<figure id="attachment_353078" aria-describedby="caption-attachment-353078" style="width: 803px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5162d807"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/3a8a65b5ca83ae0a45db8143803d088f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353078" class="wp-caption-text">クライマックスシリーズ第４戦・オリックス戦に敗れ、日本シリーズに届かなかった試合後、スタンドを埋めたファンに挨拶に行く。首脳陣は佐々木の登板を求めたが、それは叶わず。佐々木はベンチで最後の瞬間を見届けた</figcaption></figure>
<p>千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手（22）がプロ入り後、初めて契約更改を年明けに持ち越した。球団に対してポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の意向を伝えており、早ければ’24年のシーズン終了後にも米国に渡る可能性が浮上している。</p>
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<p>スポーツ紙などの報道によるとロッテ・高坂俊介球団社長が１月４日、「私の立場ではコメントを差し控えたい」と前置きしたうえで「活躍した選手がメジャー挑戦することについては、球団として後押ししたいという考え方は変わっていない」と一定の理解を示したのだ。ただ、サインしていない理由はそれだけではないのだという。千葉ロッテOBはこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「朗希（佐々木）の契約交渉が越年になったのは、球団に対して伝えたメジャー挑戦の意向について今回何らかの確約をとりたいのだと思います。昨年は３月のワールドベースボールクラシック（WBC）で世界一に貢献しましたが、７月に左わき腹を痛めて一時離脱したのでロッテに対する貢献度は100点満点とは言えない。同じくロッテからポスティングでメジャーに行った西岡剛が８年目で行ったときより３年早く『まだ早い』という意見はありますが、投手コーチ時代には自分を守ってくれた吉井理人監督（58）に対する気持ちが離れてしまっていることも影響しているんです」</span></p>
<p>佐々木と吉井監督。かつては“蜜月”とも言われた師弟関係に亀裂が入っているという。佐々木が契約を保留したからといって、吉井監督が退任するわけではないが、２人の間にいったい何があったのか。</p>
<p>今の佐々木があるのは、プロ入り後に投手コーチとして佐々木の体の成長と練習量のサジ加減をしてきた吉井監督の力によるものが大きいだろう。佐々木が入団した’20年、井口資仁・前監督のもとで一軍投手コーチをつとめた吉井氏は、佐々木が１試合も投げなくても、一軍に帯同させた。一部で「特別扱い」を疑問視する声があっても、佐々木を一軍の先発ローテーションを担う投手の調整法を間近で見られる環境に置き、体に負担の掛かりにくい投球フォームを固めることに相当の時間を割いたのだ。</p>
<p>その結果、佐々木は２年目の’21年から頭角を現しはじめ、クライマックスシリーズ（以下、CS）のファーストステージ・楽天戦で第１戦の先発に抜擢され、６回10奪三振、１失点と初戦勝利に貢献した。さらに入団３年目の’22年４月の完全試合達成につながった、と見る向きは多い。では、佐々木の気持ちが吉井監督から離れるきっかけは何だったのだろうか。前出のOBが明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「昨年７月24日のソフトバンク戦で朗希（佐々木）が左わき腹を痛めた後だと思います。全力投球ができるまで２ヵ月かかる、と発表され、レギュラーシーズン中に復帰するのは難しいのではないか、と見ていました。しかもわき腹は投手が１球投げるたびに使う筋肉ですし、同じ箇所をもう一度肉離れしてしまうとクセになる可能性がありますから。</span></p>
<p><span class="strongInContent">佐々木はマウンドにあがったら、１イニングでも多く投げて、中継ぎ、抑え投手に負担はかけたくない、と考えるタイプの投手です。ただ球種はまっすぐとフォークで押すしかなく、９回をトータルで考えていい意味で“抜く”ほどの余裕はないので、最初からわりと全力に近い感じで投げてきた。だから負傷した瞬間、“今季中の復帰は難しいかも”と考えたかもしれません。しかし吉井監督は『今季中には戻ってきてほしい』とメディアに語った。このあたりのちょっとしたズレがきっかけになっている気がします」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="負傷直後、ベンチ裏で佐々木が泣いていた理由"></div>
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<figure id="attachment_353079" aria-describedby="caption-attachment-353079" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a71a6f29"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/e0952313b6e6c29966d6b2c57a45677f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353079" class="wp-caption-text">石垣島キャンプで佐々木朗希を見守る吉井投手コーチ（当時）</figcaption></figure>
