筒香獲得はポーズ? 古巣・DeNAが「編成上は必要ない」のに本気で交渉をしている納得の理由
米メジャーリーグ・ジャイアンツと結んだマイナー契約のオプトアウト(契約破棄条項)を行使し、日本球界復帰を選択した筒香嘉智(32)。すでに複数のNPBの球団と交渉中のようだ。
「日本復帰の第一報を打ったのは、筒香と親しくしている関係者のいる日刊スポーツでした。抜いた、抜かれたにうるさいスポーツ紙業界が黙っているわけがなく、今度はスポーツニッポンが巨人入りが決定的というニュースを流した。これで騒ぎが拡大しました」(スポーツ紙デスク)
ただ、当の筒香は親しい球界関係者に騒動を陳謝しつつ「まだ決まっていない。(どこに入団するか)決まれば伝える」と連絡を入れているという。
筒香をよく知る横浜OBはこう話す。
「巨人、DeNAの2択に絞られたのはほぼ間違いない。あとは条件次第といったところ。ただチーム編成を見た場合、DeNAは若手の野手が育ってきているし、外野は佐野恵太(29)、関根大気(28)、ルーキーの度会隆輝(21)と盤石。筒香であっても、レギュラーの確約はできない。それは巨人も同じだけど、レギュラー手形の代わりに指導者手形を切るなど、引退後の面倒を見ることも含めたプランでジャイアンツは口説き落とそうとしているようだ」
気になるのは、一部OBの間で「DeNAが筒香を獲得しようとしているのは“ポーズ”ではないか」という疑念の声が上がっていることだ。先日、三浦大輔監督(50)は「球団が交渉しているのは聞いている。祈りながら見守るしかない」と話していたが……。
「筒香は今でも、DeNAのフロントや現役選手、OBなどあらゆる立場の人間と良好な関係を築いています。地元横浜高校の出身で、ベイスターズに愛着がある、通算205本塁打を放った恐怖の元4番打者。本来は何が何でも獲りにいかなければいけない存在ですが、今のチームにとって補強が必要なのは投手で、野手には特段、困っていない。それでも獲得を目指しているのは、ファンや地元スポンサーの手前、『いらない』とは口が裂けても言えないから。地元の英雄から手を引いたと思われたら、集客や来シーズンのスポンサー獲得にも影響が出るでしょう」(DeNA関係者)
筒香は現地に骨をうずめる覚悟で渡米したが、夢半ばで帰国した。古巣に戻って温かい声援のなか打棒をふるうのか、あえて紳士球団の厳しい環境に身を置いてもう一花咲かせるのか。決断の日は近い。
PHOTO:共同通信社