中高生から絶大な支持!「恋愛リアリティショー」大ヒットの裏側

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女子高生を中心に爆発的なヒット

「恋愛観察バラエティー あいのり」、「テラスハウス」(共にフジテレビ系)、「恋するハニカミ!」(TBS系)、最近では「バチェラー・ジャパン」(Amazonプライム・ビデオ)など、これまでいわゆる“恋愛リアリティショー”というジャンルの番組が、たびたび社会現象となるようなブームを作り出してきた。 

そして現在、女子中高生を中心に若年層の間でブームを巻き起こしているのが「オオカミくんには騙されない♡」シリーズだ。この番組は2017年2月にインターネットテレビ局AbemaTVで放送を開始した恋愛リアリティショーで、現在はシーズン5が放送中。通称「オオカミくん」と呼ばれ、新エピソードが配信されるたびに、番組を見た視聴者たちのコメントがSNS上を賑わせている。

「オオカミくんには騙されない♡」シリーズの第5シーズン「白雪とオオカミくんには騙されない♡」。誰が“オオカミくん”なのかを予想する楽しみ方も

 また、AbemaTVでは「オオカミくん」以外に、「恋する週末ホームステイ(恋ステ)」、「今日、好きになりました。(今日好き)」といった恋愛リアリティショーも製作しており、こちらも女子高生を中心に視聴され、人気を博している。 

設定の違いはあるが、3番組とも主に10代の高校生男女数人が出演し、一定の条件の中で恋愛を繰り広げていくというもの。「オオカミくん」は男女の中に一人だけ恋愛をしない男子“オオカミくん”が紛れ込んでいてほかの出演者をかき回し、「恋ステ」は男子数名と女子数名がそれぞれの地元にホームステイして恋愛を繰り広げ、「今日好き」は2泊3日の限られた期限で男女が恋愛していくという内容だ。 

ある状況下に置かれた男女がさまざまなやり取りを経て恋愛をしていく。告白あり、失恋あり、そして番組からの脱落あり――と書くと、これまでの恋愛リアリティショーと要素はさほど変わらないように思えるが、なぜ女子高生を中心に人気を集めているのか。その要因を、これらのAbemaTVの番組制作の責任者を務める、AbemaTV・谷口達彦氏に聞いた。

SNSと自己プロデュース力の関係性が視聴者層にマッチ

――AbemaTVの恋愛リアリティショーが女子高生を中心にヒットしています。それぞれの番組の特色を教えてください。

「『オオカミくん』は“高校生の憧れ”の対象になるような世界観や番組作りを心掛けています。ティーン向けの雑誌のモデルのカップルはたびたび話題になりますよね。番組でもモデルや俳優をやるような、影響力がある同世代のカリスマの恋愛を描いて、“憧れ”を持ちながらも等身大な恋愛をする彼らを応援してもらいたいという狙いがあります。 

『恋ステ』はもっと身近な男女によるもの。隣の高校にいるような男女が出演して、自分が知っている、行ったことがあるような街が舞台になっているので、見てくれている子たちにも『自分も出演チャンスがあるかも』『こんな恋愛がしたいな』と思っていただけるとうれしいです。 

『今日好き』は2泊3日の“短期決戦”のような形で恋愛が展開していく様子を追う恋愛リアリティショーですが、作りこまれた設定や演出は少なく、高校生のオーガニックな恋愛を届ける企画。制作当初は、こんな短期間で本当に恋に落ちるのかな?と思った時もありましたが、恋愛に期間は関係ないですね(笑)」

――ファンは見るだけでなく、自分たちにも出演のチャンスがあるわけですね。

「今の10代は、SNSを活用しているので自己プロデュース力が強くなっていると感じています。恋がしたい、という願望はもちろんですが、自己プロデュースの一環として『有名になりたい』『番組に出演すると注目される』『自己表現として出演したい』という願望を持っている若者も多いですし、こちらも番組に出演することが一種のステータスだと思ってもらえるような番組作りを心掛けています」 

――SNSなど発信する場があるので、自己プロデュース力も必要になってくると。

「そうですね。自己表現の幅が広がり、“自分らしさ”の発信の仕方が重要視されているのかなと思います。その分若い子たちは、発信する相手や他者への想像力を持ち、他者の気持ちに寄り添えるようになっているんじゃないでしょうか。意識、無意識を含めて自分がわかっていないとSNSと上手に付き合っていくのは難しいですからね」

――SNSを見ると番組の感想も多くアップされていますね。

「『オオカミくん』は、『きっとオオカミは〇〇だ!』などと、SNSで会話や予想をしてほしいという狙いがあります。もともと若者がテレビというデバイスから離れつつある中で、スマホに魅力的なコンテンツを投下したいという考えがあり、高校生が夜家に帰ってきて、自分の部屋で友達とラインをしながら、その合間に番組を楽しんでもらえれば、と。自分の部屋で好きな時間に見ることができて、すぐに友達と共有できて、学校での話題にもなるという面が、SNSやスマホと相性がいいと考えています」

「恋する週末ホームステイ」。離れた場所に住む高校生たちが、相手の住む街へ週末だけのホームステイをしながら恋愛をしていく

台本無しの恋愛だからこそリアリティが生まれる

――以前、出演者の高校生に取材した際に「リアリティショーとはいえ台本はあるだろうと思っていたけど、本当に無かった」と言っていましたが、やはり台本は無し?

「台本は無いです。これまでの番組に多かった、制作側の狙ったところで笑うなど、計算し尽くされた演出がある一方で、リアリティの少ないコンテンツを、若年層が好まなくなったという一面もあると個人的には考えています。AbemaTVではそれを踏まえて、リアリティショーならではの予定不調和、次の展開がわからない企画を提供してきたいと思っています」

――出演しているのはほとんどが10代の男女ですが、台本無しだと制作側の想定と違う動きをすることもあるのではないですか?

「もちろんあります(笑)。恋する気持ちをコントロールすることはできないので! 誰と誰がいい雰囲気だから、今後の番組構成をこうして……と考えていると突然『え~今、くっついちゃうか~?』『もう好きになっちゃったのか⁉』など、ハプニングがあったり(笑)。かと思えば、序盤はそこまで目立った動きをしていなかった子が、後半番組を盛り上げる存在になったり、輝きを放ったり、そこが我々にとっては大変な部分でありつつも、番組を面白くしている部分なんです」

――制作サイドが出演者に振り回されているようなところもあって、そこがよりリアルになっているようですね。

「今後、学園祭やクラス替えなど、学生にとって恋愛が動くようなライフイベントをからめた学校恋愛リアリティショーも作ってみたいと思っています。」

これら恋愛リアリティショーのヒットは、“スマホで視聴”“SNSとの親和性の高さ”“自己プロデュース”といったキーワードがその要因となっているようだ。そこに同世代のカリスマへの憧れや、非日常感、ドラマ的な出会いなどの普遍的な要素が絡まり、これまでにないムーブメントを巻き起こしているのではないだろうか。

また、ある出演者は「街中で30代の男性サラリーマンに『いつも見ていて、応援しています』と声をかけられて、びっくりしたけど嬉しかった!」と言っており、20~30代の男女にも視聴者が増えている点も見逃せない。これまで大人主導で作られていた恋愛リアリティショーは、高校生たちが現場で大人たちを振り回し、SNSで大人たちを巻き込んで作るものになっていくのかもしれない。

  • 取材・文高橋ダイスケ

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