日本女子フィギュアスケート界のニューフェイス千葉百音&渡辺倫果「ミラノ五輪が見えてきた!」 | FRIDAYデジタル

日本女子フィギュアスケート界のニューフェイス千葉百音&渡辺倫果「ミラノ五輪が見えてきた!」

日本女子フィギュアスケート界は史上最高レベルへ 「しなやかさ」と「力強さ」異なる二人が、四大陸選手権で1位、3位フィニッシュ

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若き才能が、世界の舞台で輝いた。

2月4日まで中国・上海で行われた四大陸フィギュアスケート選手権で、日本の千葉百音(もね)(18・東北高)が優勝、渡辺倫果(りんか)(21・法政大/TOKIOインカラミ)が3位と二人が表彰台に上がった。

千葉県出身で、3歳の時にスケートを始めた渡辺。昨年のGPシリーズ中国杯の演技後には、「大好き」と語るダイオウグソクムシのぬいぐるみがリンク内へと投げ込まれた
千葉県出身で、3歳の時にスケートを始めた渡辺。昨年のGPシリーズ中国杯の演技後には、「大好き」と語るダイオウグソクムシのぬいぐるみがリンク内へと投げ込まれた

世界選手権に3度の出場経験がある、プロスケーターで解説者の無良崇人(むらたかひと)氏が振り返る。

「優勝した千葉選手は滑りが実にしなやか。プログラムが一つの作品のように見える演技力が特徴です。細かいミスはありましたが、ショート、フリーともにすべてのジャンプで着氷に成功し、214.98点と自己ベストで優勝しました。
渡辺選手はスピードに乗ったダイナミックで力強い演技を見せ、フリーではトリプルアクセルも決めた。今季はジャンプの踏み切りに悩む様子が見受けられましたが、国際大会で見事に復調しました」

しなやかさと力強さ。四大陸選手権で見せた演技が対照的な二人は、普段の人柄も好対照だという。無良氏が続ける。

「かつて関空アイスアリーナ(大阪)で千葉選手の練習をよく見ていました。物静かで真面目。ジュニア時代からジャンプ、ステップなど構成要素を一つずつ、じっくりと積み上げていました。渡辺選手は昨年のアイスショー『ワンピース・オン・アイス』で共演したのですが、人懐こく、明るい性格。一緒に滑る中で『ジャンプで少し悩んでいます』と話しかけてくれたのが印象的です」

余韻に浸る間もなく、二人はもう″未来″について口にしている。全国紙運動部記者が言う。

「一夜明け取材で千葉選手は『五輪が目標になりつつある』と目を輝かせていました。表現力に重きを置くタイプなので、今後は表情や指先まで美しく見せるスケーティングに磨きをかけるでしょう。
渡辺選手は試合後の囲みで五輪プレシーズンとなる来季に向けて大技の4回転ループを『必ず習得する』と明言しました。2月中には練習拠点のトロントへ戻り、この新たな取り組みをスタートすると聞いています」

2年後のミラノ五輪への出場枠は最大でも3つ。世界女王の坂本花織(23)らライバルの多くが国際大会で上位に入っており、出場権争いは熾烈だ。

「女子は技の難度での点差がつきにくいので、演技構成や技の完成度による0.1点の違いが、順位に大きな影響を与えます。回転不足などによる取りこぼしを無くしつつ、技の出来栄えを最大限高めることが求められるため、今の選手たちはかつてないハイレベルな競い合いをしています」(前出・無良氏)

夢舞台に向け、若き二人の切磋琢磨は続く――。

千葉は4歳の頃、羽生結弦(29)が練習拠点としていたアイスリンク仙台で競技を始めた。同学年の吉田陽菜(18)らとともに、3月の世界選手権に出場する予定だ
千葉は4歳の頃、羽生結弦(29)が練習拠点としていたアイスリンク仙台で競技を始めた。同学年の吉田陽菜(18)らとともに、3月の世界選手権に出場する予定だ
表彰式後に二人で写真におさまる。身長は千葉(左)が155㎝、渡辺が153㎝と小柄だが、世界の舞台で堂々たる演技を見せた
表彰式後に二人で写真におさまる。身長は千葉(左)が155㎝、渡辺が153㎝と小柄だが、世界の舞台で堂々たる演技を見せた

『FRIDAY』2024年2月23日号より

  • PHOTO共同通信社

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