東京地検特捜部の「裏金問題」捜査が「死刑執行」に与える意外すぎる影響 | FRIDAYデジタル

東京地検特捜部の「裏金問題」捜査が「死刑執行」に与える意外すぎる影響

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
’23年9月13日夜、法務省就任記者会見に臨んだ際の小泉龍司法相。東京地検特捜部による自民党・二階派の家宅捜索を受け、12月20日に同派を退会した(PHOTO:共同)
’23年9月13日夜、法務省就任記者会見に臨んだ際の小泉龍司法相。東京地検特捜部による自民党・二階派の家宅捜索を受け、12月20日に同派を退会した(PHOTO:共同)

東京地検特捜部が進める政治資金パーティーをめぐる捜査が安倍派のみならず二階派にも及んでいることによって、“意外な波及効果”があるという。

「二階派所属の小泉龍司法相が派閥を離脱したものの交代しなかったことで、ややこしい状況になっています。法相は検察を指揮監督する立場で、その法相がほんの少し前まで二階派だったというのは捜査の中立性が担保できないのではないかという指摘があります。もっともなことですね」(全国紙社会部記者)

ただ、「ややこしい」というのはこれだけに留まらないという。

「死刑執行についてですね。実は’22年7月以来、死刑は執行されていません。

’22年11月、当時の葉梨康弘法相が『法相は死刑(執行)のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職だ』などと発言し、更迭されました。この失言があった段階で、『この年どころか、しばらく執行はないだろう』と言われていました。

年が明けてそのまま現時点でも執行なしというのは、『失言のインパクトが強すぎて、それを払拭するには時間がかかる』ということだったのでしょう。臨時国会が閉会して年を越すまでの間は以前ほどではないものの、“執行シーズン”とされてきましたが、’23年もなさそうだというムードが漂っています」(同前)

わずか1年前のこととはいえ、多くの人が忘れているはずの失言だが、当事者や関係者の間では大きな影響を与え続けているということなのだろう。

そもそも死刑執行は法相が管轄の高検検事長に対し命令するものだが、例えば関東甲信越とその近隣エリアをカバーする東京高検検事長は検察の序列ナンバー2で、検事総長に次いで東京地検特捜部の捜査を決裁する重責を担っている。

「検察を指揮監督する立場の法相が検察の捜査ターゲットとなっている二階派に少し前まで在籍し、特捜部の捜査で足元がおぼつかない中、検察の捜査を取り仕切る東京高検検事長に死刑だけは命令する……。それはそれでなんともややこしいというかギクシャクした状況だと言えるでしょう」(同前)

法務・検察が大がかりに政治に切り込んでいることで、年末を「執行の恐怖」で過ごす確定死刑囚たちに対しても大きく影響が出ているということになるのかもしれない。

「直近の執行は、秋葉原の無差別殺傷事件に関する確定死刑囚でした。その際には別の事件で死刑が確定した人物の名もあがっていましたが、例の葉梨失言で予定が狂ったのは間違いありません」(同前)

執行は通常、年末年始を除く平日の午前に行われることになっており、それを踏まえれば12月28日までということだ。このままいけば、2020年以来の「執行なし」ということになる。

  • PHOTO共同

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事