メディアとの交流にOB対応…好調・巨人を支える阿部慎之助・新監督の「したたかな戦略」
阿部慎之助新監督(45)の就任で雰囲気がガラッと変わり、オープン戦でも悪くない成績を残した巨人。3月2日~3日に台湾で球団創設90周年と台北ドームの開業記念の親善試合を行うなど、イベントも盛りだくさんだ。
’19年からチームを5年間指揮した原辰徳前監督(65)時代から2軍監督、1軍ヘッドコーチとして帝王学を学んできた阿部監督。しかし、キャンプでは〝脱・原政権〟の姿勢を随所に見せていた。
「新体制の船出としては及第点でしょう。原前監督時代は2軍、3軍との風通しがとにかく悪く、ほとんど意思疎通がとれていなかった。そのため今キャンプでは、1軍休養日に2軍対3軍の紅白戦を実施した。
球団は事前に阿部監督が視察するとアナウンスし、グラウンドで阿部監督と桑田真澄2軍監督(55)、駒田徳広3軍監督(61)の3人が揃ってコミュニケーションする姿をマスコミに撮影させた。コミュニケーションが円滑であるというアピールに成功しました」(球団OB)
巨人軍の代表として、阿部監督はメディアとの交流にも力を入れている。
「現役時代は担当記者に悪態をつくなど、取っつきにくいイメージが強かったですが、監督になって変わりました。新聞やテレビの番記者を集めて会食するなど、コミュニケーションを取っていますからね。
またグループ会社にテレビ局があるにもかかわらず、前政権時代はないがしろにしていたテレビ各局の幹部と積極的に会食しています。球団幹部からの『しっかりコミュニケーションを取るように』との指示を忠実に守っているようです」(スポーツ紙デスク)
若くからジャイアンツの顔として活躍していた阿部監督だけに、伝統球団のしがらみは痛いほどわかっているようだ。
「生え抜きで今年入閣できなかったOBのケアに必死です。雑談に応じたり、サロンに案内するなど〝アテンダー〟として活躍していますよ。オラオラキャラクターだった現役時代からはとても想像できないくらい平身低頭です」
若手を台頭させ、チームの改革に成功している阿部監督。前政権に欠けていたコミュニケーション力でV奪還となるか。お手並み拝見といきたい。
写真:共同通信社