「迷い道」元貴乃花親方 政界進出か、芸能界で生きるか
福島の被災地で復興支援中
「福島のイベントに深い意味があるということは、昨年参加した二人(元夫人の河野景子氏と息子の花田優一氏)から聞いていました。相撲協会を辞めてやりたかったことの一つが、今日のような催し物への参加です。これからも出席したい」
こう話すのは、元貴乃花親方の貴乃花光司氏(46)である。
貴乃花親方が参加したのは、3月11日に福島県郡山市で行われた東日本大震災復興ライブ「福魂祭(ふっこんさい)」だ。午前10時から塩味ちゃんこの仕込みを始めた貴乃花親方は、夜8時過ぎまで来場者に提供。実に10時間にわたり約3000杯のちゃんこを、被災地の人々に振る舞ったのだ。貴乃花親方が続ける。
「会場が大きく、大勢の人が来ていたのに驚きましたね。子どもたちに『どうぞ、どうぞ』と言いながらちゃんこを配ると、『ありがとうございます』と声をかけてくれて逆に力をもらいました」
笑顔が絶えなかった貴乃花親方の表情が変わったのが、昼前に行われた記者会見の時だ。報道陣から政界進出について問われると、こう言って語気を荒らげた。
「ありません。勘弁してください!」
本人は「100%ない」と否定するが、貴乃花親方の政界進出の噂は絶えない。昨年末には、超党派のスポーツ議員連盟が主催するフォーラムに出席。今年に入ってからも、自民党の遠藤利明・元五輪担当相らと会食していることが判明している。相撲協会関係者が明かす。
「協会引退後、多くの政治家が接触しているのは事実です。元同部屋の貴闘力などは、『相撲界を変えるには政治家になるしかない』と煽っています」
一方、今回のイベント参加で芸能界で生きる決断をしたとの見方もある。
「貴乃花親方には、所属芸能事務所の人間が多数同行していたからです。ちゃんこ料理を手伝っていたスタッフのダウンジャケットの背中にも、大きく事務所の名前が書かれていた。これまで貴乃花親方は単独行動が多かったですが、今後は事務所のマネージャーと共に動くことになるでしょう」(芸能事務所関係者)
政治家か、芸能人か……。相撲界から離れ、家族とも離ればなれになった貴乃花親方は迷い道にいる。
- 写真:井沢雄一郎