<figure id="attachment_370268" aria-describedby="caption-attachment-370268" style="width: 1101px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c874a9d5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/278a3a502a27985db939ce777feafafc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-370268" class="wp-caption-text">①左脚でしっかりマウンドを踏み右ヒザは腰の上に。股関節の強さにより安定感抜群の始動</figcaption></figure>
<p>無双のピッチングが続いている。</p>
<p>今季からカブスでプレーする今永昇太（30）だ。メジャー３試合で15回１／３を投げて防御率０.００（成績は４月16日現在）。デビューからいずれも４回以上を投げ自責点０は、防御率が公式記録となった１９１３年以降で５人目の快挙だ。今季絶好調の大谷翔平からも、空振り三振を奪っている。</p>
<p>動作解析の専門家で筑波大学・体育専門学群教授の川村卓（たかし）氏はこう分析する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「小柄な日本人投手の理想的なフォームでしょう。大柄な米国人投手は長身の高低差を活（い）かして上から投げ下ろすのが主流ですが、身長178㎝の今永は身体の横回転を利用しボールが手から離れる時には上からスピンをかけている。日本にいた時よりややサイド気味の投法で、より腕の遠心力を活用できています。150㎞／ｈほどの直球に浮き上がるようなキレが加わり、空振りが取れるんです」</span></p>
<p>左腕・今永の投球を連続写真で見ながら、川村氏の解説を聞こう。</p>
<p><span class="strongInContent">「①では左脚にしっかり体重が乗って、右ヒザはお腹のあたりまで上がっています。股関節を鍛えているからでしょう。ここまで安定した始動ができる投手は、メジャーでもなかなかいません」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="連続写真で解説！回転スピン投法"></div>
<p>圧巻は②から③にかけてだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「身体を沈み込ませ、体重を左脚から右脚へスムーズに移動させています。驚くのが、両肩のラインがずっと地面と平行でブレないこと。普通は右肩が前方へ突っ込んでしまいますが、始動が安定しているからこそのピッチングフォームでしょう。③では身体が二塁側へ残っているため、ボールを持つ左手が背中の方向にある。打者からすると、なかなかボールが見えないので打ちづらいと思います」</span></p>
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<figure id="attachment_370269" aria-describedby="caption-attachment-370269" style="width: 1101px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="13b358f1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/76879afeb253ffd33b857dcd13fa0d47.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-370269" class="wp-caption-text">②重心が一気に沈み込む。両肩のラインが地面と平行。上半身がブレずに右脚を踏み出している</figcaption></figure>
<figure id="attachment_370270" aria-describedby="caption-attachment-370270" style="width: 2409px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3b2ebfb1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/4f528f8183df67354199d3f682c6bd93.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-370270" class="wp-caption-text">③両肩のラインは地面と平行のまま。ボールを持った左手が、背中の後ろにあるので打者から見えづらい</figcaption></figure>
<p>④では、身体の横のひねりがボールに力強さを加えている。</p>
<p><span class="strongInContent">「腰を大きく回転させることで、身体全体に勢いが出ています。右脚をしっかり打者方向へ踏み出し、スピンの利（き）いたボールを投げ込んでいる。米国では珍しいタイプの投げ方で、メジャーの強打者も高めに浮き上がるボールに手こずり空振りしています。強いて似た投手をあげればアストロズの守護神で、驚異の奪三振率（９イニングあたり約15）を誇るサイドスローのヘイダーでしょうか」</span></p>
<figure id="attachment_370271" aria-describedby="caption-attachment-370271" style="width: 2039px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="efc96220"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/071d76670d60f912dee2484c918388ea.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-370271" class="wp-caption-text">④横の回転を利用して動きに勢いが。遠心力を活かしサイド気味のフォームからボールにスピンをかける</figcaption></figure>
<p>フィニッシュの⑤では課題がみえる。</p>
<p><span class="strongInContent">「身体が逆『く』の字に曲がり、お尻が二塁側へ残ってしまっています。スムーズな動きとはいえず、肩やヒジに負担がかかる良くない形です。今永は日本にいた時から故障がちで、年間通じて活躍できたシーズンが少ない。身体への負担が少ないフォームへの修正が、今後の課題でしょう。逆にケガさえなければ、間違いなくメジャーで活躍できます。年間15勝はできるでしょう」</span></p>
<figure id="attachment_370272" aria-describedby="caption-attachment-370272" style="width: 2256px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4a6f83ec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/04/684d1439830789813cf5ce5d7e75346f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-370272" class="wp-caption-text">⑤お尻が後方に残り、腰付近から太ももにかけ逆「く」の字になっているのは肩などに負担がかかり課題</figcaption></figure>
<p>２勝目をあげたマリナーズ戦後、今季初の四球を与えたことを悔やみ「勝って反省できるのは感謝すべきこと」と語った今永。常に思考する「投げる哲学者」が考えついた「回転スピン投法」で、メジャーの強打者を翻弄（ほんろう）する。</p>
<p>『FRIDAY』2024年5月3日号より</p>
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田口有史

今季からカブスでプレーする今永昇太が、今季絶好調の大谷翔平から空振り三振を奪い、無双ピッチングが続いている！直球のキレ生む「回転スピン投法｣を動作解析の専門家が徹底解説！

《動作解析の専門家が徹底解説》カブス・今永昇太直球のキレ生む「回転スピン投法｣

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