「遊んだことを思い出してくれたら…」川﨑宗則はなぜ少年たちを公園に集めてムネリンズを結成したのか
福岡市内で熱血指導する姿を発見撮!
幼稚園児から小学生まで出入り自由、
ルールは「煽らない&ヤジらない」のみ
少年野球じゃお目にかかれないプロのスライダーを打ってみろ!
「あの川﨑宗則(42)が小学生を引き連れて夜な夜な公園に現れ、野球をしているらしい。チーム名は『ムネリンズ』。それ以外は、活動日時も実態も謎」
映画『フィールド・オブ・ドリームス』を思わせる、こんなウワサが福岡市の一部で広まっている。関係者らへの取材をもとに、FRIDAYが某公園を訪ねると、たしかに寒空の下でハイテンションな男がチビッコたちを熱血指導していた。ただし、夜ではなく、放課後だったが……。
走塁練習、ノック、そして7イニング制の試合終了後、ムネリンに声をかけた。
――ムネリンズは本当にあったんですね。
「あはは! 見つかりましたか」
――いつからやっているんですか。
「僕の長男が幼稚園のときだから、もう5年になりますかね。最初は親子二人でムネリンズだったんですけど、どんどん近所の子が集まってきて(笑)」
最年長は小6。小学生が中心だが、幼稚園児や女の子、未経験者も出入り自由だ。
「毎回、メンバーは変わります。ルールは『煽(あお)らない&ヤジらない』のみ。塾があるからと、途中で抜けるのも自由。入会金も取りません。僕のYouTubeチャンネルの登録とインスタのフォローを『お父さんとお母さんにお願いだけしてみて~』と言うぐらい(笑)」
当初は活動日を告知していたが、人が集まりすぎて11対11で試合をするハメになって以降、「ムネリンズはゲリラ野球塾やから、公園で見かけたら入って」と言うにとどめている。
「僕が所属する栃木ゴールデンブレーブスがオフの間、つまり冬季に多くて週2回。月1回しか開催しないこともあります。だけど、こうして集まってくれて『次はいつムネリンズやりますか?』って聞いてくれる。嬉しいよね!
当初は勝ちたいがためにミスを怒る子もいたけど、いまは皆、仲間を鼓舞しながらプレーできている。人数が少ないときは『投げたフリでアウト』にするとか、自分たちでルールも考えて……ムネリンズをやってよかったなって思う瞬間です」
「指導者より子供たちが野球を好きになってくれるような、彼らにスポーツの感動を与えられるような環境整備、ベースづくりのほうに興味がある」と言うムネリン。だが、彼の夢の原点ともいえるムネリンズは2年後、長男ら中心メンバーの小学校卒業をもって解散するという。
「続けることが目的じゃないから。彼らはチームという社会のことを考えつつ、個人でも楽しめるようになった。青春の一時期に仲間と一緒に野球をしたこと、ムネリンというおっちゃんと遊んだことをいつか思い出してくれたらいい」
そう言うと、若き″伝道師″は静かに公園を去るのだった。
『FRIDAY』2024年1月26日号より
PHOTO:繁昌良司