『なつぞら』アニメ時代考証・小田部羊一氏と東映動画のスゴい人々 | FRIDAYデジタル

『なつぞら』アニメ時代考証・小田部羊一氏と東映動画のスゴい人々

【独占インタビュー】「朝ドラ『なつぞら』広瀬すずヒロインのヒント・奥山玲子さんの全て」に続く第2弾

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アニメーション映画『わんわん忠臣蔵』の頃の奥山玲子さん。「週刊文春」(1963年7月22日号)掲載用に撮影された写真から(写真提供 文藝春秋)。この記事はインタビュー3ページ、モノクログラビア4ページで構成されており、当時の注目の大きさがうかがえる
アニメーション映画『わんわん忠臣蔵』の頃の奥山玲子さん。「週刊文春」(1963年7月22日号)掲載用に撮影された写真から(写真提供 文藝春秋)。この記事はインタビュー3ページ、モノクログラビア4ページで構成されており、当時の注目の大きさがうかがえる

「FRIDAYデジタル」は他メディアに先駆けて19年2月に小田部羊一氏にロングインタビューを実施した。4月1日の第1弾(下記)を皮切りに第3弾まで公開した記事は、そのインタビューの一部である。記事の大反響を受けて刊行したのが、書籍『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』である。本書は2月のインタビューを再構成し、8月に実施した2回目のロングインタビューも盛り込み、さらに奥山・小田部夫妻と同時代を開拓したアニメ―ション演出家3人、アニメーター3人のインタビュー&寄稿を加えて構成した240ページのボリュームとなっている。

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『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』の書影(右は帯つき)。カバーイラストは小田部羊一氏描き下ろし。著:小田部羊一 聞き手:藤田健次
『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』の書影(右は帯つき)。カバーイラストは小田部羊一氏描き下ろし。著:小田部羊一 聞き手:藤田健次

書籍『漫画映画 漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』とは

『なつぞら』のリアル。ドラマを超えた劇的ストーリー登場!

朝ドラ『なつぞら』でヒロイン奥原なつ(広瀬すず)のヒントとなった故・奥山玲子氏。同作でアニメーション時代考証をつとめた小田部羊一氏。ふたりは「おしどりアニメーター」として活躍したご夫婦です!

アニメーションの草創期を開拓した奥山さんと小田部さんの長く幅広い活動にスポットライトをあてた「ドラマを超えた劇的ストーリー」が満載。ふたりは「東映動画」を皮切りに、様々なスタジオ、様々な名作に関わり、それぞれが銅版画家として、任天堂ゲームキャラクターのデザイナーとしても活躍しました。

本書は小田部さんに2回のロングインタビューを実施。さまざまなエピソードが明かされます。またご提供いただいた秘蔵写真・イラストを多数掲載しています。

さらに、ご夫婦の人柄や業績を知る演出家やアニメーターたちに「ふたりとの創作と日常の舞台裏」をインタビュー。名作・傑作の創造の秘密や、東映動画の職場結婚・出産、共稼ぎの先駆者となった夫妻の知られざるエピソードがあふれています。そこには、「アニメーションの舞台裏」にとどまらず、今も昔も変わらない「働いて、生きることのリアル」も明かされています。

書籍『漫画映画 漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』内容紹介(構成やタイトルなどが変更になる場合があります)

〔1〕小田部羊一インタビュー

〔Part 1〕”アニメーター”奥山さんのこと…「動画」と「童画」を」勘違いしてアニメーションの世界へ/毎日違う服、挑む同僚たち/『太陽の王子ホルスの大冒険』中傷画と鬼山さん/奥山さんの聞くもの、創るもの

〔Part 2〕”夢の工場”東映動画のこと…日本画からアニメーションの世界へ/東映動画での会社生活/東映動画という学校/

〔Part 3〕”パートナー”ふたりのこと…ペラっと/ダンスがきっかけ/いつも奥山さんが後押し

〔Part 4〕”夫婦回顧”さらに、ふたりのこと…長い道のりのスタート/産休明けの母乳/『ハイジ』キャラクター誕生秘話と25年目のスイス旅行/ぎっくり腰と『母をたずねて三千里』/”羊”と”玲”であんていろーぷ日本文化と日本画を積極的に取り入れた『龍の子太郎』/強いけど、弱くてかわいい奥山さん/東京から京都へ。そして今にして思うこと。

〔2〕演出家たちの証言

・勝間田具治 『アンデルセン童話 にんぎょ姫』作画監督 奥山玲子との仕事…実写からアニメの世界へ/『アンデルセン童話 にんぎょ姫』、今明かされる実写パートの秘密/『にんぎょ姫』での作画監督の奥山さんとの共同作業/短い制作期間で見せた現場の意地/改めて思う、奥山さんとの仕事/勝間田さんから見た、小田部さんと奥山さん

