<h3><span class="strongInContent">「こちらで用意するから、指定の柔軟剤に変えてほしい」！？</span></h3>
<p>春は引っ越しの季節。新居で新生活を始めた人も多いだろう。引っ越しで心配なのは、隣人がどんな人なのか、ということ。“隣人ガチャ”という言葉もあるように、どんな隣人にあたるかで、そこでの生活が不愉快なものになってしまう危険もある。</p>
<p>「隣人トラブルは年々増えています」と言うのは、近隣トラブル解決支援サービスを提供するヴァンガードスミスの中里さん。契約者から寄せられるさまざまなトラブルの内容をヒアリングし、双方の間に入ってトラブルを収束に導いている。</p>
<p>毎日多くの近隣に対するクレームを聞き、「たいていのことには驚かなくなった」という中里さんだが、その中里さんも「こんなことが」と驚いたのが、「隣の家の柔軟剤の匂いが気になる」というもの。</p>
<p>このときは、「こちらで用意するから指定の柔軟剤に変えてほしい」というリクエストは相手に聞き入れられなかったが、</p>
<p><span class="strongInContent">「自分の基準と合わないことが許せない、自分は間違っていないと思ったら、とりあえず言ってみる。トラブルの原因が増えているというよりも、社会全体として違和感をもったら何でも主張をしてもいいんだという空気感になっていることがクレームやトラブルの増加につながっていると感じます」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<figure id="attachment_369132" aria-describedby="caption-attachment-369132" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="17857f9d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/7665191891db7bee3cec24f4b964cace.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-369132" class="wp-caption-text">「社会全体として主張をしてもいいんだという空気感になっていることがクレームやトラブルの増加につながっていると感じます」と中里さん</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">「お友だちになりたい」と手紙が…</span></h3>
<p>中里さんによると、トラブルの７割は足音、洗濯機や掃除機の音、子どもの声など“音”に関するものだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「最近は隣にどんな人が住んでいるのか知らないことが多いので、音がきっかけで隣人への不信感や不安が増大し、警察に通報することもあるようです」</span></p>
<p>夜、隣から聞こえてくる「死ね！」「殺してやる！」という声。これは怖い。警察に通報したくなる気持ちはわかる。しかし、実はヘッドセットを使用したオンラインゲームをやっていて、声が大きくなっただけということもあったという。</p>
<p>また、マンションの隣の部屋から１日中ドンドンと何かを叩いているような音がする。隣人に相談員がヒアリングしてみると、明らかに在宅していないときにも音がしている。いろいろヒアリングした結果、水道管を通る水が、水道管内部の急激な圧力の変化によって、まるで水道管をハンマーで叩いているような大きな音が鳴る“ウォーターハンマー現象”を起こしていることがわかったのだとか。</p>
<p>音以外では匂いも問題になることが多い。隣の人がベランダで吸うたばこの煙が流れてきて、洗濯物に匂いがつく。料理の匂いが流れてきて気になるなどだ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「物件によってはベランダでタバコを吸うことを明確に禁じているところもありますが、そうでない場合は、注意するのはむずかしくなります。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">また、最近は外国籍の入居者が増えていることもあり、日本ではなじみのない香辛料を使って調理すると、その匂いが気になることもあるようです。けれど、調理を禁止することはできません。このような場合は、窓を閉めるなど自衛手段をとるしかないでしょう」</span></p>
<p>滅多にないことだが、隣の人から「仲良くなりたいので連絡先を交換したい」という手紙が投函されたケースもあるとか。</p>
<p><span class="strongInContent">「SNSのIDを交換しましょうと軽い気持ちで手紙を出したようですが、受け取ったほうは恐怖を感じます。こういう場合は無視すること。継続して連絡がきたり、窓からのぞかれている、あとをつけられるなどの行為がある場合は警察に相談したほうがいいでしょう」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="注意して、逆ギレされたら…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">注意したら、６人に１人が攻撃的な反応を示す…当人同士でのやりとりはNG</span></h3>
<p>隣人トラブルには「隣や上階の音がうるさい」というものと、「うるさいと言われているけど心当たりがない。どうしたらいいか」という相談があり、その割合は半々だという。隣人トラブルには、自分が被害者になる場合と、自分が訴えられる場合がある。隣人が神経質だと、ふつうに暮らしているつもりでもクレームをつけられることがあるのだ。</p>
<p>このような隣人トラブルに巻き込まれた場合、どうしたらいいのか。</p>
<p><span class="strongInContent">「隣人と特別に良好な関係が築けている場合は別ですが、基本的に当人同士でやりとりするのは避けたほうがいいでしょう」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<figure id="attachment_369133" aria-describedby="caption-attachment-369133" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9ace1181"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/86a787f261052c29dac73f3a3d5ebb66.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-369133" class="wp-caption-text">当人同士でのやりとりはNG</figcaption></figure>
<p>八戸工業大学名誉教授の橋本典久氏の研究によると、相手から注意を受けたとき、約６人に１人が反発型反応といって、苦情を言ってきた相手にきつい言葉を返すなど攻撃的な反応を示すという。</p>
<p>生活音など自分では相手に迷惑をかけているという自覚がないときは、注意を受けて、ついムッとなることもあるかもしれないが、駐車場など明らかに白線からはみだして、隣の車が出しにくくなっている場合でも、「これぐらいいいじゃないか」と聞き入れないケースもあるとか。</p>
<p><span class="strongInContent">「このような反応を示された場合、たいていの人は言葉を失ってしまうか、売り言葉に買い言葉で喧嘩になってしまい、解決に至りません。クレームを言うときは、管理会社など第三者を入れることをおすすめします」</span></p>
<p>前述の柔軟剤の匂いが気になるなど明らかに理不尽な要求に対しては、</p>
<p><span class="strongInContent">「過剰な要求は聞き入れる必要はありません。聞き入れてしまうと、次から次へと要求されることがあるからです」</span></p>
<p>このような場合も管理会社などの第三者に相談したほうがいいという。</p>
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<p>昔は引っ越したら向こう三軒両隣、集合住宅の場合は左右上下の部屋には挨拶に行ったものだが、最近はそういう風習も薄れてきた。しかし、</p>
<p><span class="strongInContent">「小さな子どもがいて、足音や声で迷惑をかけてしまうかもしれないとき、在宅勤務で音を出す可能性があるときなどは挨拶に行くことが有効な場合もあります。良好な関係を築くことはもちろん、正しいコミュニケーションを取ることがトラブルを避けるためにはいちばん大事なことです」</span></p>


中川いづみ

引っ越しの季節、新居で新生活を始めた人も多いだろう。心配なのは、隣人がどんな人なのか、ということ。近隣トラブル解決支援サービスを提供する会社の話によると「隣人トラブルは年々増えています」と言う。

「ヤバい人かも」…引っ越しシーズン増加する隣人トラブル《危ない隣人》「目からうろこ」の対処法

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