2019年の「資産防衛術」 人気マネーサイトが警告&アドバイス

開始1ヵ月で1600万PV突破!『マネー現代』編集部が厳選した3記事に学ぶ

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サイトオープン初月からアクセスが殺到した投資・金融・経済情報専門Webメディア「マネー現代」。示唆に富んだプロからの警告、アドバイスをダイジェストでお届けする。

バカ売れ「AI投信」に退職金2000万円をぶち込んだ男性の末路

ファイナンシャルスタンダード代表 福田 猛

最近、投資信託の販売現場で人気なのがAI(人工知能)関連の投信です。

はたして、いま「AI投信」を購入するのは、資産運用として正解なのかどうか。人気のAI投信を購入したAさんのケースを紹介しましょう。

60歳になるAさんは長年勤めた会社で定年を迎え、退職金2000万円を手にしました。長かった会社員生活に一段落ついたので今はほっとしているものの、まだまだ長い老後に資金面での不安があります。

そこでまずは定期預金でもしようかと銀行に相談しました。すると、定期預金の説明もそこそこに、資産運用の話を切り出されました。銀行員から案内されたのがAI関連の投資信託。今後の発展が予想される企業に投資をする投資信託なので「将来性がある」という話でした。

資産が増えれば、将来は余裕のある老後を過ごせるようになると言われ、Aさんは「たしかに、投資で資産を増やせば老後は安泰だ。話題性もあるし、AIは将来有望だろう」と考え、紹介されたAI関連ファンド2000万円の購入を決めたのです。

翌日から毎朝、Aさんは購入した投資信託の基準価額を新聞でチェックしました。購入から数ヵ月経った時には10%程度評価額が上がっていました。自分の資産が増えていくのを目の当たりにしてAさんは上機嫌。数ヵ月で資産が10%(200万円)近くも増え、「この調子でいけば本当にゆとりのある老後が過ごせる」と期待を大きくしています。

しかし――Aさんのケースは資産運用で「失敗」する典型的な例です。なぜか? Aさんは投資を行ううえで大きな勘違いをしているからです。おそらくAさんは数年後、数十年後に後悔することになるでしょう。

まず投資をするうえで絶対におさえておかなければいけないのは、「(AIの)市場が拡大することと、株価が上がることは無関係」ということです。Aさんは、「AI市場が拡大する」→「だからAI関連の企業の株価を集めて運用している投資信託は値上がりが期待できる」と考えていますが、実はこの考え方が非常に危険なのです。

たとえば’00年代、クリーンエネルギーの将来性に注目が集まりました。世界中でクリーンエネルギーの関連企業が注目され、関連企業の株価は一気に上昇。太陽光発電の将来性を見据えて、太陽光パネルを製造している企業の株を買う投資家も大勢出てきました。

しかし、’12年4月、太陽電池の開発・製造などの大手企業であるドイツのQセルズという会社が経営破綻。多数の投資家が大損害を受けました。

Qセルズは高効率ソーラーパネルのセルの生産量で’07年、’08年は世界1位の大手企業でした。しかし、Qセルズは低価格の中国メーカーとの価格競争の激化、ドイツ政府の太陽光発電電力の買い取り価格の見直しの影響を受けて、市場は拡大しているにもかかわらず利益を上げられない状態に陥ってしまったのです。

他のクリーンエネルギー関連企業の株価も軒並み下落しました。

投資の世界では「新商品」と「人気商品」を購入してはいけないのが鉄則です。その理由は、新商品とは「企業(運用会社・販売会社)が”これは売れる”と思って作る新しい商品」のことだからです。投資の世界では、みんなが「良い!」と言っているものを後から買うことほど危険なことはありません。

みんなが「良い!」と思う頃にはすでに価格は上がり切っていることが多いため、あとは下がるしかない。人気商品には注意が必要なのです。

「老後は3000万円必要」を信じてiDeCoにハマった夫婦の悲劇

家計再生コンサルタント 横山 光昭

「このままでは老後、貧困に陥る」

少なくとも3000万円ないと老後破産する――世間でそう言われていますが、会社員のBさん(52)が試算すると、退職金と貯蓄を合わせ3000万円にも満たない。不安に思っていたBさんは同僚の勧めもあって、掛け金は全額所得控除で運用益は非課税というiDeCo(個人型確定拠出年金)に関心を持ちます。

さっそく掛け金の上限額を確認すると、企業年金との兼ね合いから月額1万2000円ということがわかりました。Bさんは「この程度の額ならなんとかなるだろう」と考え、iDeCoを始めてみることにしました。

さっそく、ネット証券に口座を開設。掛け金1万2000円は、給与振り込み口座から毎月引き落とされ、iDeCoに積み立てられていく仕組みにしました。積み立てた金額は半月するとインターネットで確認することができるので、毎月チェック。

運用益がわずかにつき始め、確認することが楽しいと感じ始めたころ、「妻にもiDeCoを始めさせよう。専業主婦だと税金は安くならないらしいが、老後資金を作るにはちょうどいい」と思いつき、妻(49)にも同じように専業主婦の上限額である月額2万3000円でiDeCoを始めさせました。

