原田龍二が“こだま”を見た! 無数に現れた白い影の正体は? | FRIDAYデジタル

原田龍二が“こだま”を見た! 無数に現れた白い影の正体は?

訪ねる先々で不思議体験をしているミステリー体質の原田龍二。今回はジブリアニメーションで出た、あの“こだま”との不思議な出会いを語る。 ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.006

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日本有数のパワースポットとしても知られる鹿児島県・屋久島。1993年には世界自然遺産に登録され、樹齢3000年の縄文杉が自生しているなど、太古から変わらない神秘の地。ここで不思議な力を感じ、ミステリー体験をする人も続出するという。そして俳優であり、ミステリーチェイサーの原田龍二が屋久杉の中にたたずむ“こだま”の姿をついに写真に捉えた!!

◆ 木々に宿る精霊たちに不思議な存在に対する自分の思いを試される

屋久島には番組のロケで一度、温泉を訪ねたことがありました。平内海中温泉という温泉で、普段は海の中にあるのですが、干潮時だけ入浴ができる温泉なんです。ここを訪ねた時は2時間程度しか屋久島に滞在することができず、屋久島・縄文杉のパワースポットとしての神聖な力の存在を知っていたので、いつかまた必ず訪ねたいと思っていました。それだけに『世界の何だコレ!?ミステリー』(フジ系 毎週水 夜7時〜)の収録で屋久杉の原生林を訪ねられると聞いた時は、屋久島との不思議な縁を感じ、きっとまたおもしろい出会いを映像に収めることができるはずと期待をしていました。

しかし、結果としてこの時ほど精神的に厳しかったものはありませんでした。このロケでは“不思議な存在”という物に自分を試されたのかもしれません。

飛行場に降り立った時は、身体も精神も過酷なロケになるとは想像もしていなかった
飛行場に降り立った時は、身体も精神も過酷なロケになるとは想像もしていなかった

ロケでは、屋久杉の森の中にいるという精霊である“こだま”の姿を写真に捉えることを目的としていました。こだまと言えばジブリのアニメ映画『もののけ姫』の中で奥深い森の木々にたたずみ、首を振っているかわいらしい姿を想像する人も多いのではないでしょうか? 実は屋久杉の森を訪ねる人の間ではこだまの存在が知られていて、数多くの撮影の成功例を聞いていたので、きっと僕も撮ることができるだろうと、今思えば正直安易な気持ちでいたのも事実です。

◆ 片道8時間歩き、1400枚の写真を撮るも屋久島の精霊は心を開いてくれない……

うっそうと生い茂る屋久杉と、それを守るかのような濃密な湿度。まさに非日常の様子に僕もスタッフも期待が高まっていました。朝5時には出発し、それから5時間以上トロッコ線路のあった道をずっと歩いて行きました。一眼レフを首から下げ、手には小型カメラをもち、いつでもこだまを捉えることができる状態で歩いていました。そしてその枕木の道を超えてから、さらに2、3時間歩いて最終的な撮影の目的地に着きました。森の奥深く、周囲には巨大な屋久杉が立ち並び、雄大な自然の中に僕は“グレイト・スピリッツ”(=大いなる神秘・精神。ネイティブアメリカンの思想であり、すべての生きとし生けるもの、そして宇宙に存在するものすべては、大いなる神秘・精神のもと平等に生きているという考え)を感じました。ただ、肌で感じる思いとは裏腹に、1400枚も撮影した写真や映像には一切こだまの姿は写っていませんでした。

「今回はもしかすると収穫がないかもしれないな」という思いがよぎったのも確かです。不安と疑心を抱えながら8時間かけて来た道を、夕暮れが迫って来ていたので、駆け足で戻りました。その日は僕も撮影スタッフも体力的にも精神的にも辛かったですね。

雨の日が多いと言われる屋久杉の森で、よい天候に恵まれる。幸先のいいロケの始まりだったはずだが、こだまの姿は見当たらない
雨の日が多いと言われる屋久杉の森で、よい天候に恵まれる。幸先のいいロケの始まりだったはずだが、こだまの姿は見当たらない

◆「どうかその姿を見せてください」真摯に祈りを捧げると、こだまは突然姿を現した!

2日目は朝4時に起きて、人があまり足を踏み入れていない場所に誘導してもらい、そこで再度こだまの姿を捉えることにしました。歩く道すがら、ずっと撮影をしていたのですが、やはりこだまは写らず、目的地の森で撮影をするもやはり結果は同じく、目の前に見える森の様子がモニターに映し出されるだけ……。帰りの飛行機の時間もあり、そろそろ帰路につかねばならないという時間になった時、僕はスタッフの皆さんに「少しだけひとりにして欲しい」と頼んだんです。

スタッフと少し離れた場所へ行き、岩の上に座り、改めていつも座敷わらしやミステリー・スポットを訪ねた際に行うように、自分の名前を名乗り、
「お邪魔して申しわけないが、どうかその姿を見せてほしい」
と語りかけました。僕は不思議な存在に対しても、彼らの立場に立って考えるんです。突然、自分の生活している場所に知らない人が機材を持って訪ねて来たら嫌ですよね。だから礼儀として必ず自己紹介をして挨拶をするんです。今回のロケは焦りや、撮影に夢中で、もしかしたらそういう“大きな存在を敬う心”が少し足りなかったのかもしれません。時間をもらった僕は、語りかけるというより、祈りに近い思いで森に自分の思いを話しかけました。

そして語りかけ終わった後、ふと自分の近くに立っていた大きな杉を撮影したんです。すると、昨日からの苦労はなんだったのかと思うほど大量のこだまがカメラに映し出されたんです!

モニターに映る無数の白い粒が見えるだろうか? これがこだまの姿だ!
モニターに映る無数の白い粒が見えるだろうか? これがこだまの姿だ!

この大量の白い粒。これこそが森に暮らし、木々に宿るこだまの姿なのです。

でも一説では、高温多湿の場所では水の粒子が光に反射して、こういう白い粒が写る現象が起きるとも言われているそうなんです。ただ、この写真では見えにくいのですが(テレビ放送した際にはくっきりと写っていた)、この白い粒をよく見ると、それぞれに黒い点が3つあり、まるで目と鼻のようなのです。そう、まるで、『もののけ姫』に出てきた“こだま”のような顔が大量に写っているんです! 『もののけ姫』の宮崎駿監督がこだまの姿を想像して描いたのか、何か文献を元にキャラクターを作ったのかどうかは分かりません。ただ、アニメで見たあのこだまと同じ姿が、実際に写るという不思議……。きっと人間が森の中に入り感じる不思議な思いというのは万人に共通するもので、それがもしかしたら“こだま”としてあの様な姿で作品に描かれたのかなと、今なら思います。

以前、ヤノマミ族を訪ねた際、雨が降ってきた時に女性だけが家の屋根に登り、まるで祈るように雨の精霊に向かって叫びだしたんです。そういうプリミティブな感覚を僕たちは日常生活を送っていると忘れてしまいがちですが、この屋久島で森に祈りを捧げ、こだまが姿を現してくれたことで、ヤノマミ族のあの雨への祈りの思いも理解できた様な気が少ししますし、すべての物には精霊が宿るということを再認識しました。ミステリーチェイサーとして改めて不思議な存在を敬うことを忘れないようにというメッセージをもらった貴重なロケだったと思います。

精霊、妖怪、理解を超えた不思議な存在……それはあなたの思いひとつで目の前に現れてくれるのです。

  • 語り部原田龍二
  • 企画・構成SUPER MIX
  • 知野美紀子(SUPER MIX)

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