『エマニエル夫人』50周年記念再上映で思い出す、シルビア・クリステルが取材でみせた圧倒的“色香” | FRIDAYデジタル

『エマニエル夫人』50周年記念再上映で思い出す、シルビア・クリステルが取材でみせた圧倒的“色香”

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来日記念に記者会見するシルビア・クリステルさん。『エマニエル夫人』で世界的人気を博したが……(’77年)
来日記念に記者会見するシルビア・クリステルさん。『エマニエル夫人』で世界的人気を博したが……(’77年)

シルビア・クリステル主演で一世を風靡した『エマニエル夫人』の日本公開50周年を記念して、『エマニエル夫人』『続エマニエル夫人』『さよならエマニエル夫人』の4Kレストア&デジタルリマスター版が12月29日から公開される。

クリステル演じるタイ・バンコクに赴任した外交官の夫人が性に目覚めていく姿を、フランスのジュスト・ジャカン監督が甘美でソフトタッチな映像で官能的なセックスシーンを描き、「ソフトポルノ」と呼ばれて当時、女性に支持されて大ヒット。

「日本女性の性の解放に一役買った」

ともいわれた。

香港に舞台を移した『続エマニエル夫人』(’75年)、『さよならエマニエル夫人』(’77年)とシリーズ化された。クリステルはほかにも『夜明けのマルジュ』(’76年)、『チャタレイ夫人の恋人』(’82年)などの大胆シーンで観客を魅了した。

’77年1月、映画『華麗な関係』のキャンペーンで来日した時にインタビューしたことがあった。当時、彼女は24歳。

白いブラウスの下はノーブラで、エマニエル夫人が目の前に現れたような、漂う色香に圧倒されたのを覚えている。身振り手振り饒舌に話すのが印象的だった。

クリステルが演じた性に奔放なエマニエル夫人と自身はかなり違うという。

「彼女は何不自由ない生活の外交官夫人。暇があるから男や女を求めて冒険に出る。私は暇があれば本を読んでいるタイプ」

“性の冒険者”のイメージが世界を駆け巡っていることに戸惑っているようだった。

そして、「結婚」、「愛」についての独特な考えを明かした。

「私は人生の契約書にサインするのは好きじゃない。好きな人と一緒にいたいけど、結婚したいとは思わないわ。結婚が壊れれば離婚しなければならない。それには多くの書類と手続きが必要」

「愛って、単純に男と女の関係じゃないと思うの。例えばパリを散歩していて、橋がオレンジ色に塗られていて驚く。そんな小さな喜びも愛だと思う。愛は人生で一番大切」

私生活では華麗な遍歴があり、イギリスの俳優イアン・マクシェーンと同棲して息子をもうけたが破局。その後映画プロデューサーなどと2度の結婚・離婚。’12年10月17日、60歳で亡くなった。

晩年は出身地のオランダのアムステルダムで年下の男性と同棲して絵を描いて過ごしたという。

1作目の公開から50年ぶりに再上映される『エマニエル夫人』。当時配給会社のヘラルド映画の試写室で見た時の衝撃を思い出した。

そしてレズシーンや“自慰行為”シーンもあるクリステルの華麗にして官能的な「ソフトポルノ」に今の若い女性がどんな感想を持つのか注目される――。

  • 阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)

    Webマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員

  • PHOTO共同通信社

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