一家としては、これで月額3万5000円の支出になったのですが、このとき、Bさんご夫婦はある重大な失敗をしていることに気が付いていませんでした。

いままで夫の掛け金の1万2000円について、Bさんは「妻が家計をやりくりして捻出してくれるはずだ」と思っていたのですが、実は妻は何もしていなかった。掛け金で足りなくなった家計は、ボーナスで補塡することになっていたのです。

iDeCoは’18年からは、毎月ではなくて、年払いで掛け金を拠出することも可能になっているのですが、Bさんはその手続きが面倒だと感じ、そのままにしていました。

そこへきて今回、妻がiDeCoに加入して2万3000円の支出を増やしてしまったため、老後資金を貯めているはずが、実際には家計が赤字に陥るという本末転倒な状況になっていたわけです。きちんと家計を把握し、iDeCoの掛け金として出せる金額を吟味して始めるべきでした。そのうち、お金が足りなくなって、クレジットカードの総支払い額が上昇する始末。悪循環にハマりこみ、ボーナスだけでは補塡ができなくなる日も近くなってきました。

追い詰められたBさんご夫婦は、この状況を改善すべく、私のもとへ家計相談にやってきたのですが、改善は簡単ではありません。

第一に、iDeCoは一度始めたら掛け金額の変更はできても、60歳まで原則、やめることができません。掛け金の支払いをやめて運用だけにすることもできますが、それでは手数料ばかり取られる可能性があり、始めた意味がなくなってしまいます。

そのため、最低5000円からできる掛け金の支払いは続けたいのですが、それを毎月の収入から支払えないことにはいまの状況から脱却できません。そこで、早急に状況を改善すべく、手数料がかかっていたクレジットカードの支払いは、いまある貯蓄を使って一度に精算。家計のムダを省いて、なんとかやりくりできるまで改善しました。

投資をする際は、簡単なことではないでしょうが、正確な「情報」と、それを「自分のケースだとこうなる」と分析・判断する力を少しずつでも養っていく必要があります。冷静な判断なくして、投資の成功は望めないのです。

住宅ローンの「金利上昇」で、年収600万円の人がマジで危ない理由

住宅ジャーナリスト 山下 和之

金利が上昇すると、変動金利型住宅ローンの利用者に深刻な危機が迫ってきます。

金利が上がったとしてもコンマ以下の動きならたいしたことない――そう考えている人がいれば、たいへんな間違いです。住宅ローンは3000万円、4000万円という多額の借り入れであり、返済が30年、35年も続くので、金利負担の影響は計り知れません。

「借入額3000万円、35年返済」の例で考えると、金利1.0%で借り入れできれば、35年間の総返済額は3557万円なのが、それが金利1.2%になると118万円増えて3675万円に、1.4%だと239万円も増加して3796万円に達します。金利が1.0%上がって2.0%になると、何と617万円もの負担増です。

さらに借入額4000万円の場合はどうでしょうか。こちらは、金利0.2%のアップで159万円、0.4%のアップで320万円の増加。金利1.0%の上昇では実に823万円もの負担増になってしまいます。金利上昇の影響がいかに大きいか、この数字を見るだけで一目瞭然でしょう。

たとえば、日本人の平均年収400万円で、3000万円のローンを組むためには、金利1.0%でも年間返済額が年収に占める割合=返済負担率は25.5%となります。銀行などの審査基準では「年収400万円以上なら返済負担率35%まではOK」とされていますが、現実にそんなに借りてしまうと返済が厳しくなる。一般的には年収の25%程度に抑えるのが安心といわれています。

その安全ラインでの取得を考えるなら、借入額3000万円だと、金利1.0%以下の10年固定や変動金利型を利用するしかありません。

今後、金利がもう一段上がって、1.0%以下の住宅ローン商品がなくなってくれば、年収の低い人は住宅ローンを組めなくなってしまいます。ある程度の年収のある人しかマイホームを持てなくなってしまうわけなのです。

では、具体的にいくらまでの金利上昇なら許容できるのでしょうか。

借入額が4000万円のケースでシミュレーションしてみましょう。年収400万円だと金利1.4%でも返済負担率は36.2%に上がって、安全ラインどころか、銀行の審査基準では不合格になってしまいます。

年収600万円なら、現在のフラット35の金利に近い1.4%で返済負担率は24.2%なので、ある程度安心してローンを組めますが、0.4%上がって1.8%になると返済負担率は25.7%と安全ラインを超え、負担感はかなり重くなります。

家計管理の状況にもよりますが、厳しい返済生活になるので、住宅ローンをお勧めしにくくなる。さらに、1.6%上がって3.0%になれば、年収600万円でも返済負担率は30.8%に達してしまい、一段と取得が厳しくなるのです。

住宅ローンを組む際は、ある程度の金利上昇を見込んだゆとりのある資金計画にしておくことが重要になります。

「マネー現代」:https://gendai.ismedia.jp/money

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