<p>実際、負傷した試合後、監督室から出てきた佐々木が目に涙をためて泣いていた姿を複数の球団関係者が見ている。ある球団関係者はこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「朗希については昨年、WBCに行く前から精神面での成長を感じていました。昨年２月のキャンプの時期にチームを支える人全員にシューズを発注して配っていた。チームを背負う覚悟みたいなものを感じましたし、帰国した後も朗希の方から球団の人間に話をするようになって、一皮むけた印象を受けました。本場のアメリカで世界一になって自信がついたんだと思います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">そのあたりから、朗希の“今度はチームのために”という思いを強く感じるようになった。だからこそ、わき腹を痛めてシーズン中に復帰できるかがわからなくなって、チームのために投げられない自分への悔しさで泣いていたんだと思います」</span></p>
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<p>同じくわき腹肉離れから復帰に導いた他球団の選手を見ている、あるトレーナーは「佐々木選手の体を実際に触ったことはないので、彼の投球を見た印象になりますが」と前置きした上で、こう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「佐々木選手の負傷の報道を見て『実戦復帰には３ヵ月はかかる』と予想しました。佐々木選手はすごい球を投げますが、まだ体は全然できあがっていない。車でたとえるなら『車体は軽トラ、でもエンジンがフェラーリ』といえるようなアンバランスな部分がまだあって、佐々木選手自身もおそらく自分の体をどこまで追い込めるのか、といった限界値を把握できていないのではないかと思う。投げ方を見ているとわき腹だけでなく、股関節や右肩、腰なども痛めるリスクがある。だからこそ、プロ入り後も吉井監督のように経験のある方々が佐々木にケガをさせないよう、練習量を調整しているのでしょう」</span></p>
<p>外部の人が見たら復帰まで３ヵ月かかる負傷。「吉井投手コーチ」であれば、無理させないようにするために、復帰を急がないプログラムを組んだかもしれない。しかし投手コーチだった吉井氏は監督に昇格し、立場が変わった。当時、首位オリックスを追う２位につけ、貯金も10以上あったが、チームを率いる指揮官としては、戦力として残せる可能性があるなら残したいと考えたのだろう。吉井監督は佐々木の復帰前倒しを画策し、動いた。スポーツ紙デスクが明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「吉井監督は自らのネットワークを使ってメジャーのトレーナーなどに連絡をとって、前倒しして復帰に導く情報をつかんだようで、佐々木にも復帰の前倒しを求めたようです」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="負傷を抱えた佐々木はCS最終戦の登板を断っていた"></div>
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<figure id="attachment_353080" aria-describedby="caption-attachment-353080" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8634cf24"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/ba68261c21e1aaad432a101b4db0e12b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353080" class="wp-caption-text">WBC日本代表で日本代表の投手コーチをつとめた吉井氏と談笑する佐々木（左）と大谷翔平。佐々木は来季、大谷と同じ米国でプレーできる確約を今オフにとれるのだろうか</figcaption></figure>
<p>実際、佐々木は負傷から２ヵ月も経過していない昨年９月10日のオリックス戦で復帰。その後、同17日の西武戦、10月14日のクライマックスシリーズ・ソフトバンク戦と２試合に先発登板しているが、いずれも３イニングにとどまっている。前出のデスクがこう続ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「先発したら少しでも長いイニングを投げたい佐々木が、復帰後の登板がすべて３イニングにとどまっているということは、それ以上投げられる状態になかった、と考えて間違いないと思います。吉井監督としては佐々木が仮に万全でなくても起用して一つでも多く勝って日本シリーズに行きたかった。でも佐々木の立場になって考えると、再発のリスクを負って万全な状態に戻り切る前に復帰を求められ、“吉井投手コーチ”との違いに戸惑いを覚えるのも無理はないです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">佐々木は昨季、10月14日のソフトバンク戦が最終登板でしたが、翌週の10月21日のクライマックスシリーズ第４戦のオリックス戦も、首脳陣は佐々木を先発させるつもりでいたようです。ただ、佐々木は負傷した箇所が万全でなかったのか、断りを入れたことによって、かわりに種市篤暉が先発したと聞いています」</span></p>
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<p>種市は昨年９月下旬、右ひじの炎症が判明し、一軍登録を抹消されていた。その後は投げさせる予定はなかったという。ひじに不安を抱えている投手を「負ければ終わり」の大事な一戦の直前に急遽昇格して投入した裏には、そんな紆余曲折があったのだ。</p>
<p>スポーツニッポンなどの報道によると、吉井監督は昨年末、トークショーで佐々木がポスティングによるメジャー移籍を直訴したことについてこう明かしている。</p>
<p><span class="strongInContent">「自分だったら球団に対してもう少し恩返ししてからでないとダメなのかなとかって思ったりする」</span></p>
<p>佐々木がキャンプイン前にサインするのか。それと同じくらい注目されるのは、佐々木が吉井氏や球団に対して“恩返し”する気持ちをどのようにして戻すのか、ということだろう。</p>
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今年でプロ５年目を迎える佐々木朗希は千葉ロッテとの契約交渉が長引いている。早ければ’24年シーズン終了後のメジャー挑戦の確約をとるためではないかと言われているが、それだけではないようで……

佐々木朗希がかつての師匠と“疎遠”に？千葉ロッテとの契約交渉が長引く「本当の理由」

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