<h3><span class="strongInContent">「健康志向」で発酵食品が海外でも人気に</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>納豆といえば、おいしく健康的な発酵食品のイメージが強い。その納豆が海外でも食べられつつあり、日本からの輸出金額がこの６年で倍増した。どんなふうに海外に普及しつつあるのだろうか。</p>
<p>国内で「金のつぶ」シリーズや、「くめ納豆」などを販売するミツカングループは、米国を中心に納豆輸出額が年間数％程度伸びているという。同社広報担当は米国などの現地販売についてこう話す。</p>
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<p><span class="strongInContent">「アジア系スーパーの販売店舗が増えていることで伸びています。購入される方はアジアの方が多く、食べ方は日本と同じとみています」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_359341" aria-describedby="caption-attachment-359341" style="width: 3360px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ccc06fbf"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/64a6f731686c68fc34a8bfb77463fbe4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-359341" class="wp-caption-text">昨年の日本からの納豆輸出額は約19億円！　’17年比で、ほぼ２倍の急増ぶりだ（PHOTO：アフロ）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">訪日時に「納豆巻き」に魅了されて…</span></h3>
<p>訪日体験による納豆の普及もあるという。訪日外国人が納豆巻きなどで納豆を食べた経験から、帰国後も納豆を食べるようになったのではないかと同社はみている。</p>
<p>日本からの納豆輸出額は昨年約19億円と、前年に比べ7.6％増えた。’17年比ではほぼ２倍の急増ぶり。財務省貿易統計で昨年の輸出先割合を見ると、米国26％、中国21.7％、香港9.6％、台湾7.4％、韓国5.6％、豪州5.1％、カナダ3.6％など。</p>
<p>中国・香港向けに納豆輸出が増える背景に「健康志向」があるとみている全国納豆協同組合連合会の担当者はこう話す。</p>
<p><span class="strongInContent">「日本食品への安心・安全思想があり、都市部を中心に広がっていった。日本の税関別の統計で見ると、北海道からの輸出が多く、北海道ブランドが立っている」</span></p>
<p>中国向け輸出拡大の歴史的な背景には、中国の最高実力者だった鄧小平氏が「改革開放」路線を進め、ヤオハンなどが中国へ進出して取り扱い、日系企業関係者のコミュにティなどから広まっていったとみている。</p>
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<h3><span class="strongInContent">アメリカでは…たれや辛子を使わず、そのまま食べる！？</span></h3>
<p>連合会の担当者は<span class="strongInContent">「現地で納豆への接触ポイントができることで普及していくのは米国も同じです」</span>と話す。特に、米国での普及についてはこう指摘する。</p>
<p><span class="strongInContent">「日系企業コミュニティからコリアンなどアジア系の人たちに発酵食が広まったほか、健康を軸にアングロサクソン系などにも広がっていった。健康食志向で、安心・安全の日本というイメージがあります」</span></p>
<p>日本では納豆をご飯とともに食べることが多い。海外の人は納豆をどんなふうに食べているのだろうか。</p>
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<p><span class="strongInContent">「中国ではオン・ザ・ライスでなくイントゥー・スープか、たれをシャバシャバにつけて、あるいはそのまま食べているようです。味付けは薄めで、つゆは多め」</span></p>
<p>東京税関の「納豆の輸出」のサイトによると、東南アジアではスープなど汁ものの具材として使われることが多く、米国では、たれや辛子も使わず、そのまま食べるほか、葉物野菜と一緒に食べることが多いと紹介している。一方、海外では健康志向から食べる人が増えているものの、ねばりと匂いに抵抗がある人が圧倒的に多いともいう。</p>
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<p>最近は日本でも納豆をご飯と一緒に食べるだけでなく、サラダなどに混ぜるなど、食べ方は多様化している。ミツカンの納豆レシピのサイトを見ると、納豆とキャベツのお好み焼き、つまみ納豆冷やっこ、しらす納豆あえなど、納豆好きにはどれも試したい献立が並んでいる。</p>
<p>全国納豆協同組合連合会サイトによると、納豆は煮た大豆の表面に納豆菌が増殖してできる。発酵は20～22時間程度で終わり、製造開始から出荷まで最短で３日間程度。健康効果は、免疫力増強作用、整腸・ダイエット・疲労回復、抗菌・殺菌、骨元気などがあるという。</p>
<figure id="attachment_359342" aria-describedby="caption-attachment-359342" style="width: 3074px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9ae42f12"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/17c263831175c2ed14a63d17a4d8f88c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-359342" class="wp-caption-text">ハワイのスーパーマーケットでは、こんなパッケージに！</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">「冷凍すると180日くらい食べられます」</span></h3>
<p>連合会の担当者は納豆について<span class="strongInContent">「冷凍すると180日くらい食べられます」</span>と話す。輸出は基本的に冷凍した納豆になる。解凍は<span class="strongInContent">「食べる前に冷蔵庫に入れて、約１日経てば、おいしく食べられます」</span>という。</p>
<p>しかし、海外へ輸出された冷凍納豆については<span class="strongInContent">「みなさんが解凍などの扱いを知らないので、決しておいしいと思って食べられていないのではないか」</span>とも連合会担当者は話す。日本人からみると残念な話だ。</p>
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<p>それなら、海外で現地生産すればいいというものでもないらしい。海外は<span class="strongInContent">「マーケット規模が小さく、輸出のみとなっています」</span>（ミツカングループ広報担当者）。</p>
<p>海外販売には課題もある。ミツカングループ広報担当者は<span class="strongInContent">「各国法規制で、使ってよい原材料（たれなど）が定義され、国・地域によっては輸出できない納豆製品があります」</span>という。</p>
<p>さらに福島原発の処理水問題に中国が反発しており、現地で日本の食品への風当たりが強くなっている。全国納豆協同組合連合会の担当者は、昨年の中国向け納豆輸出について「前半は米国向けをしのぐ勢いでしたが、９月以降は失速しました」と話す。納豆輸出をけん引してきた中国向けだが、当面は低迷する可能性がある。</p>
<p>とはいえ、海外でも解凍などの食べ方を上手くすれば、おいしく食べてもらえる。まだまだ、納豆輸出には伸びしろがありそうだ。連合会の担当者は<span class="strongInContent">「大谷翔平選手が手巻き納豆寿司が好きとか、言ってくれるといいのですが」</span>と話し、今後の納豆の知名度向上に期待している。</p>


浅井秀樹

「納豆」が海外でも食べられつつあるという。日本からの輸出金額はこの６年で倍増した。海外では健康志向から食べる人が増えているというが、あの独特の「ねばり」と「匂い」に抵抗ないのか…。

【海外でブーム】「納豆」の輸出が６年で倍増…「スープに入れて」の中国、米国では「そのまま」が主流

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