街裏ぴんく「優勝は3人の恩人のおかげです!」『Rー1グランプリ』第22代目王者を直撃インタビュー
苦節 20年、独特すぎる「ファンタジー漫談」で史上最多5457人の頂点に
「決勝後のSNSは否定的な反応ばかり。どこもかしこも『否!否!否!(ぴぴぴ)』(笑)。でも自分の笑いが間違いとは思いません」
そう言い切ったのは『R−1グランプリ2014』王者の街裏ぴんく(39)だ。著名人が多数登場する架空の「ファンタジー漫談」で史上最多5457人の参加者の頂点に立ったが、独特な世界観に「ただ怒鳴っているだけに見える」などの批判的なコメントも見受けられた。
優勝後に本人を直撃すると、冒頭のように語ったあと、芸風を培(つちか)ったウラにいる3人の恩人の存在を明かした。
「とくに世話になったのはハリウッドザコシショウさんです。俺はクセしかない芸風ですが、シショウは『自分のやりたいこと、手垢(てあか)がついてないことに挑戦している』といつも背中を押してくれた。感謝しかありません」
大物司会者も何度も助言をくれた。
「笑福亭鶴瓶師匠からは、『自分のボケを押し通す人に、客は好意を持てない』って言われて。年始にも『ベタをできるようになりや』って。鶴瓶師匠のおかげで、尖(とが)るところ以外、わかりやすくすることが必要だと考えるようになりました」
意外なアドバイスをくれたのは、放送作家の鈴木おさむだ。
「『バカリズムみたいになれ!』って言われたんです(笑)。あれは舞台ばかりでメディアに出られずにいた’17年頃です。舞台に立ち続けてトップに上り詰めたバカリさんを例に、今のやり方でいいと言われた気がして、自信になりました」
コワモテの見た目から勘違いされることも多いが、ギャンブルも酒もやらない。苦節20年、真摯(しんし)に芸と向き合ってきた。
「夢は漫談で全国を回ること。あと、尊敬する松本人志さんと仕事してみたい。やりたいことだらけですよ。『R−1』には夢がありますから」
舞台ではウソの漫談を喋(しゃべ)る街裏の、大物たちとのホントの秘話。彼らの助言を胸に、王者としての一歩を踏み出す。
『FRIDAY』2024年3月29日号より
PHOTO:濱﨑慎治