・葛西治 『龍の子太郎』古巣に戻った夫婦を支えた東映動画スタッフ…『龍の子太郎』が動き出すとき/2人を迎え入れた「準備室」/はじめて語られる『龍の子太郎』メイキング/クリエイトコーナーと浦山監督/キャスティング秘話/葛西さんから見た、小田部さんと奥山さん

・池田宏 『空飛ぶゆうれい船』『どうぶつ宝島』からスーパーマリオの世界へ…はじめに/初めての出会いはアメノハヤコマ/お互い新人だった『空飛ぶゆうれい船』/アメリカ大使館で学んだ『ストーリーボード方式』/『どうぶつ宝島』から生まれた日本型アニメーションの「波」/池田さん、東映動画から任天堂へ/任天堂に小田部さんを呼んだワケ/奥山さんの本当にやりたかったこと/小田部さんの本当にやりたいこと

〔3〕アニメーターたちの証言

・山下(中谷)恭子 寄稿「懐かしい奥山玲子さん」

・ひこねのりお 「妖しい踊りと結婚の告白」…「おめでとう」が出会いの言葉/奥山さんからの突然の告白/『わんぱく王子の大蛇退治』、そして東映動画の思い出/ひこね夫妻から見た、小田部さんと奥山さん

・宮崎(大田)朱美 「奥山さんから続く女性アニメーターの路」…大田朱美さんから見た、出来たての東映動画と奥山さん/職場の思い出/びっくりした小田部さんの仕事ぶり/『太陽の王子ホルスの大冒険』と労働問題/奥山さんの道をかきわけながら進んだ、共働き生活/アニメーターを辞めて家庭に/宮崎さんから見た小田部さんと奥山さん/奥山さんから続くもの、そして得たもの

〔4〕フォト&イラストギャラリー等

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『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』のレビュー(一部)

【それこそ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東映動画』と形容したくなるほど、50年代末から70年代末にかけての東映動画とその周辺の模様をわかりやすくも丁寧に捉えた好著であった。】「キネマ旬報」〔戯画日誌〕欄(9月5日掲載)映画評論家:増當竜也氏

【故・奥山玲子さんの夫、小田部羊一さんは一久さん顔負けの「育児する夫」だったのです。『漫画映画漂流記』では、昭和40年台の共働きの大変さがリアルに記されています。】「たまひよONLINE」(9月13日掲載)

【『漫画映画漂流記』には、奥山さんがいかにして道なき道をきたのかも綴られています。小田部さんや宮崎(朱美氏、宮﨑駿監督夫人)さんをはじめ、演出家やアニメーターたち、の証言も盛りだくさんの一冊。アニメーション勃興期に、アニメーションをどのように作って行ったのか、子どものいる共働きをどう乗り越えてきたのか。「漫画映画」と「共働き」について多くの資料とや証言で綴られている。】「FRaU」(デジタル版)(9月14日掲載)

【美人でファッショナブル。女性社員の先頭に立ち、子育てをしながら働く道を切り開いた。そんな愛妻との思い出をまとめた『漫画映画漂流記』が刊行された。】「朝日新聞」〔ひと〕欄(9月26日掲載)小原篤記者

【『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』関連記事】

〔第1弾(4/1)〕朝ドラ『なつぞら』広瀬すずヒロインのヒント・奥山玲子さんの全て
〔第2弾(4/22:公開終了)〕小田部羊一氏と東映動画の「スゴい人々」

〔第3弾(6/10:公開終了)〕奥山玲子さん&小田部羊一夫妻「創作の日々」

〔第4弾(8/17)〕本当の最終回へ『なつぞら』のリアルとその後を小田部羊一氏が語る
〔第5弾(8/31)〕『なつぞら』の原点・奥山さんの親友が語る共働き・子育ての実像
〔第6弾(9/4)〕『なつぞら』原点 奥山玲子・小田部羊一夫妻は漫画映画を開拓した
〔第7弾(9/28)〕最終回『なつぞら』ヒントとなったおしどりアニメーターの開拓史

小田部羊一(こたべ よういち)プロフィール

小田部羊一氏  撮影:水野昭子
小田部羊一氏  撮影:水野昭子

1936年台湾台北市生まれ。1959年、東京藝術大学美術学部日本画科卒業後、東映動画株式会社(現:東映アニメーション)へ入社。『わんぱく王子の大蛇退治』(1963)『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968)『長靴をはいた猫』(1969)『どうぶつ宝島』(1971)などの劇場長編映画で活躍。『空飛ぶゆうれい船』(1969)で初の劇場作品作画監督。東映動画退社後、高畑勲、宮崎駿と共にメインスタッフとして『パンダコパンダ』(1972)『アルプスの少女ハイジ』(1974)『母をたずねて三千里』(1976)のキャラクターデザイン・作画監督を担当。
その他劇場作品の『龍の子太郎』(1979)、『じゃりン子チエ 劇場版』(1981)でキャラクターデザイン・作画監督。
1985年、開発アドバイザーとして任天堂(株)に入社。「スーパーマリオブラザーズ」「ポケットモンスター」シリーズなどのキャラクターデザインおよびアニメーション映像の監修。2007年任天堂退社後フリー。2015年度第19回文化庁メディア 芸術祭で功労賞を受賞。

