新時代に新キャラ登場!? 『東京タラレバ娘』復活の舞台裏・後編

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恋に人生に迷えるアラサー、倫子・小雪・香。居酒屋で飲んではクダをまき、泣いて笑って傷つきながらもたくましく人生を謳歌した、あの「タラレバ娘」たちが帰ってきた! 先週末、書店の棚がファンの歓喜に湧いた。

累計500万部を突破した東村アキコ氏の超人気コミック『東京タラレバ娘』の番外編『東京タラレバ娘 リターンズ』が3月13日に発売。恋に恋するときめきはそのままに、少しだけ地に足をつけた彼女たちの「その後」を描いた物語は、初版を瞬く間に売り切り、緊急大重版。同時発売されたスピンオフ人生相談コミック『タラレBar』とともに、アラサー女性をはじめ幅広い世代に共感の輪を広げている。

さらにさらに、特報! 何と、新シリーズ『東京タラレバ娘 シーズン2』が、4月25日発売の月刊誌『Kiss』6月号から連載開始されることが、このたび発表された。気になるその内容とは?

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倫子たちに代わる新『タラレバ娘』が主人公

朗報発表の現場は、3月25日発売の『Kiss』5月号の次号予告。が、そのページに掲載された東村氏の予告カットを見ると……あれ? 倫子も小雪も香もいない?? 驚き詰問する取材班に、連載担当編集者・徳留幸輝氏が頷く。

『Kiss』5月号に掲載された次号予告を見て、新キャラクター登場に驚くファンも多いはず

「そうなんです。『シーズン2』の主人公は、倫子たちとは別のアラサー女子。『続きを読みたい』という声はずっと寄せられていたので、選択肢としてはそのまま倫子たちのことを描き続けるというのもあったと思いますが、一方で、タラレバ(もし彼と結婚していたら、理想の人が現れれば……など、後悔や願望が入り混じったアラサー女子の常套句)言っている女子にもいろんな立場があるので、2014年に最初の連載が始まってから5年経ったところで、また読者に様々なシチュエーションを届けられないかな、と。『違うタラレバ娘を描いてみようかな』というのが、東村さんからの提案でしたね」

少しだけ明かすと、新主人公は、図書館司書のアルバイトをしている30歳の女の子。脚本家の倫子、父と居酒屋を営む小雪、ネイルサロン経営者の香と、早くから自分の職業を決め独立していた前回の主人公とは異なるタイプのアラサーだ。
そして、彼女の特徴としてもうひとつ挙げられるのが、昭和64年生まれであるということ。平成の始まる直前、たった7日間しかなかった昭和最後の年に生まれた彼女は、まもなく2時代前の人になるが、これもまた象徴的。

『シーズン2』の主人公は図書館司書のバイトをしつつフリーター生活を送るアラサー女子。アラフォーとなったタラレバ3人娘たちがこの主人公にどう絡んでいくのかも楽しみだ

「描くにあたってご本人にも許可をとられたそうですが、東村さんの身近にそういった境遇・年頃の未婚女性がいらっしゃって、その人のいつもうまくいっていない恋愛などの相談にのっているうちに、ご自身の中でインスピレーションが湧いたようですね。また、その世代はデジタルネイティブで、SNSが身近。倫子たちのように居酒屋で集まってタラレバ言うだけでなく、たとえばSNS上でのタラレバなんかも今作では描けそうとうかがっております」(徳留氏)

今の時代の空気が息づく

人気作のシーズン2といえば、多くは「あれから◯年後の彼、彼女たちは……」で始まるのが常套手段。しかし、東村氏はあえて新しいヒロインを描く。こうした新陳代謝を可能にしているのが、作者自身の仕事スタイルであると考察するのは、『東京タラレバ娘』連載開始時から担当してきた編集者・助宗佑美氏。

「東村先生は午前中から仕事を始めて、夜7時にはきっちり終える方。その後は、アシスタントさんと飲みに行ったり、あちこちに出かけたり……先生のインスタグラムにも表れていますが、遊びながらいろんな人と交流し、今という時代を見ている方なんだなと感じています。アシスタントにも若い方を次々と起用していて、こうした環境から時代性に富んだ作品が生まれているのかもしれません」

そして、時代とともに表れるのが、生き方にまつわる多様な価値観。アラサー女性は、とくにそれが顕著な年代、属性でもある。

「個人であり、職業人であり、人によっては母であり、夫にとっての素敵な妻でもある。さまざまな権利を主張できるようになったことで、いろんな役割をひとりで担い、かつ素敵な自分であらねばならない、などといったプレッシャーが、現代女性には常にある。外から見られるときも、また自分自身でも『こうあらねば』『こうありたい』というハードルが上がっているからこそ、理想と現実の間で悩んだり、恋愛もうまくいかなくなったり……。

東村先生としてはとくに『やってやろう』と意識することなく、自分の身の周りにいる面白い女の子や事象を作家として描いておられると思いますが、編集側は今の社会が、そしてアラサー女子が抱えるさまざまな問題を、いい意味であらわにしてくださるんじゃないかという期待を、常に持っていました。ですから、マンガの持つもともとの面白さとそうした時代性に触れた部分が相まって、『タラレバ娘』のムーブメントが大きくなったのだと思っています」(助宗氏)

注目ポイントは「ド美少年」と「ババア」?

さてさて、2019年の新・タラレバ娘は、どんな悩みや希望を抱えて登場するのか……期待は高まる一方だが、さらに執筆中の『シーズン2』にまつわる新情報が、東村氏からもたらされた。

「ひとつは『ド美少年が登場します!』。前作のKEY君(倫子を翻弄した美形モデル。17年放送のドラマでは俳優・坂口健太郎が好演)とはまた異なるタイプのようです。そして、倫子たち3人娘も、引き続き物語に登場します。東村さんの言葉をそのままお伝えすると『さらにババア化した3人をお楽しみ下さい』と…(笑)。ド美少年やいまやアラフォーになった倫子たちが主人公に、どう関わるかも見どころです」(前出・徳留氏)

前作で倫子が目指したのは「カッコいい女になる」こと。その目標は、番外編『リターンズ』で一旦、到達を叶えたが、その後も彼女たちの人生は続いていく。そして、新しい時代の新しい女子を主人公に、どんな「カッコよさ」が描かれるのか……。

「先生は、女性のカッコよさ自体はいつの時代も変わらないんじゃないかとおっしゃってますね。昔からカッコいい女性はいた。ただ、いちばん変化したのは、その割合だと。やはり以前は女性の立場が弱かったものの、時代の変化につれ徐々に男女平等になって、これから平成が終わって次の元号になるタイミングでは、カッコいい女性の割合は増えていくだろうとおっしゃっています。そういった思いも『シーズン2』には反映されるかもしれません」(徳留氏)

「先生の『海月姫』(東村アキコ作。オタク女子と女装男子がファッションの世界で才能を開花させるラブコメディー。映像化され人気に)が海外で賞をいただいたときにも、評価されたのはやはりダイバーシティ。自分は自分らしくいるべきだというスタンスの部分でした。そうしたあり方とカッコよさがつながるという価値観は、先生の中にきっとあると思います」(助宗氏)

読めば今の世が、そして、人としてのあり方が見えてくる? 女性だけでなく男性にもおすすめしたい『東京タラレバ娘 シーズン2』、注目の第1回は、4月25日発売、『Kiss』6月号に掲載。その前に、前作を読み直して復習しておくことをオススメする。

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『東京タラレバ娘』 第1巻

  • 取材・文大谷道子

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