<figure id="attachment_354110" aria-describedby="caption-attachment-354110" style="width: 1663px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="40f30028"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/7be8cb835e352b3fb58bcb5c3d5becc8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-354110" class="wp-caption-text">１月１日に心不全で亡くなられた冠二郎さん（左）と味菜子夫人。一度は筆者（右）に“殴り込み”をかけようとしたが……</figcaption></figure>
“演歌界のアニキ”と慕われた、冠二郎さんがこの世を去られました。79歳でした。
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冠さんは’67年にデビューし、’77年にドラマ『海峡物語』（テレビ朝日系）の主題歌『旅の終りに』でブレイク。有名歌手の仲間入りをしました。
’91年『酒場』、’92年『炎』と立て続けにヒットを飛ばし、２年連続でＮＨＫ紅白歌合戦に出場。’95年にもふたたび紅白に出た実力者です。
そんな冠さんが世間の注目を“浴びてしまった”のが、’15年の「５歳年齢詐称」事件です。それを報じたのが、当時『週刊女性』の記者だった私でした。
なぜ、５歳サバを読んでいたのかが分かったかというと、私の妻が冠さんと同じ埼玉県秩父市出身という偶然からでした。正月に彼女の親族との集まりで、たまたま地元の英雄である冠さんの話題になり、高校の同級生だと思っていた妻の伯父さんに話を振ると、
「冠さんは、オレより５つも先輩だよ」
とのこと。そこで、高校の卒業生名簿を見せてもらったら、実際の年齢がプロフィールより５歳上だったことが判明したのです。
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もちろん、そのことで“嘘つき”などと、糾弾するつもりはさらさらありません。ですが、ちょっと“面白そう”なので、事実確認で問い合わせたところ、レコード会社やマネージャーさんも
「ハハハ、バレちゃいました（笑）」
みたいな軽いノリです。ですが、一人だけトーンが違う人がいました。
そう、冠さんご本人です。
<div data-friday-nextpage-lead="これまで、女性にプロポーズできなかったワケは……"></div>
<figure id="attachment_354116" aria-describedby="caption-attachment-354116" style="width: 1706px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d377d0c1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/f613d90e45bccf8e881a5a3b06c72498.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-354116" class="wp-caption-text">「もう何もいらない。味菜子さえ居ればいい」が口癖だった冠さん</figcaption></figure>
なんと、真面目で一本気な冠さんは記事が出たら
「記事が出たら、歌手生命が終わる」
と、真剣に悩んだそうです。後日、冠さんはそのときの気持ちを
「他人の秘密を暴こうなんて、絶対に許せないと思ったね。本当にビートたけしさんみたいに出版社に“殴り込んでやる！”って思ったよ」
と明かしてくれました。
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関係者に殴り込みは止められたそうですが、なんと雑誌が発売されるまで食事もままならず、２キロも痩せたそうです。
記事が出てワイドショーやバラエティ番組などが冠さんの年齢詐称を、面白おかしく取り上げました。しかし、ここでもマジメな冠さんは、それを“笑い”にしようとはせず、ひたすらカメラの前で謝り続けました。
65歳から一気に70歳になった“コワモテ”演歌歌手が、５歳サバを読んでいたことを恐縮しきりに謝罪して……。
そんな誠実な姿に、“カワイイ”“面白い”など冠さんの人気はさらにアップ。なんと、報道後には営業依頼が殺到し、コンサートや営業が例年の３倍以上に増えたそうです。
ですが、年齢詐称報道が及ぼした影響はこれだけではありません。’16年に味菜子夫人との“31歳年下”婚に繋がることになったのです。
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「いままでも、結婚手前までいった女性はいたのよ。だけど、本当の年齢を知られるのが怖くて、あとひと押しができなかった。
それがあの記事のおかげでプロポーズすることができた。ホントありがとう！」
もちろん、これは冠さんの優しさで、リップサービスだったと思います。それでも、
「記事のおかげで結婚できたよ」
なんて言われたら、ウソでもとてもうれしかったです。なんせ、スキャンダル記事なんて、本人や事務所から怒られるのがほとんど。感謝されたことなんて、冠さんが最初で最後だと思います。
そんな冠さんは
「もう何もいらない。味菜子さえ居ればいい」
と、口癖のようにおっしゃっていました。
コロナ禍でコンサートなどが激減。そんな２人のラブラブな“ステイホーム”ぶりを取材させていただいたこともありました。
“ブラボー隊”という、冠さんを慕う歌い手さんたちの“謎の集団”があるほど、多くの人たちに愛された冠さん。最期は最愛の奥さまに看取られて天国に召された“アニキ”の笑顔がもう見られないと思うと、本当に寂しい限りです……合掌。

埼玉県さいたま市出身。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオにも出演中

荒木田 範文（FRIDAYデジタル芸能デスク）

1月1日にこの世を去った、演歌界の”アニキ”と慕われた冠二郎さん。16年に31歳年下の味菜子夫人と”サプライズ婚”を果たしたが、そのウラで起こった記者だけが知る……

【追悼】「殴り込むぞ！」冠二郎さんが“年齢詐称”報道に激怒も一転、感謝してくれた「優しいワケ」

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