奥山玲子(おくやま れいこ)プロフィール

奥山玲子さん。仕事場に設置してある銅版画用のプレス機と共に。1990年前後に撮影
奥山玲子さん。仕事場に設置してある銅版画用のプレス機と共に。1990年前後に撮影

1935年宮城県仙台市生まれ。宮城学院高等学校卒業。東北大学教育学部中退。1958年東映動画(現・東映アニメーション)入社。『白蛇伝』(動画)、『わんぱく王子の大蛇退治』(原画)、『太陽の王子ホルスの大冒険』(原画)、『アンデルセン童話 人魚姫』(作画監督)、『龍の子太郎』(作画監督補)、『注文の多い料理店』(原画)、『冬の日』(絵コンテ・原画)。1985年より東京デザイナー学院アニメーション科講師。1988年より銅版画制作。2007年、逝去。

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『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』のレビュー(一部)

【それこそ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東映動画』と形容したくなるほど、50年代末から70年代末にかけての東映動画とその周辺の模様をわかりやすくも丁寧に捉えた好著であった。】「キネマ旬報」〔戯画日誌〕欄(9月5日掲載)映画評論家:増當竜也氏

【故・奥山玲子さんの夫、小田部羊一さんは一久さん顔負けの「育児する夫」だったのです。『漫画映画漂流記』では、昭和40年台の共働きの大変さがリアルに記されています。】「たまひよONLINE」(9月13日掲載)

【『漫画映画漂流記』には、奥山さんがいかにして道なき道をきたのかも綴られています。小田部さんや宮崎(朱美氏、宮﨑駿監督夫人)さんをはじめ、演出家やアニメーターたち、の証言も盛りだくさんの一冊。アニメーション勃興期に、アニメーションをどのように作って行ったのか、子どものいる共働きをどう乗り越えてきたのか。「漫画映画」と「共働き」について多くの資料とや証言で綴られている。】「FRaU」(デジタル版)(9月14日掲載)

【美人でファッショナブル。女性社員の先頭に立ち、子育てをしながら働く道を切り開いた。そんな愛妻との思い出をまとめた『漫画映画漂流記』が刊行された。】「朝日新聞」〔ひと〕欄(9月26日掲載)小原篤記者

【『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』関連記事】

〔第1弾(4/1)〕朝ドラ『なつぞら』広瀬すずヒロインのヒント・奥山玲子さんの全て
〔第2弾(4/22:公開終了)〕小田部羊一氏と東映動画の「スゴい人々」

〔第3弾(6/10:公開終了)〕奥山玲子さん&小田部羊一夫妻「創作の日々」

〔第4弾(8/17)〕本当の最終回へ『なつぞら』のリアルとその後を小田部羊一氏が語る
〔第5弾(8/31)〕『なつぞら』の原点・奥山さんの親友が語る共働き・子育ての実像
〔第6弾(9/4)〕『なつぞら』原点 奥山玲子・小田部羊一夫妻は漫画映画を開拓した
〔第7弾(9/28)〕最終回『なつぞら』ヒントとなったおしどりアニメーターの開拓史

『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』の書影(右は帯つき)。カバーイラストは小田部羊一氏描き下ろし。著:小田部羊一 聞き手:藤田健次
『漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』の書影(右は帯つき)。カバーイラストは小田部羊一氏描き下ろし。著:小田部羊一 聞き手:藤田健次

⇒たちまち重版!『漫画映画 漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一』 を購入する

取材・構成・文:藤田健次 E-SAKUGA公式サイト

企画協力:木川明彦

  • 取材・構成・文藤田健次

    (ふじたけんじ)(株)ワンビリング代表取締役。電子書籍アニメ原画集・資料集E-SAKUGAシリーズを企画・制作。アニメ・アーカイブのデジタルでの利活用を提案・プロデュースしている。東映アニメーション60周年記念ドキュメント「僕とアニメと大泉スタジオ」、アニメビジネス情報番組「ジャパコンTV」(BSフジ)共に企画・監修。

  • 企画協力木川明彦

    (きかわあきひこ)(株)ジェネット代表取締役。アニメ、特撮、SF、ゲーム関連の雑誌・書籍の企画編集に関わる。特に設定考察、図解にこだわる 自称「図解博士」。近著に小説『高速バスター ミナル』(スペースシャワーネットワーク)がある。

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