思います」
バレーボール日本代表は今、充実の時を迎えている。今年7月にはネーションズリーグで、強豪が集まる世界大会としては約半世紀ぶりに銅メダルを獲得。
10月にはパリ五輪出場権を、4大会ぶりに自力で獲得した。その中核をなす石川は’14年から、高橋は’21年から戦いの場をイタリアに移し、認知度と評価を上げ、実力で人気を獲得してきた。
石川は、海外で勝負の日々を送ることが代表のレベルアップに直結していると実感している。
「僕らがこうしてイタリアで勝負していることと、代表の充実ぶりはリンクしていると思います。僕らだけでなくて、西田(有志(ゆうじ)・23)選手、関田(誠大(まさひろ)・30)選手も海外でプレーした経験がある。海外のクラブは日本に比べ、決してベストな環境ではない。そこでどうレベルを上げて行くか、考えさせられる部分はある。バレーボールのスキルも、一人の人間としての幅も上がって行くのかなと」
パリ五輪まで半年と少し。彼らはその舞台まで、いかに戦うのか。
「日々の取り組みがなにより大事。どこのクラブの選手もオリンピックを頭に入れながらプレーをしていると思うので、僕たちもそこを考えながらやるべきだと思います」(石川)
「チームの勝利に貢献することは当たり前ですが、自分がどれだけ成長できるが、日本代表の勝利に繋がる」(高橋)
’72年ミュンヘン五輪以来のメダルを目指して、イタリアでの切磋琢磨は続く。
![高橋もケガの影響が心配されたが、スタメン出場してチーム3位となる7得点。強烈なバックアタックも見せた](https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2023/12/71259b21ae2ab1b4d27677e0906baace.jpg)
![史上最年少となる19歳で代表入り。東京五輪で活躍するなど急成長を見せたが、目標はさらなる「成長!」](https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2023/12/0a1fc596ee68d3a2adea752ee6ca31cc.jpg)
![試合は欠場したが、チームメイトに声援を送ったり、ハグしたり、ファンと交流したりと石川の表情は明るかった](https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2023/12/bca005e5b8aafc46f8cd1e2a59707329.jpg)
![すでにイタリアで9シーズン過ごしている余裕か、読者へのメッセージを求めると感謝の言葉が返ってきた](https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2023/12/e89b1a666bd7ff547ac23117168b0b86.jpg)
『FRIDAY』2023年12月29日号より
- 取材・文:了戒美子
- 撮影:渡辺航滋
スポーツライター
1975年、埼玉県生まれ。日本女子大学文学部史学科卒。01年よりサッカーの取材を開始し、03年ワールドユース(現・U-20W杯)UAE大会取材をきっかけにライターに転身。サッカーW杯4大会、夏季オリンピック3大会を現地取材。11年3月11日からドイツ・デュッセルドルフ在住